聴力正常耳37耳, 耳鳴を伴わない感音難聴耳35耳, 耳鳴耳46耳の計118耳を対象として, 純音オージオメータのオクターブステップの7周波数の純音を呈示してその音印象を被験者自身の擬声語 (自発的擬声語) により表現させ, 3対象群における自発的擬声語表現の比較検討を行って以下の結果を得た。 1) 感音難聴耳及び耳鳴耳では聴力正常耳に比べ, いずれの周波数においてもより多くの種類の擬声語が使用されていた。 2) 各対象群で使用された自発的擬声語の種類とその使用頻度を周波数別に検討すると, いずれの周波数においても3対象群の間で相違が認められた。 3) 6種類の代表的な自発的擬声語 (ブー, プー, ポー, ピー, キー, チー) の各周波数における相対的使用頻度分布を検討すると3対象群の間で相違が認められた。 4) 以上の検討結果より, 同一の外来音を呈示しても, 聴力正常耳, 耳鳴を伴わない感音難聴耳, 耳鳴耳の自発的擬声語表現は異なると考えられた。
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