芸術科学会論文誌
Online ISSN : 1347-2267
ISSN-L : 1347-2267
2 巻, 4 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
「DiVA展特集」論文
  • 渡邊 淳司, 板垣 貴裕, 野嶋 琢也, 稲見 昌彦, 舘 すすむ
    2003 年 2 巻 4 号 p. 116-122
    発行日: 2003年
    公開日: 2008/07/30
    ジャーナル フリー
    電子付録
    見える物体は触ることができる.普段我々は,見えているものに何気なく手を伸ばし,触っているが,それはあたりまえの行為なのであろうか.我々にとって,何かがが存在するということは,そこに物質が存在し触覚を感じられることなのか,それとも,見えるということなのであろうか.本作品ではそれぞれの感覚における“存在”がテーマであり,体験者が画面の中で走り回る小人を触ることで,視覚と触覚による存在感の違いを感じることをねらいとした.小人は見える小人と影だけの小人の2 種類の小人が存在し,見える小人は視覚では知覚することはできるが,触覚によっては感じられない.一方,見えない小人は触ることによってその物質性は確認することはできるが,見ることはできない.彼らはそれぞれ,人間の知覚との関係性が一部失われた世界に存在している.
  • 高橋 誠史, 河原塚 有希彦, 桑村 宏幸, 宮田 一乘
    2003 年 2 巻 4 号 p. 123-127
    発行日: 2003年
    公開日: 2008/07/30
    ジャーナル フリー
    電子付録
    ただ歩きながら目にする風景の移り変わりを, 泳ぐという行為で置き換えてみたらどうなるのだろうか.本論文では, そのような身体運動に伴うさまざまな視覚体験を, コンピュータを用いて置換する試みを提案する.両腕に装着された反射板で参照光を反射し,その反射光を天井から吊るされたCCD カメラで観測する.次に, 観測された反射光を画像処理して腕の動きを計算し, その動きの変化にあわせて, 投影されるビデオの再生速度を制御し, 動画の中を泳いでいるような感覚を体験させる.日常的な光景を撮影した映像を泳ぎという動作を通して体験することにより, 無意識のうちに我々の行動に影響を与えている重力や, 身体そのものについて考えるきっかけを与える場を, この作品は提供する.
  • 第1 回DiVA 芸術科学会展論考
    永江 孝規
    2003 年 2 巻 4 号 p. 128-145
    発行日: 2003年
    公開日: 2008/07/30
    ジャーナル フリー
    2003年5月20日から23日にかけて東京工業大学大岡山キャンパスで開催された第1回DiVA芸術科学会展について報告し論考する。受賞作品を紹介し、講評と著者による解説を掲載する。本展覧会の企画と運営、ならびに本学会の中での位置づけ、今後の方向性などについて論評する。作家と技術者のコラボレーションをさらに発展させるための提言を行う。
一般論文
  • 朱 朝江, 村岡 一信, 水野 尚
    2003 年 2 巻 4 号 p. 146-155
    発行日: 2003年
    公開日: 2008/07/30
    ジャーナル フリー
    電子付録
    トンボは季節を感じさせる身近な存在の一つであり,コンピュータグラフィックスによるトンボの表現は,景観シミュレーションやバーチャルリアリティなどの季節感を向上させる要素として期待できる.本論文では,空気力学に基づくトンボの飛翔モデルを提案する.本モデルでは,翅のはばたきによる力を考慮してトンボをリアルタイムで飛翔させる.トンボの飛翔の特徴である急上昇,急停止,ホバリング,急旋回などを行うことができ,さらに,空間に制御点を配置することでトンボの飛翔経路を容易に定めることができる.
  • 高木 佐恵子, 波川 千晶, 吉本 富士市
    2003 年 2 巻 4 号 p. 156-164
    発行日: 2003年
    公開日: 2008/07/30
    ジャーナル フリー
    現在,CAI システムにCG を応用する研究は,知識学習に関するものが中心であり,技能学習を扱うシステム,特に,バーチャルではなく,実際の技能のためのシステムはほとんど皆無である.多くの人が,実際の向上を目指している技能の一つにメイクアップがある.近年,メイクアップ支援の需要が増加し,メイクアップシミュレータが開発されているが,既存システムは,シミュレーションの高品質化を探求するものばかりである.そこで,本論文では,ユーザが自分の顔へ実際に行ったメイクアップに対するアドバイス機能を含む3次元メイクアップアドバイスシステムを提案する.提案システムでは,顔を3次元形状計測装置で計測した距離データと画像,デジタルカメラで撮影した画像を入力とする.出力は,各段階におけるメイクアップシミュレーション結果の画像と実際のメイクアップテクニックの説明,そして,ユーザが行ったメイクアップとの比較によるアドバイスである.プロトタイプシステムの試用実験では,大半の被験者から肯定的評価を得た.
  • 角 文雄, 中嶋 正之
    2003 年 2 巻 4 号 p. 165-172
    発行日: 2003年
    公開日: 2008/07/30
    ジャーナル フリー
    キャラクタアニメーションの制作に於いては,登場するキャラクタの動きは,重要な演出上の要素である.アニメータは,ある特定の意図した動きを,キャラクタに振り付ける必要がある.しかしこの作業は,アニメータの経験,ノウハウ,技能に大きく依存すると共に時間を要する.本論文では,キャラクタへのポーズ付け作業を,一回の操作で簡単に行える新しいインターフェイスについて提案する.操作する関節と関連する関節が,同時に動いてポーズが決定できるように,運動力学計算を操作と同時並行に実施することで実現している.さらに,決定されたキーフレーム間の補間と力学的最適化を,順動力学計算と逆動力学計算を連続的に実施して,動きを生成する方法について提案する.この時,より滑らかで自然な動きとなるように緩和係数を導入する.また,干渉チェックを高速に実施する方法についても提案する.
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