AUDIOLOGY JAPAN
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45 巻, 1 号
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  • 2002 年 45 巻 1 号 p. 1-43
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 磯貝 豊
    2002 年 45 巻 1 号 p. 44-54
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    従来の純音聴力検査のためのマスキング理論の歴史的盲点は, 両耳間移行現象と同側の骨導聴力の関係から論理的に導き出せる, 気導 (受話器) の両耳間移行減衰量IA≧気導骨導差という関係法則 (IA法則) である。 IA法則から, (1) マスキングなしに求まる悪聴気導聴力レベルと良聴骨導聴力レベルとの差分は気導のIAを越えない, (2) マスキングなしに求まる気導聴力が陰影聴取 (SH) されるのは悪聴気導聴力耳だけ (両耳の気導聴力が等しければ, 左右いずれか一耳だけ), (3) 陰影聴取された悪聴気導聴力レベルと良聴骨導聴力レベルとの差分は気導のIAに等しく, 対側の骨導聴力は良聴骨導聴力レベル, 陰影聴取側の骨導聴力は気導の陰影聴取分以上対側の骨導聴力より大, という関係 (SH法則) を導出できる。 我が国の聴力検査法の手引書である本書にもIA法則が説明されていないが, マスキング理論を正しく理解するためにはIA法則が不可欠である。
  • 治る突発性難聴の病変部位
    立木 孝, 草野 英昭, 村上 順子, 小田島 葉子, 亀井 昌代
    2002 年 45 巻 1 号 p. 55-66
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    著者らが経験した突発性難聴の中で, 治癒した例と全く改善しなかった例とについてオージオグラムを比較検討し, 次の結論が得られた。
    1. 治る突発性難聴と治らない突発性難聴とでは内耳に起こっている病変が異なる可能性がある。
    2. 治る突発性難聴の病変は血管条にあり, その病態はEPの低下である。
    3. EPの低下による血管条病変の臨床的特徴は, 急性発症, 回復可能, 全周波数型聴力障害, 年齢変化との相加性, である
  • 齊藤 優子, 硲田 猛真, 間 三千夫, 池田 浩己, 瀬野 悟史, 藤村 聡, 嶽 良博, 榎本 雅夫
    2002 年 45 巻 1 号 p. 67-74
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    近年欧米ではハイリスク児だけでなく全新生児を対象とした聴覚スクリーニングが施行されるようになってきており, その方法として自動化ABR (AABR) や耳音響放射 (OAE) が用いられている。 当科では平成12年10月より250例の産科入院の正常満期産の新生児に対して入院時あるいは1カ月検診時に, 誘発耳音響放射 (TEOAE), 歪み成分耳音響放射 (DPOAE) を用いて聴覚スクリーニングを行った。 成果はTEOAEの陽性率は91.6%, DPOAEの陽性率は88.0%, 併用によるパス率は94.2%であった。 非パス例に対して1カ月後にOAE再検査を行ったが, 再検査で非パスであったのは2例でそれぞれ生後3カ月, 4カ月のABRで正常反応であった。
  • 杉内 智子, 調所 廣之
    2002 年 45 巻 1 号 p. 75-81
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    補聴器の耳型採取の副損傷について, 採取件数が増加している現在の動向を調査するため, 1986年のアンケート調査に続き, 398医療施設と補聴器販売店協会加盟店815店を対象に同様の調査を行った。
    その結果, 医療施設での回収率は63.3%, 副損傷の経験があったのは30.0%であった。 これら損傷では印象剤 (耳型) の耳内異物が半数以上を占め, 異物摘出に全身麻酔下での手術を要したものもみられた。 さらに今回は, 中耳または内耳損傷例と鼓膜穿孔例が新たに加わり, 処置については異物摘出時の取り残し例, 摘出難渋例および事後処理問題例がみられた。 異物摘出には採取前の耳内所見が手がかりともなるため, 注意点が確認できる事前の耳鼻咽喉科受診, そして補聴器店と耳鼻咽喉科の連携が重要と思われる。 耳型採取は副損傷の危険があり, 耳鼻咽喉科医の指導のもとで十分に注意して行わなければならない。
  • 高橋 真理子, 関谷 芳正, 松田 太志, 村上 信五
    2002 年 45 巻 1 号 p. 82-88
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    2000年2月-9月の間にかけて, DPOAEを用いて1,075人の健常新生児に対して聴覚スクリーニングを実施した。 その結果REFER率は1回目の測定で全施設併せて43人 (4%) であった。 さらに2回法となると0.8%であり, AABRと比較しても優劣は見られなかった。 また, 測定は短時間で行えて, 片耳測定に要した時間は約半数が1分以内で, 80%が3分以内で可能であった。 DPOAEスクリーナーは非常に短時間で簡便に行えて, 小規模な産科診療所が多い日本においては経済的, 人員的に負担が少なく有用な手段と思われた。 また, 米国に比べて入院期間が長いため, 2回法による測定も可能である。 新しい器械であるため, PASS/REFERの判定基準につきさらに検討が必要であると思われた。
  • 鈴木 恵子, 岡本 牧人, 原 由紀, 松平 登志正, 佐野 肇, 岡本 朗子
    2002 年 45 巻 1 号 p. 89-101
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    高齢の後天性難聴者をおもな対象と想定し, 日本の施設で臨床的に有用な補聴効果のための自己評価尺度の開発をめざし質問紙を試作した。 おもに既存の質問紙から収集した項目をわが国の文化的背景や難聴者の実態に照らして取捨選択し, 質問の表現, 応答形式を検討し50項目を第一次試案とした。 予備調査のデータで因子分析を行った結果, 聞こえにくさ, 心理・社会的影響, コミュニケーションストラテジーという作成意図に合致した3種の下位尺度が明らかになった。 下位尺度ごとの分析では, 聞こえにくさで3因子, 心理・社会的影響で2因子, コミュニケーションストラテジーで1因子が抽出された。 臨床的に適切な規模の質問紙をめざし, 項目分析, 信頼性と内容的妥当性の検討を行い, 28項目まで選別した第二次試案を作成した。 今後, 本調査を行い, 信頼性, 妥当性を評価し, 自己評価尺度としての有用性や臨床的な運用の可能性を探ることが, 残された課題である。
  • 検査機種および検査時期の検討
    森田 訓子, 更級 則夫, 山口 暁
    2002 年 45 巻 1 号 p. 102-108
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    153名の新生児と118名の3か月児健診受診児にAutomated TEOAEによる聴覚スクリーニングをおこなった。 1回目のpass率は以前に報告したAutomated ABRによるpass率より低かったが, 検査を反復することでpass率を高めることが可能であった。 検査機種についてはそれぞれの問題点をふまえた上で選択あるいは併用するのが良いと思われた。 検査は3か月児よりも新生児の方が実施し易かった。 しかし, 聴覚スクリーニング後の諸体制も考慮すると, 3か月児健診などの健診体制を利用することにより, より円滑にスクリーニング事業が実施できると思われた。 今後, 聴覚スクリーニング事業の実施方法については, 時間をかけて各地域の実情にあわせて検討していく必要がある。 また, スクリーニング後も引き続き聴力をチェックできる体制を確立していくことが重要であると考えられた。
  • 石神 寛通, 松平 登志正, 伊丹 永一郎, 上島 好雄, 福山 邦彦, 中村 賢二, 渡辺 浩一
    2002 年 45 巻 1 号 p. 109-113
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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