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53 巻 , 4 号
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総説
  • 佐藤 宏昭
    53 巻 (2010) 4 号 p. 241-250
    公開日: 2010/09/28
    ジャーナル フリー
    急性低音障害型難聴 (ALHL) が突発性難聴と異なる疾患として認知されるようになって30年が経過した。2000年には厚生労働省急性高度難聴に関する調査研究班により本疾患の診断基準 (試案) が設けられ, この基準に基づく多くの報告がなされてきた。本総説では, ALHLの問題点として, 診断基準, 難治例, 治療薬剤について取り上げた。
    診断基準では高音部に加齢による難聴を有する例を準確実例として診断基準に加える必要があること, およびALHLの反復, 再発例とメニエール病非定形例 (蝸牛型) の名称の問題について述べた。長期的にみるとALHLは反復, 再発例やメニエール病への移行例が少なくなく, 少数ながら進行性の感音難聴をきたす例もみられ, この中には稀であるが低音障害型感音難聴で発症する聴神経腫瘍もあり注意を要する。また, ステロイドやイソソルビドなど現在使われている薬剤の有効性に関しても, 十分なエビデンスが得られていない点が問題点といえる。
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原著
  • 加藤 敏江, 佐藤 栄祐, 服部 琢
    53 巻 (2010) 4 号 p. 251-258
    公開日: 2010/09/28
    ジャーナル フリー
    今回我々は, 広汎性発達障害 (以下PDD) を伴った人工内耳 (以下CI) 装用児の言語能力や聴取能力の獲得状況, ハビリテーションの方法やPDDの診断の経緯などを検討した。
    対象は, 当センターで言語習得前にCIの埋め込み術を実施したPDDを伴う4名である。対象のPDD児の比較対照児は明らかな発達障害が認められない13名とした。全症例の17名には就学時にWISC-III知能検査と語音聴取検査を実施した。
    PDD児間で就学時の言語能力と語音聴取能の獲得には個人差があったが, 半数は良好な言語能力を獲得していた。1名では言語能力や語音聴取能の獲得に困難を極めた。また, PDD児はすべて聾学校に就学していたが, 言語獲得が可能な症例であっても社会性の障害は残存したためであった。PDD児でもコミュニケーション方法は音声言語主体であったが, 視覚情報の補助的使用は音声言語の獲得コミュニケーションに有用だった。
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  • 小菅 直子, 松平 登志正, 東川 麻里
    53 巻 (2010) 4 号 p. 259-265
    公開日: 2010/09/28
    ジャーナル フリー
    大学の教室で音声を聴取する際の残響の影響が, 指向性マイクを使用するとどの程度改善されるかを明らかにする目的で以下の実験を行った。防音室と教室 (残響時間1.6秒) でHINT日本語版文リストを再生し, これを, 防音室と, 教室の音源から2mと8mの位置で無指向性および指向性マイクを用いて録音した。これらの検査素材 (防音室リスト, 教室2, 8mリスト) を用いて, 健聴成人12名を対象に語音了解閾値 (SRT) を測定し比較検討した。無指向性マイクの録音では, 防音室リストと比較して, 教室2m, 8mリストのSRTは有意に上昇した。指向性マイクでは残響下のSRTに有意な改善がみられ, 教室2mリストでは無残響下と同等の成績であった。難聴者が残響の大きい教室で講演等を聴く場合, FM補聴器が使用できない状況では, 最前列で指向性補聴器を用いて聴取することが次善の策として有効である可能性が示唆され, 今後難聴者による検討が必要と考えられた。
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  • 窪田 俊憲, 伊藤 吏, 渡辺 知緒, 阿部 靖弘, 千葉 寛之, 井川 信子, 鈴木 豊, 青柳 優
    53 巻 (2010) 4 号 p. 266-273
    公開日: 2010/09/28
    ジャーナル フリー
    補充現象の有無は, 補聴器の利得調節を行なう際に重要である。現在, 乳幼児にて補充現象の有無を確認できる周波数特異性の高い他覚的聴力検査法は存在しない。周波数特異性の高い他覚的聴力検査法であるASSRを用いて補充現象を解析できれば, 乳幼児においても補充現象の有無を確認できると考えられる。
    今回, ASSRで補充現象を解析することを目的とし, 聴力正常成人10名を対象に閾値上の刺激音圧と反応との関係を検討した。パワースペクトル解析では, 刺激音圧とパワーの間に相関係数で覚醒時は中央値0.96 (0.92~0.99), 睡眠時は中央値0.91 (0.81~0.99), また, 刺激音圧と潜時の間に覚醒時は中央値-0.82 (-0.76~-0.96), 睡眠時は中央値-0.97 (-0.85~-0.99) と強い相関を認めた。位相スペクトル解析では, 刺激音圧とCSM値の間に一定の相関は認められなかった。
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  • 伊藤 まり, 相馬 啓子, 池上 奈歩, 佐藤 永通子
    53 巻 (2010) 4 号 p. 274-279
    公開日: 2010/09/28
    ジャーナル フリー
    TRT (Tinnitus Retraininng Therapy) はカウンセリングと音治療からなる耳鳴順応療法である。本来, 中等度~高度難聴症例はTCIのノイズを聴取し得ない傾向があり, 補聴器等他の音響によるTRTが勧められている。今回, 平成16年4月から平成21年3月までの5年間に当院耳鳴難聴外来を受診しTRTを試みた耳鳴患者183例 (男102人女81人) の内, 脱落例を除きTCI治療器を購入して治療を継続し得た99例 (男54人女45人) 中, 著明な改善感が得られず, 患側に補聴器を用いたTRTを追加施行した6例 (男1人女5人) を対象とし, 治療効果について検討した。中等度以上の難聴の耳鳴症例はTRTの音響療法として補聴器の対象になりうるが, 一側性感音難聴症例の場合, 健側聴力が保たれているので患者が補聴器装用を受け入れにくく, TCIを先に試行する方が抵抗感がない。当科の統計では一側性中等度~高度難聴の症例で先にTCIによるTRTを施行し, 補聴器によるTRTを追加施行したところ耳鳴の自覚的苦痛度が有意に改善した。以上, 一側性中等度~高度難聴症例においてはTCIによるTRTを施行後, 補聴器によるTRTを追加施行することも耳鳴治療として有効であると考えられた。
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