東北理学療法学
Online ISSN : 2189-5686
Print ISSN : 0915-2180
最新号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
巻頭言
目次
研究論文
  • 佐藤 滋, 外川 諒, 佐藤 千恵, 藤井 祐輔, 佐藤 真一, 米沢 勇悦, 佐藤 丈才, 橋本 博明, 遠藤 直子, 熊谷 亜希子, 田 ...
    2018 年 30 巻 p. 1-5
    発行日: 2018/09/01
    公開日: 2018/09/14
    ジャーナル 認証あり

    【はじめに】

    小児先天性心疾患患者に発症した右肺上葉の無気肺に対して,無気肺部位を聴診した状態での聴診下全周期呼吸介助手技の無気肺への効果を検討した。

    【対象】

    症例は2015年12月から2016年12月までに右肺上葉に無気肺を生じた心疾患症例7例を対象とした。

    【方法】

    左側臥位で,吸気に合わせて胸郭を拡張し,呼気時には右胸郭上肺野を前後方向から軽度圧迫した。無気

    肺への効果判定は,呼吸介助手技開始前と翌日の胸部単純X線写真および呼吸介助手技前後の酸素化指数を

    用いて評価した。

    【結果】

    開始時の無気肺のGradeは3が5例,2が2例であった。介入翌日のGradeは2が2例,1が1例,0が4例で有意な改善を認めた(p<0.05)。介入前後の酸素化指数は5例で改善を認めた。Grade0になるまで治療に要した日数は1日(1-12)であった。

    【結語】

    小児心疾患患者の右肺上葉無気肺への聴診下全周期呼吸介助手技を施行し,有効性と手技の安全性が確認できた。

  • 加藤 直也, 中野渡 達哉, 中川 響子, 奥山 哲平, 坂井 一哉, 大泉 龍太郎
    2018 年 30 巻 p. 6-12
    発行日: 2018/09/01
    公開日: 2018/09/14
    ジャーナル 認証あり

    【目的】基本動作能力を評価するスケールであるAbility for Basic Movement ScaleⅡ(ABMSⅡ)を用いて大腿骨近位部骨折術後患者の急性期病院退院時における基本動作能力とADL能力の関連性を明らかと

    する。

    【対象】2016年4月1日~12月31日に,当院整形外科に大腿骨近位部骨折の診断にて入院,手術適応となり,重篤な合併症等なく理学療法を実施した73名を対象とした。

    【方法】最終評価時のBarthel Indexと初回・最終評価時のABMSⅡの相関係数を求め,更に最終評価時のBIを従属変数とし,ABMSⅡと他の因子を独立変数とする重回帰分析にて関連性を調べた。

    【結果】最終BIとABMSⅡは相関関係にあり,急性期病院退院時のADL能力は,立ち上がり動作と起き上がり動作の自立度が影響していることが示された。

    【結語】大腿骨近位部骨折術後急性期におけるADL能力には,立ち上がりや起き上がりの動作能力を高める治療的アプローチが重要であることが示唆された。

  • 渡邉 哲朗, 荻原 久佳, 添田 健仁, 藤原 孝之, 吉田 宏昭
    2018 年 30 巻 p. 13-21
    発行日: 2018/09/01
    公開日: 2018/09/14
    ジャーナル 認証あり

    【目的】起き上がり動作時の角度,時間情報を三次元動作解析システムによって定量的に解析し,起き上 がり動作の再現性を検討すること。【方法】対象は健常男性17名であった。対象の自由な方法にて2通りの 速度の起き上がり動作を3回ずつ試行した。起き上がり動作の所要時間,角度,最大角度までの到達タイミ ングから級内相関係数ICC(1, 1)(1, 3)を求め,Spearman- Brownの公式を用い,級内相関係数が0.9以 上になる角度情報の回数の検討を行った。【結果】動作時間,角度情報は有意な級内相関係数が得られたが,最大角度までの到達タイミングに関しては,一部の関節運動において有意な級内相関係数が得られなかった。 角度情報の回数は,最大努力速度における体幹の左回旋で12.0回,至適速度における体幹の右回旋で4.9回が 最大値となった。【結語】健常者の場合,起き上がり動作に必要な関節角度はほぼ一定であるが,関節運動が最大になるタイミングは一定ではなかった。起き上がり動作の観察を行う際は,至適速度にて5回程度行うことが望ましい可能性が示唆された。

  • 古川 勉寛
    2018 年 30 巻 p. 22-27
    発行日: 2018/09/01
    公開日: 2018/09/14
    ジャーナル 認証あり

    【目的】本研究は,理学療法士養成課程の分布状況と高齢者人口に対する理学療法士数の分布状況から東北地方における理学療法士の量的質的側面について考究することを目的とした。

