AUDIOLOGY JAPAN
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45 巻 , 6 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 松田 太志, 関谷 芳正, 高橋 真理子, 寺田 真紀子, 村上 信五
    2002 年 45 巻 6 号 p. 671-679
    発行日: 2002/12/28
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Tinnitus Retrainibng Therapy (以下TRTとする) は, Jastreboff PJによって1990年に提唱された耳鳴の神経生理学的システムに基づいた治療法である。 以前我々は, 6ヵ月まで経過を追う事ができた症例についてTRTの比較的早期の効果を検討した。 今回さらに症例を増やし1年以上経過を追うことができた症例を中心にTRTの効果について検討した。 対象は, 平成11年12月から平成13年7月までに名古屋市立大学耳鼻咽喉科耳鳴外来および関谷耳鼻咽喉科医院を受診した患者107例 (男性43例, 女性64例) である。 耳鳴苦痛度の改善は, アンケートにおいて6ヵ月において87%, 1年において90%であった。 Loudness Balanseの変化に関係なく耳鳴苦痛度は改善しており相関は認めなかった。 また, 聴力レベルと耳鳴苦痛度の改善度にも相関を認めなかった。 TRTは, 本邦においても欧米と同様の有効率を認めた。
  • 壁谷 雅之, 佐藤 斎, 藤崎 俊之, 高橋 姿
    2002 年 45 巻 6 号 p. 680-684
    発行日: 2002/12/28
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Joubert症候群は, 1969年にJoubertらが最初に報告した小脳虫部欠損, 筋緊張低下, 精神発達遅延, 異常呼吸, 異常眼球運動を主症状とする常染色体劣性遺伝疾患である。 今回, 本症候群の聴性脳幹反応検査 (ABR) 所見を検討したので報告する。 症例は生後1ヵ月の男児で, 異常呼吸, 異常眼球運動がみられ, 頭部MRIにて小脳虫部の欠損を認めJoubert症候群と診断された。
    ABR (147生日) では, 両耳ともにI-III波間潜時延長, V波域値の上昇 (右80dB, 左80dB) を認めた。 I-III波間潜時延長は上部延髄から橋にかけての機能障害を反映しているものと考えられた。 V波域値の上昇については脳幹障害があるため, このことから聴力域値を推定することは困難と思われた。 聴力評価は, BOA, CORなどの行動反応を利用した聴力検査による必要があると考えられた。
  • 新田 清一, 小川 郁, 井上 泰宏, 田副 真美, 浅野 恭子
    2002 年 45 巻 6 号 p. 685-691
    発行日: 2002/12/28
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    耳鳴の診療においては, その原因や性状の客観的な評価に加えて, 耳鳴による心理的苦痛度・生活障害度を把握することが重要である。 今回我々は耳鳴患者の心理的苦痛度・生活障害度を評価するために, THI (Tinnitus Handicap Inventory) の臨床的有用性を検討した。 耳鳴を主訴に受診した182例 (男性88例・女性94例) を対象とした。 THI値と聴力検査, 耳鳴検査所見などとの関係につき検討した。 次に治療希望群と経過観察群の2群に分け, 検査所見などにつき比較検討した。 また34例で治療前後の効果につき検討した。 THI値は0-100まで幅広く分布し, 耳鳴の心理的苦痛度・生活障害度を定量的に評価できると思われた。 THI値は耳鳴の自覚的大きさや気になり方, 睡眠障害と相関が認められたが, 耳鳴ラウドネスや遮蔽レベルとは相関はなかった。 THI値は診療方針の目安になり, また治療効果の定量的な評価に有用であると考えられた。
  • 野澤 真理子, 野口 佳裕, 堤 剛, 岡村 洋沖, 戸叶 尚史, 喜多村 健
    2002 年 45 巻 6 号 p. 692-696
    発行日: 2002/12/28
