Anthropological Science
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101 巻, 5 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • ジャワ原人の最近の研究から
    馬場 悠男
    1993 年 101 巻 5 号 p. 465-472
    発行日: 1993年
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    ジャワ原人の中で最良の保存状態を示すサンギラン17頭蓋を復元し, 形態を調べた。その結果, ウォルポフらによって主張されてきたオーストラリア先住民頭蓋との類似は弱く, むしろ, 頬骨の発達による顔面の平坦性の点でモンゴロイド頭蓋との類似が強い。したがって, サンギラン17は広義のアジア人の根幹をなす化石と言える。また, 原人の時代から現在まで, 東のアジア地域では平坦な顔が, 西のアフリカ•ヨーロッパでは突出した顔が続いてきたことから, 人類は東西二地域でかなり分離して進化してきた可能性がある。
  • 平本 嘉助
    1993 年 101 巻 5 号 p. 473-481
    発行日: 1993年
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    縄文時代人, 江戸時代人および現代人の同一個体で両側のそろった標本を用いて, 上腕骨, 橈骨, 尺骨の最大長における左右差を検討した。上腕骨では, 江戸時代女性を除き, 各時代の男女とも右平均値が左よりも有意に長かった。橈骨においては, 縄文時代人女性と現代人男女において右平均値が左よりも有意に長かった。尺骨においては, 縄文時代人女性, 江戸時代人男性および現代人男女において右平均値が左よりも有意に長かった。女性の三つの骨の左右差平均値は男性よりも大きい傾向を示した。日本での地域および時代的な差は, これらの標本による左右差平均値の比較からは認められなかった。既発表の他の四つの集団(清野らによる縄文時代人と現代人日本集団, Warren によ Naqada 集団, Münter によ Anglo-Saxon 集団)を含めた七つの集団の左右差平均値間の一様性の検定において, 上腕骨だけに集団間の差が認められた。
  • 竹中 正巳, 小片 丘彦, 峰 和治, 佐熊 正史
    1993 年 101 巻 5 号 p. 483-489
    発行日: 1993年
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    鹿児島県肝属郡高山町北後田古墳群地下式横穴2号墓から風習的抜歯の疑われる古墳時代後期に属する若年女性人骨が出土した。上顎右第1小臼歯が欠如し, 同部の歯槽は完全に閉鎖している。この欠如は意図的抜歯の可能性が高く, 抜歯は死亡前2年以内に行われたと考えられる。同じ高山町出土の新富東横間3号墳人骨とは抜歯対象歯が一致しており, 本例が加えられたことにより, 古墳時代南九州地下式横穴分布域には, 抜歯風習が残存していた可能性が一層確実化したと考える。また, 上顎左第1小臼歯は歯冠を欠いて残根状態となっている。原因は齲蝕による崩壊以外に, 抜歯操作の失敗による可能性も否定できない。
  • 博物館資料生かす新しい学問
    赤澤 威
    1993 年 101 巻 5 号 p. 491-492
    発行日: 1993年
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
  • その起源をめぐって
    埴原 恒彦
    1993 年 101 巻 5 号 p. 493-503
    発行日: 1993年
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
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