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57 巻 , 1 号
February
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
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総説
  • 山岨 達也, 越智 篤
    57 巻 (2014) 1 号 p. 52-62
    公開日: 2014/11/06
    ジャーナル フリー
    要旨: 加齢に伴う聴覚障害では, 末梢聴覚, 中枢聴覚, 認知の三つの機能が複合的に障害されている。老人性難聴では聴力は高音域から閾値上昇し, 難聴の進行は年と共に加速し, 個人差が大きいことが知られる。語音明瞭度は聴覚レベルに応じて悪化するが, 高齢になるほど聴力レベルよりも悪化する傾向にある。耳音響放射や聴性脳幹反応は主に聴力レベルに応じて障害されるが, 年齢自体の影響も見られる。Gap detection などで評価できる時間分解能も加齢により悪化する。難聴のために日常生活上の会話に不自由を感じる場合には補聴器装用が治療の第一選択となる。補聴効果が無くなった場合は人工内耳が高齢者においても有用であるが, 装用開始年齢が高齢であるほど術後の聴取成績が悪い傾向にある。加齢に伴う聴覚障害に対しては不要な強大音曝露の回避や動脈硬化の予防や治療などが有用と考えられる。また聴覚に基づく認知訓練が時間分解能の改善に役立つ可能性も示唆されている。
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原著
  • 野口 佳裕, 籾山 直子, 高橋 正時, 喜多村 健
    57 巻 (2014) 1 号 p. 63-70
    公開日: 2014/11/06
    ジャーナル フリー
    要旨: 本研究では, 原因不明に発症し, 5周波数平均聴力レベルが40dB未満の軽度の急性感音難聴症例37例 (年齢22~78歳; 男性20例, 女性17例) を検討した。急性低音障害型感音難聴症例は除外した。患者を隣り合う3周波数の聴力レベルが30dB HL以上のA群とそれ以外のB群に分類した。難聴はA群の70%, B群の79%が自覚し, 耳鳴はA群の91%, B群の92%に認められた。最も頻度の高い聴力型は, 両群とも高音障害型であった。めまいはA群の26%, B群の14%に随伴したが, 頭位眼振検査ではA群の56%, B群の36%に定方向性眼振が認められた。聴力予後は全症例の51%が「不変」を示し, 軽度の急性感音難聴の予後は必ずしも良好ではなかった。今後, 本邦ではこれまで突発性難聴から除外されてきた可能性のある軽度の急性感音難聴の病態を, 十分に検討していく必要があると考えられた。
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  • 岡崎 宏, 新田 清一, 鈴木 大介, 坂本 耕二, 西山 崇経, 中村 伸太郎, 上野 恵, 小川 郁
    57 巻 (2014) 1 号 p. 71-77
    公開日: 2014/11/06
    ジャーナル フリー
    要旨: 補聴器装用経験のない両側感音難聴患者25例に対して, 初回から時間を限定せず出来るだけ長く補聴器を装用する指導を試みた。その結果, 購入に至った23例は貸出しの翌日から平均11時間の装用ができ, 以後3か月間を通して11時間以上が継続された。非購入2例中, 音に慣れずに中断した1例はほとんど装用できなかったが, 経済的理由で中断した1例は平均10時間以上の装用が可能であった。補聴器の音に対する慣れの評価はVisual Analog Scale (VAS) を用いた。週ごとのVAS平均値は1週目には約50, 5週目には約80, 8週目には約90であった。このことから補聴器の音に十分に慣れるまでには, 約2ヶ月かかることが示唆された。今回の結果からは, 長時間装用を継続したことで補聴器の音に慣れたと言えるものであった。早期から長時間装用することは患者が早く装用効果を実感できるとともに積極的な補聴器の音の増幅を可能にし, 患者と調整者の両方にメリットをもたらすものと考えられた。
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  • 木全 未紘, 岸上 美智代, 内田 育恵, 平山 肇, 岸本 真由子, 植田 広海, 中村 有里
    57 巻 (2014) 1 号 p. 78-83
    公開日: 2014/11/06
    ジャーナル フリー
    要旨: 6歳2カ月ころに発症し7歳9カ月時に Landau-Kleffner 症候群 (LKS) の診断に至った男児について報告した。聴覚失認, 発話不明瞭などの言語症状が出現し, 集中持続困難, 易怒的になるなどの不適切行動がみられた。てんかんと考えられる発作が起こり, 脳波検査では睡眠時の持続性の棘徐波が確認されLKSと診断された。経過とともに脳波異常は正常化した。言語症状も脳波やてんかんとともに改善を示したが完全ではなく, 現在も軽度の語音認知障害, 語彙量の不足, 表現力の乏しさなどが残存している。LKSの児童の言語訓練は聴覚失認や不適切行動を伴うため容易ではない。日常生活は問題がなくても高学年になり抽象的, 多面的な考え方が中心の授業になると問題が浮彫りとなると考えられる。そのため, ひとりひとりの特徴, 言語的な問題を把握し, 学習面, 精神面でのサポートが大変重要である。
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  • 赤松 裕介, 廣田 栄子, 尾形 エリカ, 山岨 達也
    57 巻 (2014) 1 号 p. 84-91
    公開日: 2014/11/06
    ジャーナル フリー
    要旨: 当科にて4歳未満にCI埋め込み術を行なった32例に対し, 術前からCI装用後24ヶ月間の聴性行動 (MAIS) と発話行動 (MUSS) を経時的に評価し, 以下の結果を得た。
    1) MAIS・MUSS評価の平均得点は, 術前評価得点と比べてCI装用後3ヶ月時と早期に改善を示した。全ての評価時にMAISはMUSSを上回り両者は相関が高かった。
    2) MAISはCI装用後1ヶ月, MUSSは3ヶ月時の改善率が最大であった (初期改善)。個人差はMAISでは装用後24ヶ月に最少となり, MUSSは同時期に増大した。
    3) MAIS評価ではCI装用後1ヶ月時段階で, 術前の言語発達が高いほど, またCI装用の年齢が高いほど改善していた。MUSS評価においては, 初期改善には術前の言語発達が関与したが, 中期改善にはこれらの要因は解消した。
    4) CI装用効果や予後予測については, 術前の影響が解消する中期改善に注目し, 慎重に経過を観察することが重要と言える。
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  • 坂本 圭, 小渕 千絵, 城間 将江, 松田 帆, 関 恵美子, 荒木 隆一郎, 池園 哲郎
    57 巻 (2014) 1 号 p. 92-98
    公開日: 2014/11/06
    ジャーナル フリー
    要旨: 人工内耳装用者 (以下CI装用者) の語音聴取における発話速度の影響と, 聴取能を補うための休止区間挿入の効果について検討した。対象は健聴者10名, CI装用者13名であり, 通常の発話速度 (以下, 基準文) を1倍速とし, これに対して2段階に倍速にした音声 (1.5倍速, 2.0倍速, 以下倍速文) の聴取成績を分析した。また, 各倍速音声に休止区間を文節, ランダムの2種の方法で挿入しその効果を実験的に検討した。この結果, 両対象者共に発話速度が速くなるにつれて有意に正答率の減少がみられた。特にCI装用者で顕著であり, 2.0倍速ではほとんどのCI装用者が聴取困難となった。また, 休止区間挿入の効果は, CI装用者で1.5倍速文においてのみ有効であった。倍速音声聴取が困難であるCI装用者であっても休止区間挿入により処理時間が確保され聴取能改善につながるため, 会話時においては意味的に区切って発話することの重要性が示唆された。
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