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57 巻 , 4 号
August
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
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総説
  • 三邉 武幸, 杉内 智子
    57 巻 (2014) 4 号 p. 221-229
    公開日: 2014/11/06
    ジャーナル フリー
    要旨: 近代リハビリテーション医学は, わが国に広く導入されるようになって60余年が経過し, その対象は近年の高齢化社会を背景に, 四肢切断, 脊椎損傷, などから, 脳卒中, 嚥下・言語障害などへと変化している。このリハビリテーションは, 病因, 病理, 疾病の発現機序から診断, 治療にむすぶ, 従来の医療では扱いきれない障害を対象としたものである。そのため治療効果に相当する治療技術の科学的根拠を詳らかに示すことが難しく, 一般診療とは質的に異なった側面をもつ。聴覚障害領域では, テクノロジーの躍進によって難聴の診断技術, 補聴器・人工内耳・補聴援助機器などが著しく進歩し, 小児難聴の早期発見, 人工内耳の活用, 高齢者の補聴医療など, より積極的で包括的な取り組みが求められるようになっている。本総説は, 聴覚障害を世界保健機関の改定された障害分類の立場からとらえ, この障害に対するリハビリテーションについて概観したものである。
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原著
  • 和田 哲郎, 中山 雅博, 廣瀬 由紀, 西村 文吾, 田中 秀峰, 上前泊 功, 田渕 経司, 大久保 英樹, 原 晃
    57 巻 (2014) 4 号 p. 230-235
    公開日: 2014/11/06
    ジャーナル フリー
    要旨: 平成13年の医師法の一部改正により聴覚障害者が医師になる道が開かれた。しかし, 聴覚障害医学生あるいは医師を受け入れるための支援制度は確立されておらず, 受け入れ大学あるいは病院が試行錯誤で情報保障に腐心している。我々は, 上記の医師法改正後, 全国で3人目となる聴覚障害医学生を受け入れ, 教育し, 当該学生は医師国家試験に合格し, 臨床研修を開始した。卒業から臨床研修開始に至るこの時期の3つの課題, ①卒業に向けての学習指導, ②医師国家試験, ③臨床研修のそれぞれについて, retrospective に検討した。
     ①学習指導では, 情報保障の準備を整えたが結果的にはパソコン要約筆記をほとんど利用しなかった。支援体制は整えつつ, 本人の希望に柔軟に対応することが望ましいと考えられた。②国家試験では所定の手続きを行うことで適切な対応が受けられ, 試験に不利になることはなかった。但し, 終了合図が聞こえずに鉛筆をおかなかった時, 不正と誤解されることがないようにあらかじめ申請書に記入しておけばより安心して受験できると考えられた。③外来受付で聴覚障害医師が担当することを説明したところ, 新規受診患者70名中2名が同意しなかった。対策として院内掲示等でもっと情報をオープンにすることとした。また, 筆談では診察時間が長くかかることから, 病院として手話通訳者を採用することとなった。
     国家試験に合格し医師になることがゴールではない。その後, 聴覚障害医師が本人の力を十分発揮できるバリアフリーの社会を実現していくために, このような経験を蓄積し, 共有する, 卒前卒後につながる連携が大切と考えられた。
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  • 亀井 昌代, 佐藤 宏昭, 手代木 裕美子, 米本 清, 小田島 葉子
    57 巻 (2014) 4 号 p. 236-243
    公開日: 2014/11/06
    ジャーナル フリー
    要旨: 46~61歳の左右対称性中等度難聴の5例に対して, 4種類の補聴器を各社の補聴器調整ソフトウエアにより初期調整に設定して補聴器適合検査と音の印象評価を同時に行った。その結果, 補聴器適合検査では初期設定された4器種の補聴器は適合良好であると判断された。音の印象評価は, 個体差が大きく, また提示する環境騒音により異なった。雑音下短文の評価は, 雑音抑制機能を内蔵した補聴器は内蔵しない補聴器に比較し, 有意に「落ち着いた」という評価であり,「歯切れがよい」の評価項目ではメーカ間で有意差をみとめた。これらのことから, 評価には特性の異なる音源が必須であり, 主観評価を行うことにより客観評価では得られない情報がもたらされ, 重要であることがわかった。したがって, 我々は症例により適合検査や主観評価を総合的に評価し装用相談や指導を行っていく必要がある。
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  • 河口 幸江, 河野 淳, 萩原 晃, 西山 信宏, 池谷 淳, 冨澤 文子, 鈴木 衞
    57 巻 (2014) 4 号 p. 244-249
    公開日: 2014/11/06
    ジャーナル フリー
    要旨: 視覚と聴覚の両方の障害が重複しているいわゆる盲聾の患者は, コミュニケーションツールが限られるため日常生活が困難になることは容易に想像がつく。視覚障害が先行して主なコミュニケーション手段が聴覚である患者が後に高度な聴覚障害となった場合, コミュニケーションツールを失ってしまうため患者の精神的苦痛は計り知れない。そのような盲聾患者4例に人工内耳植込術を施行した。
     症例は全例成人で, 後天性視覚障害および両側高度感音難聴の症例である。2例は弱視であり人工内耳術前は大きな文字の筆談ができたが, 残りの2例は全盲であり術前は手書き文字を用いていた。
     4例中3例は手書き文字または筆談など聴覚以外のツールを用いずに会話可能となった。残りの1例については semiclose set の質問が弁別できる程度だが, 筆記を減らすことができた。後天性の盲聾患者に対して人工内耳は有用であった。
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  • 冨澤 文子, 河野 淳, 芥野 由美子, 野波 尚子, 西山 信宏, 河口 幸江, 鈴木 衞, 斎藤 友介
    57 巻 (2014) 4 号 p. 250-257
    公開日: 2014/11/06
    ジャーナル フリー
    要旨: 当院で人工内耳植え込み術を行った装用児のうち, 現在中学生以上になり, 継続的に通院している43名の人工内耳装用閾値, 単語了解度, 発話明瞭度, 語彙発達指数について検討した。手術時年齢別にみると, 2-3歳手術群で単語了解度と発話明瞭度がよく, 手術時年齢が上がるにつれて単語了解度も発話明瞭度も低下した。装用閾値と語彙発達指数は, 各群において大きな差はみられなかった。就学状況別の検討では, 語彙発達指数が良好な症例が小学校でも中学校でも普通学校に在籍する傾向があり, 聴取能 (単語了解度) は必ずしも関与しなかった。個々にみると, 単語了解度と語彙発達指数が特に問題のない症例でも, 人間関係やアィデンティティーの問題に悩み不登校になる場合もみられた。重度難聴児が早期に人工内耳を装用することで聴取能や発話明瞭度, 言語発達の改善など期待されるが, 個々のケースに合わせて患児の成長を支援し多方面からバックアップしていくことが重要であると考えられた。
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