当料を受診した全身疾患患者123例の純音聴力検査成績を検討し以下の結果を得た。
1) 聴力レベルは, 30dB以下が168耳 (68.3%), 30-60dBが55耳 (22.4%), 60dB以上は23耳 (9.3%) であった。
2) 難聴症例は両側性が多く, 発症様式は緩徐な例が多かった。
3) 70dB以上の高度難聴症例は, 一側性に急性に発症するものが多く, 発症時の全身状態との関係については不明のものが多かった。
難聴に全身疾患が合併している症例の報告は数多く見られるが, それぞれの疾患における聴力障害の全体的な傾向を明らかにすることが, 今後, 難聴の発症と全身疾患との関連について検討するうえで必要になるのではないかと思われた。
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