AUDIOLOGY JAPAN
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43 巻, 1 号
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  • 2000 年 43 巻 1 号 p. 1-43
    発行日: 2000/02/29
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 術前に獲得された視覚的手段の役割
    野中 信之, 川野 通夫, 森 望, 中島 誠, 越智 啓子, 渡邊 文美
    2000 年 43 巻 1 号 p. 44-53
    発行日: 2000/02/29
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    症例は4歳で人工内耳埋め込み術を受けた先天性重度難聴1例である。 術前はことばの理解は読話や手話, 指文字を補助とし, 表現は手話を多用していた。 本症例が人工内耳装用により聴覚で言語を理解し, 話しことばを用いる過程をビデオで観察した。
    症例は音入れ後, 人工内耳による言語音の意味を, 術前に使用していた読話などの視覚的手段を併用して確認した。 そして一度意味を確認すると, 以後簡単なことばは聴覚だけで理解した。 また本症例は術前後を通じて手話などを補助に多語表現を発達させていた。 そして聴覚や読話で理解する言語の増加に伴い, 手話は減少し, 音声言語での会話が増えた。 この様に術前に獲得された視覚的手段を術後も音声言語と併用することは, 本症例が聴覚で言語を獲得するためには有効であった。
  • 第一報: 加齢にともなう変化
    佐藤 昭三, 長井 今日子, 鎌田 英男, 古屋 信彦, 竹内 一夫, 鈴木 庄亮
    2000 年 43 巻 1 号 p. 54-62
    発行日: 2000/02/29
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    難聴者に純音聴力検査成績では説明できないQOLの低下例を散見したので, 聴能のQOLに関る既存の質問に本邦の生活文化を考慮し, 1) 「ことば」による意志伝達能 (Q1-Q6), 2) 社会的不利 (Q7-Q13) と3) 補聴器 (Q14-Q17) に関る17項目から成る「聴能に関るQOL指数」という多肢選択自記式質問紙を作成した。 群馬県一地域住民40-92歳の男女を調査し, 有効回答1,141名, 有効回答率73%を得た。 質問選択肢応答割合分布, 性差と年代別陽性応答割合の有意差を検定した。 QOLの低下度が強い選択肢ほど低い分布を示した。 Q5とQ6の低下は, 男子が高率であり, 1), 2) の13項目は加齢で高率になった。 3) のQ15は加齢で高率になり, Q17は加齢で高率になるが80歳以上で低率になり, Q14は加齢で低率になり, Q16は年代差が認められなかった。 本質問上の聴能に関るQOLは加齢で低下することが認められた。
  • 第二報: 因子分析による尺度の構成
    佐藤 昭三, 鈴木 庄亮, 長井 今日子, 鎌田 英男, 古屋 信彦
    2000 年 43 巻 1 号 p. 63-71
    発行日: 2000/02/29
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    40-92歳男女1,141名に質問紙聴能に関る生活の質指数を実施し, Y. R. R. 12%以上の689名 (60-92歳) のデータの因子分析により「A: 聴能の社会的不利」「B: 意志伝達能低下」と命名できる2つの因子が抽出され, A, B 2尺度を構成した。 単一因子性, クロンバックのα信頼係数, 内容的妥当性と判別的妥当性は, 満足できる結果であった。 質問項目を2大別するA, B尺度は, 分析対象689名 (標準集団) に潜在する心理的側面をQOLの側から構造的に接近することができた。 1,141名の尺度付与の検討では, 成人中期と後期のQOLの構造は異なる。 後期は, A, B因子に起因するストレス源による精神心理発達への負の影響をQOLの面から示した。 本評価法は聴能に関る他者との関係をA, B尺度で定量的に評価できて, Giolasらの提唱する聴能の総合評価の試みを可能にするものである。
  • 前川 直子, 小寺 一興, 猿谷 昌司, 伊藤 達也
    2000 年 43 巻 1 号 p. 72-77
    発行日: 2000/02/29
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    補聴器を購入した65歳より89歳までの2,031名について年齢群別に聴力レベルの分布を検討した。 3分法平均聴力レベルによる良聴耳において, 125Hzから2000Hzの周波数での聴力レベルが70dB以内に分布したものは, 年齢群にかかわらず対象者の約90%であった。 年齢群間の聴力レベルの差は少なかった。
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