AUDIOLOGY JAPAN
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46 巻, 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 2003 年 46 巻 1 号 p. 1-43
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 加藤 靖佳
    2003 年 46 巻 1 号 p. 44-51
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    一般聴取者がどのように重度聴覚障害者の構音を受聴しているのかについて検討するために, 先天性感音聴覚障害を有する大学生1名が57-S語表をもとに検査語音を発語し, その単音節発語明瞭度を測定した。聴取者として健聴成人316名が選ばれた。平均発語明瞭度は24.3%であった。検査語音の中には, 80%以上の聴取者により正しく受聴される音節がある一方, 全く別の音に置き換わって受聴される音節が認められた。これらの音節は今後, 発音・発語指導等で修正が必要となる音節であることが示唆された。また, 同じような正答率であってもある特定の音節に聴き取られる場合と, 多くの誤った音節に聴き取られる場合の両者に区別することができ, 曖昧に受聴されやすい音節を特定することが可能であった。重度聴覚障害者の構音を検討する際, 単音節発語明瞭度を指標とした, 多数の一般聴取者による受聴傾向を考慮する必要のあることが示唆された。
  • 内田 真哉, 鈴木 敏弘, 久 育男
    2003 年 46 巻 1 号 p. 52-56
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    我々はストレプトマイシン投与終了後に遅発性に難聴が出現した症例の聴力および耳音響放射を測定した。症例は33歳, 男性で肺結核に対する抗結核治療のため入院中であった。ストレプトマイシン投与終了後約2ヵ月目で両側性に耳鳴を来たし, その後に高音部内耳性難聴が出現した。本例では薬剤性難聴早期発見のため純音聴力検査を行っていたが, 投与後は耳音響放射を併せて測定した。薬剤投与後数ヵ月を経て歪み成分耳音響放射の低下を認めたが, 自覚症状や純音聴力検査の変化の方が先に現れた。
    本例をふまえ, 耳音響放射を用いた薬剤性難聴のモニタリングにおける課題について考察を加えた。
  • 藤本 由紀子, 芳川 洋, 西嶋 隆, 奈良林 修, 市川 銀一郎
    2003 年 46 巻 1 号 p. 57-65
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    剣道経験者に難聴者が多いという報告は少なくない。そこで我々は, 剣道経験者65名 (130耳) の標準純音聴力検査, 自発耳音響放射 (SOAE), および歪成分耳音響放射 (DPOAE) を記録し, 聴力障害の頻度および程度を検討した。また対象者を年齢, 経験年数, 平均稽古時間, 開始年齢で分類し, 各検査結果を比較検討した。標準純音聴力検査における異常は例数では22%, 耳数では15%で, ディップ型, 高音域感音難聴が多かった。聴力障害の出現率は経験年数および稽古時間と関係があり, SOAE の出現率は年齢および経験年数と関係があった。聴力正常群では平均稽古時間の長い群が短い群に比べてDPレベルが低かった。標準純音聴力検査での2kHzディップ群は聴力正常群と比べ, 2.5kHzを中心に, その周辺の周波数においてもDPレベルが低かった。
  • 西嶋 隆, 芳川 洋, 藤本 由紀子, 奈良林 修, 市川 銀一郎
    2003 年 46 巻 1 号 p. 66-73
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    誘発耳音響放射 (以下EOAE) と歪成分耳音響放射 (以下DPOAE) の結果を比較検討する場合, それぞれどのパラメータを比較すべきなのかということについてはまだ充分に検討されていないようである。特に自発耳音響放射 (以下SOAE) の有無の影響を含めた報告は少ない。そこで今回我々はEOAEとDPOAEの関連を比較検討するために, 成人32名63耳と新生児・乳児23名41耳を対象としてOAEを記録し, SOAEの有無も含めていくつかのパラメータを比較検討した。
    EOAEとDPOAEを比較検討する場合, 1.5~2kHzの中音域の周波数において相関が良いようであり, その傾向はSOAE陽性例でより明らかであった。
    DPグラムのX軸を従来のF2でプロットするよりもF1 (もしくは2F1-F2) としたほうが, EOAEの各周波数におけるパワーとDPレベルの相関は良好であった。
  • 内田 真哉, 松波 達也, 鈴木 敏弘, 久 育男
    2003 年 46 巻 1 号 p. 74-80
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    急性感音難聴発症時, ムンプスの臨床症状がなく, 抗ムンプスIgM抗体陽性であった1例について経過を追跡し, IgM抗体の持続陽性を認めた。ムンプス難聴の診断基準 (厚生省特定疾患急性高度難聴研究班) からは, 本例はムンプス難聴準確実例となり, 突発性難聴からは除外される。また, これまでムンプス (不顕性) 難聴発症後IgM抗体が1年以上に渡って持続陽性であったとする報告はない。我々は患者血清から採取したIgM抗体のムンプス特異性を確認する目的で, 抗原吸収試験およびショ糖密度勾配遠心法によるグロブリン分画測定を実施し, ムンプス特異抗原であることを確認した。さらにムンプスIgG avidity を測定し, Avidity が低値を示すことを確認したが, その評価については今後の経過観察, 症例の蓄積が必要と思われた。
  • 聾型以外の症例について
    細谷 有美子
    2003 年 46 巻 1 号 p. 81-89
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    一側性感音難聴のうち, 他側がまったく正常で, しかも原因と考えられるものがない, という症例, 特に小児例では自覚症状に乏しく, 日常生活の支障度も少ないが, 経過をみると, 後にめまいや聴力悪化をきたしてくる症例がある。今回我々は, 1970年4月から2002年3月までの過去33年間に, 当科小児難聴外来を受診した感音難聴児のうち, (1) 現病歴, 既往歴, 諸検査成績などから, その発症に明らかな因果関係を持つ原因が不明なもの, (2) 初診時一側が正常で, 他側が聾型以外のもの, という条件を満たした211例 (男児113例, 女児98例) を対象とし, 検討を行った。性差, 左右差を認めず, 全症例の中には前庭水管拡張, 内リンパ水腫, 遺伝性難聴が含まれていると思われた。聴力悪化やめまいを認めた症例は55例 (26.1%) で, その中には内リンパ水腫が病態と考えられる症例を認めた。
  • JIS・ISO対応委員会
    2003 年 46 巻 1 号 p. 90-91
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
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