ラットの両側頸動脈の血流遮断を行い大脳血管障害のモデルを作成し, 急性期における聴性脳幹反応 (ABR) と脳組織の変化を調べた。
ABRはクリックで刺激し, 経時的に約8時間記録した。 記録終了後, 脳は灌流固定し, 脳全体の連続組織切片を作成した。 結果は以下の通りである。
1) ABRのP1成分の振幅の著しい増大傾向を認めた。 P2, P3, P4の振幅の変化は認めなかった。
2) ABRのP1, P2, P3, P4の潜時の変化は認めなかった。
3) 脳の組織学的検索では, 海馬のCA1, CA4におけるニューロンの部分的脱落と変性を認めた。 しかし, 他の部分については特別な変化を認めなかった。
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