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56 巻 , 4 号
August
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
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総説
  • 岩崎 聡
    56 巻 (2013) 4 号 p. 261-268
    公開日: 2013/12/05
    ジャーナル フリー
    要旨: 新生児聴覚スクリーニング検査の普及により一側性難聴と診断される機会は増えてきたが, その頻度はまだ不明と言える。小児の場合, 主な原因として内耳・内耳道奇形, ムンプス難聴, 先天性CMV感染症があげられる。その他, 髄膜炎, auditory neuropathy spectrum disorder, 内リンパ水腫があるが, 半数以上は原因不明である。CTとMRIによる画像検査は今後必須になると思われる。保存臍帯によるCMV DNA解析の結果, 一側性感音難聴児の約9%にCMV DNA (+) が認められたが, 難聴遺伝子変異は1例もみられなかった。一側性難聴は心因性難聴が関与する場合もあるので, 特に小児においてはABR, ASSR, OAEなどの他覚的検査を実施する必要がある。
    一側性難聴児は言語発達遅滞や学業成績への影響, 人間関係のトラブルを生じる場合があるため, 周囲の気遣いが重要である。成人発症の一側性高度難聴が残った突発性難聴は, SF-36によるQOL, HHIAによるハンディキャップの検討により, 生活面のQOLの低下とハンディキャップを認めた。最近片側聾に対する介入方法として埋め込み型骨導補聴器や耳鳴りを伴った片側聾に対する人工内耳が行われている。
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原著
  • 三瀬 和代, 白馬 伸洋, 田原 康玄, 暁 清文
    56 巻 (2013) 4 号 p. 269-275
    公開日: 2013/12/05
    ジャーナル フリー
    要旨: 当科では, 老年内科による抗加齢ドックと連携した聴力ドックを実施している。2009年12月から2012年5月までの間に聴力ドックを受診した212名のうち, 耳疾患の既往がなく気骨導差が小さく, かつ鼓膜所見に異常のない205名の良聴耳205耳を検討対象とし, 加齢変化における聴力の性差および, 聴力の性差に関与する因子について検討した。聴力の性差について有意差検定を行ったところ, 4000Hz, 8000Hzの聴力は男性が女性に比べ有意に低下していた。難聴のリスク因子である糖代謝 (HbA1c) も加え, 各周波数の聴力レベルと頸動脈内膜中膜複合体肥厚度 (IMT) およびHbA1cとの関係について, 交絡要因である年齢も含めて性別で重回帰分析を行った。その結果, 男女ともHbA1cはいずれの周波数の聴力レベルとも有意な関連を認めなかったが, IMTは男性で4000Hz, 8000Hzの聴力レベルと有意な関連を認めた。加えて, IMTも男性が女性に比べ有意に高値を示した。IMTは動脈硬化の指標とされているので, 男性の高音域聴力悪化の要因の一つとして動脈硬化の関与が示唆された。
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  • 樋口 正法, 鈴鹿 有子
    56 巻 (2013) 4 号 p. 276-282
    公開日: 2013/12/05
    ジャーナル フリー
    要旨: 一連の音楽や音声に対する聴性誘発反応を評価する手法を提案する。本手法は, 加算平均法のように波形抽出するのではなく, 音と計測波形との相関性を評価するもので, 音の強弱波形 (エンベロープ) と計測波形とのコヒーレンス関数を用いる。この関数は0に近いほど両者は相関性が低く, 1に近づくほど相関性が高くなることを意味する。確認実験として音楽を聴いている時の脳磁図を計測した。その結果, 提示した音に対するコヒーレンス値が増加することが確かめられた。本手法の応用として“カクテルパーティー効果”の検討を行った。その結果, 注意している音に対するコヒーレンス値の増加が見られ, 注意によって聴性誘発反応が変化することが確認された。本方法は聴覚の高次機能の解明に有用であることが示された。
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  • 増田 佐和子, 鶴岡 弘美, 臼井 智子, 石川 和代
    56 巻 (2013) 4 号 p. 283-290
    公開日: 2013/12/05
    ジャーナル フリー
    要旨: 発達性読み書き障害は, 読み書きに関して特異的な困難を示す学習障害のひとつであり, 中枢神経系における何らかの機能障害によると考えられている。
