要旨: 当院を受診した初診年齢0歳児24症例に対して, 補聴器の試聴を開始し, 初診日齢, 新生児聴覚スクリーニングの有無, 平均聴力レベル, 補聴器装用開始日齢, 補聴器装用適合日齢, 補聴器適合に至るまでの問題点, 補聴器フィッティング状況 (音響利得,最大出力音圧 (MPO), 装用閾値の関係について), 決定補聴器について検討した。 全体的な傾向として, 初診日齢が早いほど, 補聴器装用開始日齢, 補聴器装用適合日齢も早く, 初診から補聴器適合までに6か月ほど時間を要しており, 初診から補聴器確定までの期間には個人差がみられた。 補聴器装用においての問題点では, 聴力評価13例 (54.2%), 装用困難9例 (37.5%), イヤモールド4例 (16.7%), ハウリング7例 (29.2%), 補聴器装用評価20例 (83.3%), 補聴器の特性4例 (16.7%) であり, 補聴器装用開始日齢から補聴器適合日齢までの期間が3か月以内と短い場合には問題点が少ない傾向にあったが, 補聴器適合日齢には関係なくみられた。
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