東北理学療法学
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巻頭言
目次
研究論文
  • 古川 勉寛, 宮嶋 佑, 仲山 勉, 久保木 通
    2019 年 31 巻 p. 1-7
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/07
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    理学療法士免許を有する対象者を臨床経験年数 1 ~ 2 年の群 (女性 6 名,男性 8 名,平均年齢23歳) と臨床経験年数 4 年以上の群 (女性 5 名,男性 9 名,平均年齢31歳) の 2 群に分け,リスクマネジメントの認識度と必要性および理学療法実施中の不安についてアンケートを実施した。その結果,両群ともリスクマネジメントの重要性認識度が同等であることが明らかになった。また,リスクマネジメントの必要性認識度については,筋力トレーニングにのみ差が認められた。ただし,両群とも理学療法実施中に同等の不安を抱えていることが示唆された。

  • 古川 勉寛
    2019 年 31 巻 p. 8-12
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/07
    ジャーナル 認証あり

    下肢骨格筋支配の脊髄興奮準位が増強する聴覚刺激強度と周波数を明らかにするために,Hoffman 波(以下,H波)を測定した。方法:健常成人男性24名(21歳)を周波数250Hzの音源を使用するA群,周波数1000Hzの音源を使用するB群,周波数4000Hzの音源を使用するC群に分け,強度を10dBから90dBまでの10dB間隔でランダムに刺激した。H波の測定は,右膝窩部から脛骨神経を電気刺激し,同側のヒラメ筋筋腹中央部から導出した。分割プロット分散分析の結果,刺激の周波数(Hz)に主効果を認めず,聴覚刺激強度(dB)に主効果が認められた(p <0.05)。交互作用は認められなかった。そのことから,脊髄興奮準位に対して刺激周波数は影響を与えず,聴覚刺激強度が影響を与えることが明らかになった。

  • 伊藤 亮太, 尾田 敦, 石川 大瑛, 前田 健太郎, 横山 寛子, 川口 陽亮, 長澤 麻耶, 山舘 菜緒, 佐々木 和広
    2019 年 31 巻 p. 13-19
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/07
    ジャーナル 認証あり

    変形性膝関節症(以下,膝OA)では後足部回内変形も生じるが,膝OAの重症度や膝関節の臨床症状との関係は明確ではない。よって,膝OA患者における膝関節の臨床症状と後足部回内を重症度別で比較し, その関係性を検討した。

    方法は,膝OA患者を対象として,膝関節臨床症状と足部アライメントを重症度別で比較し,後足部アライメントと膝関節の臨床症状との相関関係を分析した。

    結果は,膝OAが重症であるほど,膝関節の内反と伸展制限は強く,足部は回内を示した。一方,膝OAの重症度と膝関節の疼痛の間には有意差を認めなかった。さらに,膝関節内反が強いほど,距骨下関節は回内し,膝関節伸展制限が強いほど,距骨下関節回内と踵骨外反は増加した。また,膝関節の疼痛が強いほど,踵骨外反は増加した。

    以上より,膝OAでは下腿の外側傾斜を距骨下関節回内によって代償すること,膝関節伸展制限によって 足関節が背屈し,距骨下関節回内や踵骨外反が増加すること,膝関節内側への荷重量を軽減させるために踵骨外反が増加することが考えられた。

  • 関 裕也, 対馬 栄輝
    2019 年 31 巻 p. 20-26
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/07
    ジャーナル 認証あり

    本研究の目的は,脳卒中片麻痺患者の重複歩距離に関連する因子を検討することである。脳卒中片麻痺患者31名を対象とし,デジタルビデオカメラで矢状面上の歩行動作を撮影する。その撮影像をもとにパソコン上で重複歩距離と,麻痺側・非麻痺側の立脚前期・立脚後期における腓骨頭・大転子の進行方向への移動距離をImageJにて測定する。統計的解析は,重複歩距離を従属変数,麻痺側・非麻痺側の立脚前期・立脚後期における腓骨頭・大転子の進行方向への移動距離と,性別,年齢,身長等を独立変数とした重回帰分析を実施する。その結果,麻痺側立脚後期における大転子の進行方向への移動距離(麻痺側立脚後期大転子移動距離)のみが選択された。これより,臨床で行われる観察による歩行分析の際,麻痺側立脚後期大転子移動距離は,重要な指標になると考える。