    症例は7歳の小学1年生男児で, 書字の誤りが多いことから難聴を疑われた。聴力検査では正常であったが, 問診より何らかの発達的な問題が示唆され精査を行った。「小学生の読み書きスクリーニング検査」は本児の読み書きにおける特徴や問題点を明らかにする上で有用で, 書き取りにおいて意味のある単語より1文字が, またひらがなよりカタカナ・漢字が苦手であることが示された。また本児の読み書き障害の原因として, 聴覚的な音韻処理障害とともに視覚情報処理障害が存在すると考えられた。本児に対しては小児神経科で発達性読み書き障害の診断がなされ支援が開始された。
    器質的な難聴がなくても読み書きなど特定の分野の障害を持つ小児が存在することに留意して, 専門家と連携することが大切である。
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  • 高橋 薫, 沖津 卓二, 石岡 泉, 清水 麻里, 岡崎 理恵子, 小林 俊光
    56 巻 (2013) 4 号 p. 291-297
    公開日: 2013/12/05
    ジャーナル フリー
    要旨: 仙台市における平成10年度から20度年までの11年間の学校健診の聴力検診データーに基づいて, 小学生の難聴の推移を検討した。
    1) 対象人数は平成10年度以降も減少傾向であったが, 平成17年度以降は微増していた。
    2) 難聴児は, 平成10年度の0.58%からやや変動あるも減少していた。その主な原因は, 滲出性中耳炎による伝音難聴の減少であった。
    3) 感音難聴は, 0.2%~0.3%の間で変動しており, 一定の傾向は認められなかった。
    4) 伝音難聴は平成10年度の0.20%から平成19年度の0.04%へ漸減していた。
    5) 滲出性中耳炎による難聴は年々減少していたが, 未だ伝音難聴の主要な原因疾患であった。
    6) 機能性難聴 (疑い例を含む) は近年著しく増加傾向にあり, これまでの検討では認められなかった最も注目すべき新しい変化であった。
    7) 1側高度感音難聴は0.04%以下で横這いであった。
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  • 葛西 聡子, 武市 紀人, 小原 修幸, 西澤 典子, 玉重 詠子, 福田 諭
    56 巻 (2013) 4 号 p. 298-305
    公開日: 2013/12/05
    ジャーナル フリー
    要旨: 人工内耳装用児の母音構音に着目し, 5母音の第1フォルマント (F1), 第2フォルマント (F2) の解析を行なった。その結果を人工内耳以前のろう ・ 難聴児の先行研究と比較検討した。/a/は健聴児のF1, F2分布領域に位置するものが多く, ろう ・ 難聴児の結果と一致した。しかし, その他の母音では健聴児のF1, F2分布域を逸脱するものがあり, その逸脱に一貫した傾向は得られなかった。1症例は5母音全てが健聴児のF1, F2分布域内に分布したが, 他3名は5母音のうちいずれかが健聴児の分布域内からの逸脱があった。5母音のF1, F2の上限値と下限値の比について見ると, 健聴児ではF1の上限値/下限値は1.5~2倍と健聴児に関する先行研究と差がない結果であったが, F2の上限値/下限値は健聴児が約3倍あるのに対して, 人工内耳装用児は1.5~2.2倍であり, F2値変動域の狭小化が示された。これらの結果より, 人工内耳装用児は, ろう ・ 難聴児同様に舌運動範囲が小さくなっていることが示唆された。
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  • 鈴木 伸嘉, 佐藤 梨里子, 岩崎 聡, 田澤 真奈美, 茂木 英明, 工 穣, 宇佐美 真一
    56 巻 (2013) 4 号 p. 306-312
    公開日: 2013/12/05
    ジャーナル フリー
    要旨: 「補聴器適合検査の指針 (2010) 」に基づいて補聴器適合検査を行った感音難聴患者26人を対象に適合検査の結果と, 補聴器購入の有無の関連について検討した。行った検査は, 指針で必須項目と定められた (1) 補聴器非装用時と装用時の語音明瞭度曲線の測定, (2) 環境騒音の許容を指標とした適合検査と, 参考項目6項目から, (5) 音場での補聴器装用域値の測定と (7) 雑音負荷したときの語音明瞭度の測定, (8) 質問紙による適合評価の実施の3項目を行った。検査は最初の補聴器フィッティングを行ってから3週間後を目安に行った。検討した26人中20人が購入に至り, 残りの6人は購入に至らなかった。必須項目 (2) と参考項目 (7) において, 適合例で補聴器購入率が高かったが, 検査結果と補聴器購入の有無の間には統計学的な関連を認めることはできなかった。購入に至らなかった6人を検討してみると, 補聴器購入にかかわる要因は補聴器の適合度だけでなく, 難聴の程度や個々の生活様式, 補聴器の値段といった経済的な要因が関係していることが推測された。
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