芸術科学会論文誌
Online ISSN : 1347-2267
ISSN-L : 1347-2267
5 巻, 4 号
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一般論文
  • 佐藤 陽悦, 藤本 忠博, 千葉 則茂
    2006 年 5 巻 4 号 p. 92-94
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    近年, 3次元計測技術の向上により, デジタルアーカイブなどのコンテンツ作りのために, レンジセンサと呼ばれる主にレーザスキャン型の奥行き (デプス) 計測装置を活用した3次元形状モデル (3Dモデル) の獲得技術に関する研究が多数報告されてきている. 一方, CGの製作過程において, 建造物などは, 一般にモデラなどによりプリミティブ等で構築していくことが多い. その際, レンジセンサ計測データなどを元にCGモデルを構築することが有効である. その場合現状のCGコンテンツの制作では, クリエータが形状モデラを利用し, インタラクティブにモデリングを行うことが多い. 本論文では, このような実際的な形状モデリングを支援する技術として, 点群データへのプリミティブ当てはめツールの開発を目的として, 計測データのユーザによる指定領域に適合するプリミティブの最適なパラメタを求めるためのGA (遺伝的アルゴリズム) を用いた手法について基礎的な検討を行った.
  • 川野邊 誠, 亀田 昌志
    2006 年 5 巻 4 号 p. 95-105
    発行日: 2006/12/20
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
    音楽 (音) と色の関係は, 芸術, 科学の分野で古くから広く研究されてきている. 従来研究のほとんどは, 音楽の個々の構成要素のパラメータと色の関係を求めている. そこでは, 各構成要素から受ける印象には着目しているが, 音楽から受ける印象を深く考慮していないことが多い. さらに, 1楽曲に対して1色を関係付けていることがほとんどである. しかしながら, 楽曲にはその途中で曲調が変化するものが多い. そのため, 従来研究の成果から音楽と色を関係付けると, 感覚的に一致しないことが多かった.
    音楽の印象は楽曲の進行に伴い変化するものであり, 楽曲に合わせた色との対応を取る際, 楽曲の印象とその変化を考慮する必要があると考える. 本論文では, 楽曲から受ける印象の時系列変化に対応するために, 曲調変化を感知する箇所で楽曲を区切って印象評価を行い, その結果と先行研究で構築した「楽曲と配色間の共通印象を介したメディア変換モデル」を使用し, 感覚的一致度の高い楽曲と配色の組み合わせを実現する.
    本手法に基づいて, 各々の区間楽曲に対する一番強い印象のみを用いて配色との関係を求めた場合, 組み合わされた区間楽曲と配色の感覚的一致度は全体平均で約58%となった. そこで, 区間楽曲に対する全ての印象を用いて, 区間楽曲に適切な印象を総合的に判断可能なアルゴリズムを提案する. 本アルゴリズムに基づき区間楽曲と配色を組み合わせた結果, 一番強い印象のみを用いる方法と比較して, 約24%の感覚的一致度の向上があることが明らかとなった.
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