  • 志鎌 瑶, 早坂 恵利, 赤塚 清矢, 真壁 寿
    2019 年 31 巻 p. 27-32
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/07
    ジャーナル 認証あり

    【目的】運動耐容能と副交感神経活動の関わりについて明らかにすること。

    【方法】若年健常成人30名を対象とした。自転車エルゴメーターによるランプ運動負荷試験(20w/分)を行い,心拍数(HR),呼気ガス分析により嫌気性代謝作業閾値(AT),酸素摂取量を測定した。心電図波形から高速フーリエ変換によるスペクトル解析を行い,高周波成分(HF),低周波成分(LF)を算出した。

    【結果】運動負荷に伴うHF の減少と,LF/HFの増加および運動負荷終了後における,HFの増加,LF/HFの減少を認めた。また,ATにおける心拍数と,ATまでの1分間のHFとの負の相関,ATにおける酸素摂取量とwarm up時のHF,安静からATまでのHFの変化量で正の相関を認めた。

    【結語】運動耐容能が高いほど,運動負荷量の増加に対する心拍変動の調節に副交感神経が関与していると考える。

  • 佐藤 圭汰, 伊藤 俊一, 小俣 純一, 遠藤 達矢, 三浦 拓也, 岩渕 真澄, 白土 修
    2019 年 31 巻 p. 33-39
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/07
    ジャーナル 認証あり

    【目的】 成人脊柱変形(ASD)患者の歩行能力に対する脊柱アライメントの影響を検討すること。

    【対象】 女性ASD患者10名。

    【方法】 歩行能力は連続歩行可能であった距離を測定値として用いた。脊柱アライメントは,立位姿勢における静的脊柱アライメント(静的体幹・骨盤傾斜角)と,歩行時における動的脊柱アライメント(動的体幹・骨盤傾斜角)をそれぞれ測定した。連続歩行可能距離に対する静的および動的脊柱アライメントの影響を検討した。

    【結果】 連続歩行可能距離に対して,動的体幹傾斜角が有意な影響を及ぼす因子であった (β=0.77,R2=0.54)。

    【結語】 ASD患者の歩行能力には,静的脊柱アライメント不良よりも動的脊柱アライメント不良が影響を及ぼした。これは,従来までの静的脊柱アライメント測定のみでは不十分であり,実際の歩行場面での動的脊柱アライメント測定を行う必要性が示唆された。

  • 佐藤 圭汰, 伊藤 俊一, 小俣 純一, 遠藤 達矢, 三浦 拓也, 岩渕 真澄, 白土 修
    2019 年 31 巻 p. 40-47
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/07
    ジャーナル 認証あり

    【目的】 成人脊柱変形(ASD)患者の,身体機能・脊柱アライメントとSRS-22下位項目との関係を調査すること。

    【対象】 腰痛を有する女性ASD患者15名。

    【対象】 身体機能項目として,体幹・股関節伸展筋力値,胸椎・腰椎・股関節伸展ROM,至適歩行速度を測定した。脊柱アライメント項目として,静的脊柱アライメント,動的脊柱アライメントを測定した。QOL評価はSRS-22の下位項目を使用し,SRS-22下位項目と身体機能・脊柱アライメント項目の関係を調査した。

    【結果】 疼痛QOLと体幹伸展筋力,至適歩行速度に有意な相関を認めた。自己イメージQOLと胸椎伸展ROMに有意な相関を認めた。

    【結語】 症状が多岐に渡るASD患者に対し,疼痛QOLが低い場合は体幹伸展筋力と至適歩行速度,自己イメージQOLが低い場合は胸椎伸展ROMが介入ポイントの一つとなる可能性がある。

  • 花岡 将来, 前田 貴哉
    2019 年 31 巻 p. 48-52
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/07
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    ストレッチングが下肢の機能的能力に与える影響は未だ不明な点が多い。本研究ではスタティックストレッチング(以下,SS)とダイナミックストレッチング(以下,DS)が下肢の機能的能力に与える影響について, Functional Ability Test of the Knee(以下,FAT)を用いて検討した。対象は健常成人11名11 肢とし,SS条件,DS条件,コントロール条件の 3 条件に参加した。SS及びDS条件では大腿四頭筋に対するストレッチングを行い,コントロール条件では安静を保持した。介入前,介入直後,介入30分後にFAT を測定し,反復測定二元配置分散分析による統計解析を行った。結果,FAT項目において介入条件と測定時期の 2 要因に主効果は認められなかった。本研究では,SS及びDSが下肢の機能的能力に与える影響は明らかにできなかった。

