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54 巻 , 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
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総説
  • 泰地 秀信
    54 巻 (2011) 3 号 p. 185-196
    公開日: 2011/07/28
    ジャーナル フリー
    新生児・乳幼児難聴の正確な評価および引き続いての治療・療育を求められる機会は増加しているが, 乳幼児で聴力に関して得られる情報は限られており, 難聴の有無および程度を確定することは必ずしも容易ではない。新生児聴覚スクリーニングは, OAEおよび自動ABRのいずれを用いた場合も高度難聴の検出という点では感度は100%近く, 偽陰性はほとんどないものとされていたが, 近年は偽陰性例の報告も散見される。DPOAEでの偽陰性例の多くがauditory neuropathy spectrum disorderである。ABRでの偽陰性例は低音障害型や高音障害型難聴など聴力型によるものが多い。また, 偽陽性も対応によっては保護者に心理的負担を与えるため問題である。DPOAEでの聴覚スクリーニングでは5%程度の偽陽性がある。ABRについても中枢系の未成熟のために閾値上昇・波形分離不良がみられることがあり, ABRで高度難聴と判定されても発達とともに正常化する例がある。乳幼児では複数の聴力検査法を組み合わせることが必要である。
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第55回日本聴覚医学会主題演題特集号・続
「補聴器適合検査」 「突発性難聴」
  • 森 つくり, 熊井 正之
    54 巻 (2011) 3 号 p. 197-207
    公開日: 2011/07/28
    ジャーナル フリー
    3~5歳台の重度~最重度難聴幼児例に補聴器適合検査を実施し, 検査の実施時期や検査内容, 実施上の配慮事項, 語音検査の方法を検討した。検査は補聴器適合検査の指針 (2008) の検査法のうち, 語音明瞭度検査, 補聴器特性図とオージオグラムを用いた音響利得と補聴器装用閾値の算出, 音場での補聴器装用閾値の測定を行い, 集団・日常場面での行動観察と併せて評価した。重度例では3歳台, 最重度例では5歳台で一応の検査を行うことができたが, 語音検査の実施には一定期間の聴覚活用・言語獲得指導を行い, 年齢や聴取・言語能力, 検査への動機づけや取り組み態度に応じて, 語音呈示や応答の方法を調整したり, 子どもへの働きかけやフィードバックに配慮する必要があると考えられた。発達障害の合併や疑い例では, 合併する障害に関連した特徴とその影響による聴取・言語能力の遅れ, 心理・情緒面の問題に配慮した個別の対応が必要であると考えられた。
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原著
  • 原田 竜彦
    54 巻 (2011) 3 号 p. 208-213
    公開日: 2011/07/28
    ジャーナル フリー
    刺激音と同一周波数の耳音響放射であるStimulus frequency OAE (SFOAE) の測定を行った。測定にはSuppression法を用いた。この方法は測定音の単独刺激時の外耳道内音響と測定音の近傍周波数の抑圧音を同時刺激しSFOAEを抑圧した際の外耳道内音響それぞれの測定周波数成分の差からSFOAEを求めるものである。測定は健聴成人被験者5名で行った。4000Hz・50dBSPLの測定音に対し, 70dBSPLの抑圧音では周波数が測定音近傍から1200Hz程度高い周波数にかけて抑圧が最大となり, 抑圧音圧を減少させると測定音より低い抑圧音の場合には抑圧量が大きく減少する一方, 測定音より抑圧音の周波数が高い場合には抑圧量の変化は少なく小さな抑圧音であっても一定の抑圧が得られた。これらは過去の報告と同様であった。SFOAE抑圧の原理ならびにSFOAEの臨床活用について考察を加えた。
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  • 荒木 謙太郎, 中川 雅文, 幸松 玲未, 飯塚 よう子
    54 巻 (2011) 3 号 p. 214-221
    公開日: 2011/07/28
    ジャーナル フリー