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    近年エアバッグの普及に伴い, 交通事故時の安全性は向上したものの, 一方で副傷害の報告もなされている。 今回われわれは, エアバッグ作動に伴う強大音により, 音響外傷をきたしたと考えられる急性感音難聴例を経験した。 症例は64歳男性で左難聴, 耳鳴を主訴に当科を受診した。 純音聴力検査では, 谷型の中等度感音難聴を示した。 ABLBテスト, 歪成分耳音響放射, 蝸電図, ABRを施行し, 聴覚障害部位は蝸牛と考えられた。 突発性難聴に準じ, 副腎皮質ホルモンを中心の薬物療法を行ったが, 受傷半年後も左聴力低下は不変であった。 交通外傷時の聴力障害の原因として, エアバッグの作動時の強大音により音響外傷が生じうることを念頭に置く必要がある。
  • 徳丸 隆太, 中川 雅文, 小山 幸子, 横井 尚子, 市川 銀一郎
    2002 年 45 巻 6 号 p. 697-703
    発行日: 2002/12/28
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    頭頂部緩反応 (SVR) での等価双極子を単音刺激および語音刺激 「あ」 を用いて比較検討した。 聴力正常成人12名に対して潜時150-200msecに認められる陽性成分について双極子追跡法を用いて解析した。 単音刺激では刺激反対側の側頭葉から正中にかけて双極子が近似される傾向にあったが, 語音刺激 「あ」 では刺激側に関係なく左側頭葉付近に双極子が近似される傾向にあった。
  • 鈴木 恵子, 原 由紀, 岡本 牧人
    2002 年 45 巻 6 号 p. 704-715
    発行日: 2002/12/28
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    難聴者の自己評価に基づいて聴覚障害の実態を数量化することを目指した 「きこえについての質問紙」 を, 難聴者394例 (未補聴群155例, 補聴群239例) に実施した。 6種の下位尺度のうち聞こえにくさの3尺度 (比較的よい条件下の語音聴取, 環境音の聴取, 比較的悪い条件下の語音聴取) が聴力を直接反映するスコアを示し, 日常生活上の聞こえにくさの軽減に補聴器が有効であることを明示した。 軽度難聴で良条件下に比し悪条件下で, 語音の聞こえにくさ及び補聴によるその改善が著しいことも示された。 聞こえにくさに直接関連した行動, 聞こえにくさに由来する情緒反応, コミニュケーションストラテジーの3尺度は聴力と明らかな関連を示さなかった。 心理・社会的問題の軽減やコミュニケーション上の工夫習得のためには, 補聴器適合に留まらないリハビリテーションプログラムが必須と考えられ, また難聴者の属性をさらに詳細に掘り下げる研究の必要性も示唆された。
  • 細川 晃, 芳川 洋, 鈴木 美弥子, 和田 明博, 市川 銀一郎
    2002 年 45 巻 6 号 p. 716-724
    発行日: 2002/12/28
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    純音と単語の二つの異なる刺激を用い, 脳皮質の反応をfunctional MRIで記録した。 対象は, 純音刺激-聴力正常な成人10名, 単語刺激は成人6名に行った。 刺激音は, 1000Hz, 純音を40dBSLで与えた。 単語は, 67語表の単語 (日本聴覚医学会制定) を用いた。 被検者には, 音に対し集中して聞き, 眠らないよう指示した。 撮影装置および撮像条件は, VISART (東芝製) 1.5T, 傾斜磁場強度17mT/m, グラジエントフィールドエコータイプエコープラナー法 (multi shot) で行い, 解析はlinear cross correlation, 相関係数0.35-0.5で解析を行った。 その際, time intensity curveも同時に描出し, task負荷に伴う信号強度の変化を観察した。
    結果: 純音では, 10名中6名に信号変化が観察され, 上側頭回と横側頭回に信号変化が観察された。 単語刺激では, 6名中3名に上側頭回を中心に信号変化が観察された。
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