人類學雜誌
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82 巻, 3 号
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  • 高井 省三, 寺田 春水
    1974 年 82 巻 3 号 p. 167-172
    発行日: 1974/11/30
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    中手骨・指節骨長径のアロメトリーシステムを, 4~13才の日本人男児47名, 女児42名の右手の規格X線写真の計測値を用い, グラフ理論の立場から解析を行なった.19×19の単アロメトリー式の相対成長係数 (α) は5%水準ですべて有意と認められた.さらに等成長 (α=1.0) の検定を行ない, i骨がj骨に対し等成長の関係にあるときはi-j要素が1, 優・劣成長の関係にある要素は0とおいた, group matrixの一種であるisometry matrixをつくり, これに基づいて等成長集団 (isometric clique) の抽出を試みた.この集団は互いに同ペースで発育する骨から構成されるものである.
    第5指の中節骨はこの集団に属さず, 他の骨に対して劣成長の関係にあることが示された.等成長集団の大きさは女児が男児に比べて大きく, これから女児の手骨長育のパターンが, より等質的で一般化の傾向をもつことが示される.等成長集団の構成要素骨にはrowやrayの配列関係はみられず, むしろ近隣の骨同志が集まっている傾向がみられた.
  • 猪口 清一郎, 岩本 壮太郎, 朴 恩〓, 東 慶紀
    1974 年 82 巻 3 号 p. 173-188
    発行日: 1974/11/30
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    要約沖縄県国頭地方の本部町および名護市の中学生と高校生の男女329名について, 全身36部位の皮下肪脂厚を計測し, 年令, 性, 地域による差を検討するとともに, 他地方人および隣国人と比較した.沖縄県人青年では男女とも皮下脂肪厚は殿下部が最も厚く, 殿上部, 腰部がこれにつぎ, 女子では乳頭部もこれに加わる.これは他の地方人では下肢近位部が殿上部および腰部にまさっているのに対して, 沖縄県人の皮下脂肪分布の特色と考えられる.年令的に検査例では男子は四肢の大部分の部位で加令的減少の傾向を示し, 体幹では年令差が認められない.女子ではほとんどすべての部位で加令的に増加する.そのために皮下脂肪厚の男女差は年令の増加に伴って各部位とも著しくなる傾向を示した.他地方人および隣国人と比較して, 男子では肩部, 下腹部および腰部が, 女子では肩部, 腰部を中心とした背殿部および下肢伸側でまさり, 気温の差による影響が見られるが, その他の部位については熊本県人, 青森県人, 韓国人, 蒙古人ハルハ族 (男性) の順に沖縄県人に近い分布型を示すことが考えられる.
  • 木村 邦彦, 浅枝 澄子
    1974 年 82 巻 3 号 p. 189-207
    発行日: 1974/11/30
    公開日: 2011/02/23
    ジャーナル フリー
    要約272名の体育系女子大学生のアンケート調査と, その中右手利き, 左手利きの者各8名の形態・機能調査から, 特に下肢の一側優位性について検討し, 本質的には利き手と同側の優位性が認められたが, 上肢の動作との関連性から上肢に比べてより複雑な非相称性を示すことが指摘された.
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