  • 早坂 恵莉, 志鎌 瑶, 赤塚 清矢
    2019 年 31 巻 p. 53-58
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/07
    ジャーナル 認証あり

    【目的】 医療系大学生は医療や健康に関する関心が高く,良好な生活習慣の維持に努めていると予測され,行動変容ステージは高位であると予測される。今回,医療系大学生を対象に,身体活動量,運動耐容能,生活習慣および行動変容の指標を用い評価した。

    【対象】 A大学保健医療学部の理学療法学科,作業療法学科,看護学科に在籍する学生30名(男性15名,女性15名)

    【方法】 身体特性として,身長,体重,推定体脂肪率,推定骨量,推定骨密度,推定筋肉量を測定した。 ランプ運動負荷試験にて,無酸素性作業閾値での酸素摂取量と二酸化炭素排出量を測定し, 身体活動量は 1 週間の平均歩数を用いた。また,質問紙を用いて健康度と生活習慣,行動変容,栄養摂取状況を調査した。

    【結果】

    男女ともに健康日本21(第 2 次)で推奨する目標歩数,日本人の食事摂取基準(2015版)のエネルギー摂取量を下回った。また,DIHAL. 2の健康度・生活習慣パターン判定より,半数以上が「要注意型」「生活習慣要注意型」「健康度要注意型」に該当し,行動変容評価では,「前熟考期」から「準備期」に該当した。

    【結語】 医療系大学生のヘルスプロモーションにおいては,個人が個々の生活習慣を自覚した上で性差を考慮し,身体活動量のみならず食事に関する状況を踏まえ,行動変容ステージを把握しアプローチする必要があると考える。

  • 川口 陽亮, 尾田 敦, 石川 大瑛, 横山 寛子, 前田 健太郎, 伊藤 亮太
    2019 年 31 巻 p. 59-65
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/07
    ジャーナル 認証あり

    【目的】 疲労課題後の大腿直筋の筋力低下に対するキネシオテープ(以下,KT)の貼付による影響はテー プ幅の違いによりどのように変化するかを検討することである。

    【方法】 対象を健常大学生30名とし,対象肢は利き脚とした。コントロール,50mmKT貼付条件(以下, KT50),75mmKT貼付条件(以下,KT75)の3 条件をランダムとし,同一被検者に対する各条件での評価測定は間隔を空けて別日に行った。大腿直筋直上の皮膚にKTを貼付した後,BIODEX®system 4 を用い,膝伸展等尺性運動のピークトルク(PT)測定を行った。その後,ERGOMETER を用いた疲労課題を行い,再度PTの測定を行った。疲労課題の際には平均パワー,ピークパワー,ピーク回転数,ピーク到達時間を測定した。統計解析は,疲労課題の前後それぞれのPT体重比(PTW)とその変化量,疲労課題中の各データを 3 条件間で比較した。3 条件内では疲労前後のPTWを比較した。

    【結果】 全条件にて疲労後のPTWが疲労前よりも有意に低下していた(p<0.05)。条件間での疲労前後のPTW,変化量,疲労課題中の測定データに有意差はみられなかった。

    【結論】 本研究の結果から KT の貼付はテープ幅の違いに関わらず疲労による筋力低下,即時的な筋力増 強には影響しないことが示唆された。

  • 星 真行, 難波 樹央, 高橋 寿和, 板垣 光子, 佐々木 恵子, 江森 由香, 渡部 美聡, 長橋 育恵, 宮坂 美和子, 相澤 裕矢
    2019 年 31 巻 p. 66-73
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/07
    ジャーナル 認証あり

    【目的】 二次予防対象者に介護予防事業を取り組み,介入前後での身体の痛みの軽減,および痛みの有無による影響について検討することである。

    【方法】 対象は二次予防対象者164名であり,脱落者及び最終評価を実施できなかった者を除外した148名(男性32名,女性116名)を解析対象とした。週 2 回(全21回)のプログラム介入を行い,介入前後で身体機能評価を実施した。痛みの評価は,Numerical Rating Scale(以下,NRS)を用い,終了時にアンケート調査を実施した。

    【結果】 NRS得点による介入前後の比較では,痛みの軽減が認められた(p <0.01)。疼痛部位は,膝47%,腰26%の順に多かった。また,介入前後における身体機能の改善が示唆され,痛みによる群間比較において, ファンクショナルリーチ,長座位体前屈では交互作用も認められた。