    【方法】総務省統計局がまとめた平成27年国勢調査人口等基本集計から,各都道府県の人口,18歳人口,高齢者人口(65歳以上人口)の3つを使用した。また,公益社団法人日本理学療法士協会ホームページに公開されている平成29年度養成校一覧から,各士会員数,養成校入学定員を使用した。これら二つのデータから得られる情報をもとに,各都道府県の入学定員数に占める18歳人口の割合(以下,地域教育能)と各士会員数に占める高齢者人口の割合(以下,高齢者対応能)を算出し,多い順に1位から47位の順位を振り付けた。

    【結果】宮城県を除いた東北地方において地域教育能の低位が認められた。高齢者対応能は,東北6県で低位に位置していることが認められた。

  • 坂本 裕美, 髙見 彰淑, 牧野 美里
    2018 年 30 巻 p. 28-33
    発行日: 2018/09/01
    公開日: 2018/09/14
    ジャーナル 認証あり

    【目的】歩行所要時間,歩数測定から歩行比を算出する際に,その測定方法の違いが歩行比の基準値に差異を生む点での解釈について,その問題点を明らかにすることである。

    【対象と方法】対象は健常学生19名。測定条件は,終了点に違いがある2条件を独自に設定し(先行足基 準と後行足基準),歩行所要時間・歩数測定から歩行比を算出した。この2条件間の差異を比較検討した。

    【結果】歩行比は後行足基準で0.0052±0.0003m/steps/min,先行足基準で0.0058±0.0004m/steps/minと有意差を認め(p<0.001),先行足基準が諸家の報告に近い基準値が得られた。

    【結語】歩行比において2条件で明確な差を認めた。これにより,基準値を参照する際は歩行測定方法に留意し,適切な補正や解釈を行う必要性が再認識された。

  • 高橋 純平, 西山 徹
    2018 年 30 巻 p. 34-38
    発行日: 2018/09/01
    公開日: 2018/09/14
    ジャーナル 認証あり

    本研究の目的は,脳卒中片麻痺者における上肢を用いた立ち上がり動作中の関節角度が,立ち上がり方法の違いによってどのような特徴を示すか矢状面上より分析し,身体特徴が動作に影響を与えるかどうかを 明らかにすることである。脳卒中片麻痺者21名を対象に,椅子からの立ち上がりが可能な最大レベルの動作(上肢支持なしの立ち上がり動作,Push動作,Pull動作)中の,体幹ならびに下腿の最大傾斜角度を算 出し,動作間で比較検討をした。その結果,最大体幹前傾角度,最大下腿傾斜角度ともに,上肢支持なし群 とPush動作群間に有意差は認められなかったが,Pull群は他の2群間と比較し有意に小さかった。このことから,上肢支持なしの立ち上がり動作とPush動作は,しっかりと体幹前傾を行った動作であるのに対し,Pull群では手すりを引くことによって,動作初期から上体を前上方にもっていく動作であったと考える。

  • 平林 大輔, 中田 隆文
    2018 年 30 巻 p. 39-43
    発行日: 2018/09/01
    公開日: 2018/09/14
    ジャーナル 認証あり

    ALSは原因不明の進行性の神経変性疾患で,呼吸管理を選択しなければ早期に死に至る。本研究では当院訪問リハを利用した在宅ALS患者の呼吸療法の実施内容と転帰から,訪問する理学療法士に要求される内容を明らかにする事を目的とした。対象は平成16年4月~平成29年4月に当院訪問リハを利用した在宅ALS 患者75例。結果,呼吸療法は67例で実施され,実施内容は多岐にわたった。呼吸リハは全例で行われており,

    機器では吸引器が最も多かった。転帰は自然経過で在宅看取り,進行により入院し死亡,急変し救急搬送さ

    れ死亡,ALS以外の疾患で入院,社会的入院となる傾向にあった。呼吸器感染症による死亡は1例のみであった。在宅ALS患者に訪問する理学療法士は,ALSは進行し,急変に遭遇する可能性があることや,介

    護負担の可能性を理解し,従来の排痰法に加え,喀痰吸引の知識と技術の習得は必須と考えられた。

  • 渡部 美穂, 加藤 沙織, 高橋 俊章
    2018 年 30 巻 p. 44-50
    発行日: 2018/09/01
    公開日: 2018/09/14
    ジャーナル 認証あり

    【目的】端座位での骨盤運動が身体の柔軟性増加と安定性向上に与える要因を明らかにすることを目的とした。

    【対象】対象は健常成人22名とした。

    【方法】骨盤運動は,骨盤前後傾・側方傾斜・回旋運動を各10回ずつ2セット行った。測定項目は,柔軟性の評価として,指床間距離(以下,FFD),大腿後面・下腿後面・腰背部の筋硬度と皮膚可動性,体幹ROM,脊柱可動性を,安定性の評価として,側方FRT,腹横筋収縮値を測定した。骨盤運動の結果と比較 するため,同一被験者に7分間の静止座位の前後に同様の測定を行った。

