Anthropological Science (Japanese Series)
Online ISSN : 1348-8813
Print ISSN : 1344-3992
ISSN-L : 1344-3992
早期公開論文
早期公開論文の4件中1~4を表示しています
  • 諏訪 元, 佐宗 亜衣子, 佐々木 智彦, 中村 凱, 遠藤 秀紀, 松浦 秀治
    原稿種別: 原著論文
    論文ID: 240917
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/12/01
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    「牛川人」は,1957年に愛知県豊橋市牛川町で発見され,中期更新世まで遡る「ヒト上腕骨」片として,鈴木尚と高井冬二が提唱した化石人類である。その後,帰属時代は後期更新世と改められたが,日本における人類化石の一例として認識されてきた。その一方で,特に1990年代以後はヒトの化石骨ではない可能性が指摘されてきた。しかし,何の動物骨のどの部位かは不明のまま近年に至っていた。本研究では,「牛川人」化石(上記の「上腕骨」破片と1959年に発見された大腿骨頭片)を比較形態学的に再評価し,双方ともがクマの骨格片との結論に至った。「牛川人」化石をヒグマとツキノワグマ標本24個体分について肉眼観察,ノギス計測,実体顕微鏡観察により比較した。また,「牛川人」化石と一部の比較標本についてCT撮影し,断面画像と3次元モデルを用いた比較所見を加えた。これらの観察結果から,クマ骨形態の個体変異を考慮のもと,牛川の「ヒト上腕骨」化石はクマの橈骨骨幹部の破片であり,大腿骨頭化石もまたクマ骨であると判定することができた。また,幾点かの形態特徴と後期更新世の動物相構成の双方の観点から,ヒグマ骨の可能性が高いと思われる。今回の結果を踏まえ,発見当時の学術的な時代背景とその後の人類化石研究の展開を振り返り,牛川化石研究の意義について検討した。

  • 河内 まき子, 足立 和隆
    原稿種別: 原著論文
    論文ID: 2407291
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/09/28
    ジャーナル 認証あり 早期公開
    電子付録

    靴やインソールの設計や法医学的応用に役立てることを目的として,日本人青年男性566名の裸足立位時の左右足のフットプリントにつき,計測可能な場合は9つの寸法・角度項目と2示数を,取得可能な場合は3つの形状特徴(最も長い趾,土踏まずの発達度,浮き趾)に関する情報を取得し,これらの分布に関する統計的情報を提供した。調査対象は1970年代前半生まれで,調査時平均年齢は19.3歳であった。本資料の参照データとしての有用性を,計測誤差,対象者の代表性,足寸法の加齢変化と時代変化の観点から検討した。フットプリントの計測項目の計測者内誤差は生体計測による足寸法と同程度であり,本資料の対象者の体格と足サイズの平均値は既存資料と大差なかった。足長と足囲には成人以後の加齢変化が認められないことを確認した。日本人成人男性の足囲には時代変化傾向がなく,足長の時代変化は1980年頃以後に生まれた世代では認められない。以上から,本資料は現在でも参照資料として有用だと考えられる。

  • 小山 浩司, 一場 友実, 古島 弘三, 菅野 好規, 新津 あずさ, 小太刀 友夏, 新納 宗輔, 上野 真由美, 足立 和隆
    原稿種別: 短報
    論文ID: 2407292
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/09/28
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    人の不良姿勢の原因の一つとして,身体の大きさに椅子の高さが適合しないことが挙げられる。これまで椅子の座面の高さの決定には,身長や下腿長が用いられてきた。先行研究では,チャート法を用いて現代日本人青年の身体プロポーションの変化を調査したところ,現在の男女のプロポーションには胴長化(座高の増加と下肢長の減少)が見られると報告されている。本研究の目的は,健常な成人を対象に身長および下腿長の関連性を明らかにし,椅子の座面の高さを決める際の基礎的資料を得ることである。東京およびその近郊に在住する健常成人196名(男性85名,女性111名,平均年齢:59.0 ± 14.2歳)を対象とした。身長は身長計を用いて計測し,下腿長(脛骨上縁高)はアントロポメーターを用いたMartin法により計測した。男性は身長と下腿長の間に強い正の相関関係(r = 0.795, p < 0.001)を示した。また,女性は身長と下腿長の間に中程度の正の相関関係(r = 0.664, p < 0.001)を示した。男女ともに身長と下腿長の間に正の相関関係を認めたことから,各個人が適合した椅子を選択する際の基準として,身長と下腿長を用いることができる可能性が示唆された。

  • 李 陽洙, 洪 宗河, 申 東勳
    原稿種別: 寄書
    論文ID: 240806
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/09/28
    ジャーナル 認証あり 早期公開
feedback
Top