Anthropological Science (Japanese Series)
Online ISSN : 1348-8813
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ISSN-L : 1344-3992
110 巻, 1 号
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  • 西海岸咸平湾におけるカキの採捕活動を中心にした生態人類学的研究
    李 應〓, 武田 淳, 鈴木 廣志
    2002 年 110 巻 1 号 p. 9-25
    発行日: 2002年
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    干潟資源の生産性と採捕技術や採捕効率を検討するために, 干潟でカキを採捕する女性 (延べ223名) を対象として, 年齢と経験年数, 年齢と採捕活動の時間および採捕量, 採捕活動日と採捕量, 30分および1時間あたりの採捕量などについて調べ, 考察した。
    1) 年齢および経験年数と採捕量の関係では, 年齢と経験年数によるカキの採捕量は統計的な有意差が見られなかった。
    2) 年齢による採捕活動の時間については, 50歳代が5時間15分ともっとも長く採捕に従事し, 平均時間は5時間4分であった。
    3) 年齢とカキの採捕量の関係では, 50歳代が3.76kgでもっとも多い。50歳代の採捕量が多い理由として, 他の年齢層と比べて採捕時間が長いことに起因する。
    4) 採捕活動日と採捕量の関係では, 日が経つにつれて採捕量が減少していく傾向が見られ, 潮汐との関連が示唆された。
    5) 時間と採捕量について, 30分および1時間あたりの採捕量をみたところ, 30~40歳代が, 他の年齢層と比べて採捕率が高い傾向を示した。
  • 前田 朋子
    2002 年 110 巻 1 号 p. 27-40
    発行日: 2002年
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    北海道•東北•関東•東海•中国の五地域の縄文人および北海道の続縄文人について下顎骨5項目の計測データを解析した結果, 北海道の縄文人と続縄文人の下顎枝形態に特異性が示された。北海道地域の集団は, 本州の縄文人に比べ下顎枝の幅が有意に広く, 下顎枝幅の相対的な大きさを表す示数でも両者の間には明確な差が認められた。この差はマハラノビスの距離を用いた多変量解析の結果からも明らかであった。さらに, 北海道アイヌと比較したところ, 縄文人からアイヌへと下顎枝の縮小化傾向が見受けられたが, 北海道では時代を経ても相対的には依然として幅広い下顎枝を有することが示された。
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