    【結果】骨盤運動により,FFDは有意に増加し,体幹屈曲・左側屈ROMも有意に増加した。側方FRT及び60秒後の腹横筋収縮値も有意に増加した。

    【結語】骨盤運動が指床間距離を増加させた要因として,ハムストリングスの伸張と脊柱可動性の増加が 考えられた。また,腹横筋収縮が促通されたこと,体幹側屈の可動域が増加したことが側方FRT増加の要 因であると考えた。

  • 沢田 行秀, 山下 浩樹, 関 公輔
    2018 年 30 巻 p. 51-57
    発行日: 2018/09/01
    公開日: 2018/09/14
    ジャーナル 認証あり

    【目的】健常者における目的別の端座位位置の比較および決定因子の検討を行った。

    【方法】健常者18名に,動作または姿勢課題として,起き上がり動作後の座位,安楽な座位,立ち上がり

    動作前の座位の位置を任意に取ってもらい,座面として臀部から大腿後面のうち支持面を構成している割合を抽出し3種の座位の位置を比較対象とした。また起き上がり動作開始位置と動作後の座位の位置,立ち上がり動作前の座位の位置と膝関節の屈曲角度の関係を分析した。

    【結果】立ち上がり動作前の座位とその他の座位の位置に有意な差を認めた(p<0.05)。

    【考察】任意に適した端座位姿勢を取る際,目的により端座位の位置を変更する結果が示された。同じ座位姿勢でも,各座位姿勢の持つ意味は異なることが示唆される。

  • 近藤 貴大, 渡辺 光司, 齋藤 頼亮, 田中 孝顕
    2018 年 30 巻 p. 58-65
    発行日: 2018/09/01
    公開日: 2018/09/14
    ジャーナル 認証あり

    【目的】脳萎縮や側脳室拡大は加齢に伴う機能低下に関連する。しかし,脳卒中後のリハビリテーションにおいてこの構造変化を考慮することは少ない。今回,初発脳梗塞患者で脳および側脳室容積が回復期リハビリテーション後の歩行自立に及ぼす影響を検討した。

    【対象と方法】退棟時で歩行自立,非自立群に群分けし後方視的に調査した。脳および側脳室容積は発症 時MRI画像を使用し,Ertekinら(2016)の方法で算出した。各容積は頭蓋内全体の容積で正規化した。従属変数を退棟時歩行自立の可否,独立変数を年齢,性別,入棟時Fugl-Meyer Assessment下肢項目(以下FMA-LE),損傷部位がテント上か否か,高次脳機能障害の有無,脳容積,側脳室容積とし多重ロジスティッ ク回帰分析を実施した。

    【結果】関連を認めた項目は性別(オッズ比0.25),高次脳機能障害有り(オッズ比0.25),FMA-LE(オッ ズ比1.18),脳容積(オッズ比1.43)であった。

    【結語】脳萎縮が脳梗塞後の歩行自立阻害因子となることが示唆された。これは予後予測を考える上での一視点となる。

  • 渡邊 慎吾, 須賀 康平, 小野 修, 江川 廉, 茂木 崇宏, 櫻井 佳宏, 小関 忠樹
    2018 年 30 巻 p. 66-73
    発行日: 2018/09/01
    公開日: 2018/09/14
    ジャーナル 認証あり

    脳卒中後の痙縮は,運動機能の回復を阻害する可能性を有することから,早期に痙縮発症の要因を同定することが重要であると考えられる。そこで,本レビューは脳卒中後早期の痙縮発症の予測因子を調査する

    ことを目的とし,論文レビューを実施した。データベースはPubMedを用いた。論文検索は,spasticity

    post stroke spasticityの2つの用語にstrokecerebrovascular accidentCVApredictorsrisk factorsを組み合わせて実施した。すべての検索は2017年5月22日までに終了した。最終的に15編の論文が

    採用された。痙縮発症の予測因子は,運動機能に関する報告が最も多かった。その他に,感覚機能,疼痛,年齢等の患者属性,臨床経過および脳の損傷部位が挙げられた。痙縮発症の要因を早期に同定し,リハビリテーションおよび薬物治療を実施することは,さらなる運動機能の回復や介護負担の軽減および治療コスト削減をもたらす可能性がある。

  • 2018 年 30 巻 p. 74-95
    発行日: 2018/09/01
    公開日: 2018/09/14
    ジャーナル 認証あり
英文目次
feedback
Top