芸術科学会論文誌
Online ISSN : 1347-2267
ISSN-L : 1347-2267
9 巻, 1 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
2009 NICOGRAPH Internatonal・春季大会・芸術科学会展投稿論文特集
  • 徳山 喜政, 今野 晃市, 曽根 順治, Janaka Rajapakse R.P.C.
    2010 年 9 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    CGアニメーションでは,人物や動物などのキャラクターの形状モデルが重要である.これらの形状を複数枚のBazier, B-splineやNURBSなどのパラメトリック曲面で表現する場合,曲面同士を滑らかに接続するのは困難であり,複雑な処理を必要とする.この問題を解決するために,近年細分割局面(Subdivision Surfaces)がよく利用されている.しかし,デザイナーが直観的にモデリングすることができる効率的なモデリング手法の確立は依然として大きな課題である.一方,複雑な自由曲面形状を設計するための手法として,曲面の境界曲線を入力して曲面メッシュを生成し,境界で囲まれた領域をGregoryパッチで内挿する手法がある.このような手法は,曲線メッシュを直接修正することで,意図する形状を得ることができるため,細分割曲面を利用する方法と比較して,直観的な形状変形を行うことができるという利点がある.本研究では, Catmull-Clark細分割曲面とGregoryパッチ両方の特徴を生かすために,ポリゴンメッシュから同一位相をもつ曲線メッシュをCatmull-Clark細分割法則に基づいて生成し,生成された曲線メッシュを直接変形し,変形された曲線メッシュ形状をポリゴンメッシュへ反映させるような局所変形手法を提案する.本手法は,曲線メッシュ上の頂点や稜線に変形を施した場合,その頂点や稜線につながっている曲面形状しか変形されないのが特徴である.また,曲線メッシュ上の任意の範囲を指定し,指定した範囲外の曲面との連続性を保ちつつ,範囲内の曲面を自由に変形することも可能である.曲線メッシュ上の変形をポリゴンメッシュへ反映させることで,ポリゴンメッシュで行いにくい局所変形や直観的な変形が実現できる.
  • 内平 博貴, 宮下 芳明
    2010 年 9 巻 1 号 p. 10-19
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    電子付録
    本稿では,電子楽器であるサンプラーのメタファを取り入れることによる書道の新しい表現手法を提案する.目的は描画ツールで困難であった筆のかすれなどの表現を容易にすることと,楽器としてのサンプラーのメタファを取り入れることにより書道の新しい表現方法を提案することである.本システムはモデルとする書をマウスポインタでなぞることによってスキャニングし,描画画面でサンプル群を出力することにより描画を行う.本研究はさらにミキサーやエンベロープ・ジェネレータといった機能を導入し,出力画像の編集を行えるように改良している.また,サンプリング元を参照し閲覧できる機能を設け,サンプリング楽曲のように鑑賞時に参照元を発見する喜びを書に付与することで,さらに新しい表現,鑑賞スタイルを提案する.
一般論文
  • 星野 准一, 森 博志
    2009 年 9 巻 1 号 p. 20-28
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    近年,ゲームやテーマパークなどで,CGキャラクタと対話をすることでストーリーが進行する,音声対話ゲームが見られるようになってきた.このようなゲームでは,ユーザのストーリー体験を強化するために,自然で現実味のある対話を実現することが求められている.しかし,従来ゲームでは,ユーザの発話内容を認識する間CGキャラクタがレスポンスを返すことができないため,CGキャラクタの反応タイミングが遅く不自然に感じられるという問題があった.そのため,本論文では,ユーザの発話内容を理解し反応する熟考的反応だけでなく,会話状態に連動した注意動作や,ユーザの非言語情報を知覚し反射的に注意を向けるといった,反応的注意動作を生成する手法を提案する.最後に,提案手法を音声対話型ゲームに適用し,従来の音声認識の遅延によって発生していたCGキャラクタの反応動作の遅延が軽減され,CGキャラクタとの対話感が増すことを示す.
  • 山本 景子, 南部 俊輔, 佐藤 宏介
    2010 年 9 巻 1 号 p. 29-37
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    キャプチャデバイスの進歩により,長時間のコンテンツ収録が可能になったことから,限られた動作だけを記録するのではなく,動作の一部始終をキャプチャする機会が増えている.それに伴い,コンテンツ検索,すなわち長時間に亘るキャプチャデータの中から,ユーザが必要とするシーンを選び出すための技術が必要とされている.本論文ではこの問題に対して,人が中心となる動作風景を撮影した映像を対象とし,動作時に映像と共に対象者の把持圧の変化を記録し,把持圧情報から求められる動作状態を提示することで,内容検索を支援する手法を提案する.筆者らは把持圧から,把持状態,把持対象,把持して行う動作についての情報が得られると考える.そこで,把持圧計測装置を構築し,動作映像と同時に取得した把持圧を分析することで,対象者の状態を判別する手法を提案し,実験により判別精度の検証を行った.ユーザが動作毎に所望のシーンを効率的に閲覧する支援となるコンテンツ検索支援システムを構築し,提案手法の動作確認を行った.
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