芸術科学会論文誌
Online ISSN : 1347-2267
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一般論文
  • 小池 駿太, リュウ シセン, 今井 綾音, 鈴木 翔悟, 勝本 雄一朗
    原稿種別: 原著論文
    2026 年25 巻1 号 p. 1_1-1_13
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/14
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    電子付録

    ペットとして飼われている犬や猫は多くの毛を落とすが,それらはほとんどが有効活用されず廃棄されている.ペットの毛はウールと比較して硬く,太く,柔軟性がないため,再利用のための加工が難しい.よってペットを飼う家庭では,抜け毛の処理が負担となっている.だが,ペットの毛を誰にとっても扱いやすい形に加工し,身近に感じられるアイテムへとアップサイクルすることができれば,廃棄を減らすと同時に,飼い主にとって特別な思い出として残すことができる.そこで本研究では,ペットの毛からクラフト用モールをファブリケートする装置を開発し,毛の収集からモールによるマスコットの製作までを一連の工程として構築した.クラフト用モールはペットの毛特有の質感を損なわずに活かすことができるため,ペットの姿をマスコットとして再現することが可能である.また,モールの制作は飼い主の情緒的価値を高め,創作意欲や特別な体験の提供にも寄与することが確認された.

    アニモール:ペットの毛をクラフト用モールとしてアップサイクルする装置のデザイン Fullsize Image
  • 松田 創, 緒方 思源, 松居 辰則
    原稿種別: 原著論文
    2026 年25 巻1 号 p. 2_1-2_15
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/14
    ジャーナル フリー

    騒色現象(Noisy Color Phenomenon, NCP)とは,ある色が周囲の色に対して過度に目立つことで,全体の配色が不快に知覚される現象である.本研究では,日本人成人を対象に,色相・明度・彩度・面積比という4つの色属性がNCPの生起に及ぼす影響を印象評価実験により解明することを目的とした.実験では,色が異なる大小2つの正方形からなる配色刺激を用いた.分散分析やプロットの結果から,前景色に赤系を含む配色,前景と背景の色相差が大きい配色,低明度または高彩度の配色,明度差が小さい配色では,NCPが生じやすい傾向が示された.また,「前景色:背景色」の面積比が小さい場合や,前景の面積が小さい場合にも,NCPは生じにくいことが確認された.さらに,色相・明度・彩度をCIE L*a*b* および L*C*h 表色系に変換した上で重回帰分析を行った結果,前景の色相(a*・b*値),明度,彩度,色相差,明度差がNCPに与える影響は,先述の分析結果と一致していた.加えて,背景色のa* 値がNCPに正の影響を与えることが新たに明らかとなった.これらの知見は,NCPの心理的メカニズムの理解を深めるとともに,視認性と快適性の両立を目指した配色デザインへの応用が期待される.

    日本人成人における騒色現象(Noisy Color Phenomenon)の生起に及ぼす色属性の影響 Fullsize Image
  • 藤田 理恵子, 高田 明典
    原稿種別: 原著論文
    2026 年25 巻1 号 p. 3_1-3_13
    発行日: 2026/03/31
    公開日: 2026/04/14
    ジャーナル フリー

    物語構造分析では主に物語を丹念に読み込むという古典的手法が多く使用されてきたが,分析が難しい事例が多く存在する.一例として大量のテキストを伴う長編小説の分析があげられる.近年では計量的なテキスト分析の手法が多く提案されるようになり,上記の問題を計算機処理によって解決しうる可能性が示されているが,本論文ではLSAを用いて小説のストーリー構造を抽出する手法を提案する.提案手法を用いた分析例として,100話を超える構成をもつ長編小説を選定し,近年隆盛を極めているWeb小説より『ティアムーン帝国物語』と,夏目漱石『こころ』の二つの長編小説作品を対象とした分析を示した.Web小説のみならず純文学においても,LSAを用いた提案手法によりストーリー構造を抽出できることが示された.このことは,物語論およびテキスト分析の両領域における新たな知見の提示として重要な意義を持つと考えられる.

    潜在意味分析(LSA)による小説のストーリー構造の抽出 Fullsize Image
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