Anthropological Science (Japanese Series)
Online ISSN : 1348-8813
Print ISSN : 1344-3992
ISSN-L : 1344-3992
早期公開論文
早期公開論文の2件中1~2を表示しています
  • 服部 恒明, 廣原 紀恵
    原稿種別: 短報
    論文ID: 1904232
    発行日: 2019年
    [早期公開] 公開日: 2019/06/19
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    戦後日本人の身長が年年増加を続けたことは多くの時代差研究で明らかにされてきた。この伸長化の傾向は1994年から2001年あたりをピークに終了したとされ,高径のプロポーションは今後変わることはないだろうという指摘がされている。本研究は,学校保健統計調査報告書(文部科学省)のデータを用いて,成人値に最も近い17歳の日本人青年における座高と下肢長の変化を戦後から現代までBody Proportion Chart法によって観察した。このチャート法により,身長,座高,下肢長および座高に対する下肢長の比の経年変化を同時に観察した。その結果,現代の青年は身長の増加は止まったが,座高の増加と下肢長の減少が同期してみられることから,高径のプロポーションは今なお変化していることが明らかになった。この経年変化は,対象集団の中で座高が高くなる資質をもった人の割合が増加したことに起因する可能性がある。それをもたらした要因として,対象集団の親世代において,長胴傾向にある女性で出産割合がより高いことなどが推測された。日本の青年の高径比率が依然として変化していることを考慮すると,今後その変化の要因を検証するうえでも,座高の測定は学校保健調査の一環として再開されることが望まれる。

  • 河内 まき子, 中原 瑶子, 近藤 恵, 松浦 秀治
    原稿種別: 原著論文
    論文ID: 190404
    発行日: 2019年
    [早期公開] 公開日: 2019/05/31
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    明治時代以後急速に進んだ短頭化は,1960年代生まれ以後の世代で反短頭化へと転じた。時代変化の逆転が環境要因によるならば,頭部寸法が成人値の80~90%に到達する1歳までの環境要因変化によると考えられる。そのような環境要因の一つである,1980年代半ばから急増した帝王切開が成人時の頭示数に与える効果を検討した。1990~1998年生まれの女子大学生122名を対象に,アンケートにより分娩様式の確認を行い,頭長と頭幅を計測した。このうち双生児2名と早産児1名を除く119名のデータを分析対象とした。自然分娩における頭部吸引の効果を分散分析により調べた。この結果,頭部吸引あり,吸引無し,吸引に関する情報なし,の3群で,頭長,頭幅,頭示数に有意差はなかった。このため,これら3群をプールして自然分娩群とした。自然分娩群(98名)と帝王切開群(21名)の差をt-検定で調べた結果,頭長,頭幅,頭示数のいずれにも分娩様式による差は認められなかった。以上の結果は,出産時の頭部変形の効果は短期的だという従来の知見を支持した。また,帝王切開による出産の増加が頭示数の時代変化の逆転の原因だという仮説は支持されない。

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