人類學雜誌
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73 巻, 3 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 中嶋 八良, 浦野 元幸, Adirek JARUMILINTA
    1965 年 73 巻 3 号 p. 69-71
    発行日: 1965/09/30
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    Bangkok の Central Chest Hospital に入院中のタイ人結核患者178人について,Gc型の頻度をしらべた。Gc遺伝子頻度。Gc1=0.8118±0.0207,Gc2=0.1882±0.0207で,日本人,朝鮮人及び中国人よりも Gc1遺伝子の頻度が高いことが認められた。
  • 埴原 和郎, 増田 哲男, 田中 武史
    1965 年 73 巻 3 号 p. 72-81
    発行日: 1965/09/30
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    退化歯や過剰歯と人類進化との関係については多くの研究がなされてきた。しかし,多くは,これらを独立の形質としてとりあつかい,他の形質,とくに同一個体の他の歯に現われる諸形質との関連について論じたものはほとんどない。
    最近,GARN とその共同研究者は第3大臼歯の欠如と他の歯の形質との相関について広範な研究をおこない,この歯が欠如している個体では正常個体より他歯の欠如が多く,歯の発生時期が遅れ,さらに歯が全体として小さくなる傾向のあることを確認した。元来,これらの変化はいずれも人類の歯の進化という面からみれば同一の方向を指向するものであるが,これらが決して独立に起るのではなく,たがいに関連して生ずる変化であるという認識は,歯の進化を研究するにあたってきわめて重要である。
    われわれは GARN らの結果をさらにたしかめるたあ,上顎側切歯の退化をとりあげて歯冠の大きさについての比較をおこなった。すなわち,上顎側切歯が退化または欠如している個体と正常個体との間で,側切歯以外の歯の大きさに差があるかどうかを統計学的に検討した。同時に退化歯とは逆の過剰歯の一例として,正中歯をもつ個体を集あ,これらと正常個体との比較もおこなった。
    その結果,上顎側切歯の退化している個体は,全体として正常個体よりも明らかに小さい歯をもつことが確認された。これは第3大臼歯の欠如を指標とした GARN らの結果とまったく一致し,上顎側切歯の退化が人類進化の一側面を表わすものであるとの従来の考えかたを一層強固にする。
    一方,過剰歯の成因については主として二つの見方がある。一つはこれを復古形(atavism)と考えるもので,他は歯の形成時期における歯胚の異常分裂によるとするものである。前者の説にしたがえば過剰歯は歯の系統発生を逆行するものであり,後者にしたがえば進化とは無関係なものと考えなくてはならない。過剰歯が進化に関係ある現象,つまり復古形であるという考えかたは多くの学者によって否定されているが,現在もなお一部に根強く残っていることは事実である。
    GARN らやわれわれの研究によれば,歯の進化は特定の形質に独立に起るものではなく,大なり小なり他の諸形質の変化をともなうことは明らかである。したがって,もし過剰歯が復古形であるならば,退化歯の場合とは逆に,正常個体より大きい歯をもつであろうことが予想される。しかし今回おこなった研究はこの予想を否定するものであった。すなわち,過剰歯の一種である正中歯をもつ個体と,正常個体との間には歯の大きさに関してほとんど差がみられなかった。
    この結果は過剰歯,少なくともこの研究の対象となった正中歯が歯の系統発生とは無関係なものであることを強く示唆するものと考えられる。いいかえれば,過剰歯を復古形と考えることはわれわれのえた結果からみる限りはなはだ困難であって,やはり偶発的なものとの考えかたを支持すべきであろう。
    退化あるいは欠如歯と過剰歯とは,現象的には正反対の形質である。それ故に,往々にして前者を進化形,後者を復古形として,ともに系統発生の観点から説明しようとする傾向がみられる。しかし,少なくとも歯の形質の多型現象からみるかぎり,過剰歯は他の形質と関係なく,独立に生ずるものという可能性が強い。したがってこれら二つの歯数異常は,進化の両極端を示すものではなく,本質的にはまったくことなる現象であると考えられる。
  • 佐藤 方彦, 早弓 惇, 佐藤 陽彦
    1965 年 73 巻 3 号 p. 82-90
    発行日: 1965/09/30
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    古くから興味をもたれている一関節性筋と二関節性筋の疲労性の相違を筋電図の周波数分析により検討した。
    その結果:
    (1) 上腕二頭筋と腕撓骨筋,及び,大腿直筋と内側広筋•外側広筋との間には徐波化の相違が認められなかった。
    (2) 腓腹筋はヒラメ筋に比し著明な徐波化を示した。
    (3) 以上の結果が収縮程度の相違によってもたらされたものではないことが示された。
    (4) 深層の一関節性筋が浅層の二関節性筋より疲労し難いこと,共に浅層に位置する一関節性筋と二関節性筋に疲労性の相違が認められないことが結論づけられた。
  • 酒井 琢朗, 佐々木 泉, 花村 肇
    1965 年 73 巻 3 号 p. 91-109
    発行日: 1965/09/30
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    The exterior surface of the enamel layer of the teeth has frequently beensubject of morphological, morphogenetic and anthropological considerations. But regarding the interior surface of the enamel cap (enamel-dentin border), a few studies have been reported. To ascertain the morphological relationships between enamel surface and enamel-dentin border of the maxillary median incisor, the enamel has been artificially removed by means of acids.
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