    【結論】 介護予防事業に理学療法士が関わることにより,身体の痛みの軽減を図ることが可能であり,痛みの程度によって身体機能の改善にも影響がみられた。

  • 門脇 敬, 阿部 浩明
    2019 年 31 巻 p. 74-82
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/07
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    【目的】 発症後 2 ヶ 月経過した時点で歩行が全介助であった両片麻痺を呈したSusac症候群の一例に対して足部可動性を持つ長下肢装具(Knee-Ankle-Foot-Orthosis:KAFO)を用いて積極的な歩行練習を実施したところ,屋内監視歩行を獲得したため報告する。

    【対象】 両片麻痺を呈し,急性期病院にて合併症により離床が進まず発症から 2 ヶ 月が経過したものの歩行に全介助を要する50歳代の女性である。

    【方法】 当院転院後,備品の KAFO を用いて歩行練習を中心とした理学療法を実施した。

    【結果】 両下肢の筋力が改善し,173病日に四脚杖と短下肢装具を使用して屋内監視歩行が可能となり,自宅復帰を果たした。

    【結語】 機能障害の重複によって下肢支持性が低下し,歩行に全介助が必用な症例の歩行再建を目指した場合,症例の能力に合わせて課題難易度を調節できる KAFO の使用は有益であると思われ,それを用いて反復的な歩行練習を実施することを一考すべきである。

  • 髙橋 裕介, 畠山 和利, 渡邉 基起, 大倉 和貴, 須田 智寛, 菊池 耀, 千田 聡明, 加賀美 開, 斉藤 公男, 松永 俊樹, 島 ...
    2019 年 31 巻 p. 83-88
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/07
    ジャーナル 認証あり

    【目的】 入院中に集中的に前庭リハを行い,退院後外来で継続できためまいを有する鼓室形成術後の 1 例を経験したので報告する。

    【対象と方法】 50代女性で,1 年 2 ヵ 月前に右真珠腫性中耳炎に対して鼓室形成術を行った。術後に回転性めまいが続き,入退院を繰り返していた。前庭リハは新井らの方法を段階的に指導し,入院中は理学療法士の監視下で60分/日,1 ヵ 月行い,退院後は自主トレーニングとして継続した。課題別のめまいの自覚的強度(修正Borg Scale),総軌跡長,Dizziness Handicap Inventory 日本語版(DHI)を 1 ヵ 月毎に測定した。

    【結果】 めまいの自覚的強度はいずれの課題も 1 か月後(退院時)に大幅に改善した。総軌跡長(開眼/閉眼,mm)は開始時170.6/223.8,1 ヵ 月後 177.2/239.5,2 ヵ 月後 147.1/197.6, 3 ヵ 月後 150.4/150.9,DHIは開始時72点,1 ヵ 月後70点,2 ヵ 月後94点,3 ヵ 月後80点であった。

    【結語】 自主トレーニングの継続と生活環境に慣れたことで改善したと考えた。

  • 佐藤 弘樹, 関 公輔
    2019 年 31 巻 p. 89-99
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/07
    ジャーナル 認証あり

    【目的】 脊髄損傷完全対麻痺(L1)から,左長下肢装具と右短下肢装具を装着して歩行が自立し,集合住宅の 2 階に退院した症例を以下に報告する。

    【症例紹介】 20代女性。転落で受傷し A 病院に搬送。42病日に当センター転院。翌日より理学療法を開始した。当院入院時の ASIA Impairment Scale(以下,AIS)はA,Neurological Level of Injury(以下,NLI)はL1,ASIAの下肢運動スコア(以下,LEMS)はRt./Lt. = 8/0であった。この段階の予後予測において実用歩行獲得は困難と判断されたが,集合住宅への退院に必要な実用歩行,階段昇降が可能となるよう,標準的な理学療法と応用動作である四つ這い・膝立ちを重点的に行った。

    【結果】 両側のクラッチと右短下肢装具,左長下肢装具を用いて歩行及び階段昇降が自立し,191病日に退院。AISはA,NLIはL1,LEMSは10/3。

    【考察】 実用歩行獲得が困難とされたL1対麻痺患者でも,四つ這い・膝立ちを重点的に行うことで,クラッチと装具を使用して実用歩行が獲得できる可能性がある。

  • 2019 年 31 巻 p. 100-125
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/07
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