    【目的】耳鳴と聴覚過敏の合併について, 不快レベル (UCL), 快適レベル (MCL) から検討した。【対象と方法】難聴を伴わない耳鳴患者群38例 (症例群) に対して純音聴力閾値, UCL, MCLを求めた。また, 誘発耳音響放射 (TEOAE), THI (Newman日本語版), VAS, SRQD, AISを実施した。コントロール群は健聴成人群8例である。【結果】コントロール群のUCL・MCLの中央値は105dB・55dBであった。症例群では95dB・40dBであり, 症例群で有意な低下が確認された。症例群のTHIの重症度とUCL・MCLの低下には統計学的に有意な相関を認めた。【考察とまとめ】無難聴耳鳴症例におけるUCL・MCLの低下は, 聴覚過敏症状の合併を示唆していると考えた。また耳鳴の臨床評価においては, THIなどによる重症度評価と同時に聴覚過敏の補助的な評価としてUCL・MCLの測定が重要であると考えた。
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  • 窪田 俊憲, 伊藤 吏, 渡辺 知緒, 阿部 靖弘, 千葉 寛之, 井川 信子, 鈴木 豊, 青柳 優
    54 巻 (2011) 3 号 p. 222-229
    公開日: 2011/07/28
    ジャーナル フリー
    補充現象は, 補聴器フィッティングを行なううえで, 重要な指標の一つである。しかし, 小児難聴において周波数毎に補充現象を評価できる他覚的検査法は存在しない。この問題を解決するために, 周波数特異性の高い聴性定常反応 (ASSR) を用いた補充現象の評価について検討した。
    補充現象を認める感音難聴者12名12耳と聴力正常者14名14耳を検討の対象とし, 40-Hz ASSRと80-Hz ASSRにおいて, 刺激音圧 (dB SL) の変化に対するASSR反応成分のpowerを比較検討した。
    40-Hz ASSR, 80-Hz ASSR共に, 刺激音圧が15~35 dB SLにて難聴群のpowerが聴力正常群と比較して有意に大きく, 刺激音圧の増大に伴うpowerの増加の割合も, 聴力正常群と比較し難聴群で有意に大きかった。
    40-Hz ASSR, 80-Hz ASSR共に, 刺激音圧の増大に伴うpowerの増加の割合が大きいことは, 補充現象によるものであると考えられた。
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  • 大原 重洋, 廣田 栄子, 鈴木 朋美
    54 巻 (2011) 3 号 p. 230-238
    公開日: 2011/07/28
    ジャーナル フリー
    難聴幼児通園施設に併せて, インクルーシブ環境 (保育園・幼稚園) に通園する聴覚障害児9名を対象として, 聴力正常な幼児 (聴児) 集団における社会的遊びの発達段階とコミュニケーション行動について観察し, 聴力レベル, 言語能力等の要因の関与について分析した。対象児は平均聴力71.2dB (SD18.0) で, 3歳4ヶ月から6歳1ヶ月児であった。その結果, 協同遊び段階3名 (33.3%), 一人遊び段階1名 (11.1%), 並行遊び段階3名 (33.3%), 保育士との遊び段階2名 (22.2%) に分類できた。聴覚障害3~4歳児では, 聴児の発話の受信が困難な傾向を認めたものの, 全例で概ね聴児とのコミュニケーションの成立を認めた。対幼児のコミュニケーション行動の発達は, 聴力レベルや言語能力よりも生活年齢の要因の関与が大きかった。
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  • 柘植 勇人, 富田 真紀子, 加藤 由記, 稲垣 憲彦, 岩田 知之, 山脇 彩, 宮田 晶子, 松田 真弓, 中原 裕子, 中島 務
    54 巻 (2011) 3 号 p. 239-248
    公開日: 2011/07/28
    ジャーナル フリー
    Tinnitus Retraining Therapy (TRT) の音響療法を実施する中で, sound generatorのノイズ音に馴染むことが出来ない症例を経験する。そこで, TRTの音響療法として, 自然環境音で同様の効果が得られないかを検討した。sound generator (SG) を十分に使い慣れているTRT実施中の患者10名の協力を得て, 携帯音楽プレーヤーと耳かけオープン型イヤホン (一側耳装用) を用いて, 川のせせらぎなどの5種類の音源の試聴を行い調査した。
    その結果, TRTにおける音響療法は広帯域ノイズに固執する必要はなく, 自然環境音で代用できる可能性が示唆された。人によっては様々な音源による音響療法が成り立つ可能性と静寂部分が含まれている「波の音」は適さない傾向が示唆された。一方, 広帯域ノイズに似た「滝の音」が好まれるグループがあったので, SGの有効性も示された。
    今回の結果より, 夜間の静寂を避けて寝室に心地良い環境を作るという意味で, 自然環境音をBGMとして活用する価値も考えられる。今後は, 実際の活用症例の効果を検討する必要がある。
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