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59 巻 , 4 号
August
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
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総説
  • 久場 博司
    59 巻 (2016) 4 号 p. 211-217
    公開日: 2017/03/18
    ジャーナル フリー

    要旨: 我々が音の来る方向を聞き分ける (音源定位) 際には, 左右の耳に達する音のマイクロ秒レベルの時間差 (両耳間時差) が, 脳の聴覚神経回路で検出される。 この聴覚神経回路には, 音の周波数に応じた分子・細胞レベルでの様々な分化がみられる。 例えば, 聴神経からの時間情報を中継する蝸牛神経核では, シナプスの伝達様式とイオンチャネルの発現量が異なることにより, 周波数帯域間での神経活動の時間揺らぎの違いが補正され, 正確な時間情報の伝達が可能になる。 一方, 左右の蝸牛神経核からの時間情報を比較することで, 時間差情報の検出を行なう神経核では, イオンチャネルの発現量と局在が異なることにより, 周波数帯域に応じた入力頻度の違いに関わらず正確な時間情報の比較を行うことができる。 このように, 脳の聴覚神経回路の形態と機能は, 音の周波数に応じて異なり, このことにより正確な両耳間時差の検出が実現されている。

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原著
  • 杉本 賢文, 曾根 三千彦, 大竹 宏直, 寺西 正明, 杉浦 淳子, 吉田 忠雄
    59 巻 (2016) 4 号 p. 218-223
    公開日: 2017/03/18
    ジャーナル フリー

    要旨: 10歳時に初めて高度難聴を指摘できた人工内耳手術症例を経験したので報告する。 5歳時より難聴を疑わせる症状を呈していたが, 耳鼻咽喉科診療所や総合病院耳鼻咽喉科にて複数回純音聴力検査を受けても難聴は指摘されなかった。 当院初診時の純音聴力検査による聴力レベル (4分法) は右 98.8dB, 左 92.5dB と 500Hz 以上の中高音域にて高度な難聴を認めたが, 右耳の 125, 250Hz では 30~40dB の残存聴力を有していた。 初診10ヶ月後には, 補聴器装用効果不十分のため, 左耳へ人工内耳植込術を実施した。 10歳まで高度難聴を把握できなかった要因としては, 難聴が徐々に進行した可能性, 低音域に残存聴力が存在したこと, 不十分な聴力評価により繰り返し難聴を否定されてきたことなどが考えられた。 小児の聴力検査を行う際は, 他覚的聴覚検査の併用も考慮し, 慎重に診断を行うべきである。

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  • 与座 要, 我那覇 章, 與那覇 綾乃, 東野 哲也, 鈴木 幹男
    59 巻 (2016) 4 号 p. 224-231
    公開日: 2017/03/18
    ジャーナル フリー

    要旨: 人工内耳手術を受けた言語獲得前失聴小児において, 診療録及びアンケート調査により医学的因子, 社会環境因子が術後のコミュニケーションに与える影響を検討した。 該当33例中, 重複障害及び転居, 不同意の11名を除いた22例を解析対象とした。 聴覚を主たるコミュニケーションとする聴覚群 (15例) と聴覚と視覚を併用したコミュニケーションを行っている併用群 (7例) に分類し, 医学的要因, 社会環境要因を比較した。 医学的要因では, 聴覚群で有意に人工内耳手術時月齢が低く, 人工内耳装用閾値が低かった。 社会環境因子では, 聴覚群で有意に家庭での療育時間が長かった。 世帯構成員数, 養育者の最終学歴, 共働き, 第二養育者の関与, 術後の通園施設でのコミュニケーションモード等の影響はなかった。 人工内耳を必要とする症例の早期選択, 家庭での療育の向上が人工内耳術後の音声言語獲得を促し, 術後のコミュニケーションモードに影響する可能性が示唆された。

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  • 西山 崇経, 新田 清一, 鈴木 大介, 岡崎 宏, 坂本 耕二, 南 修司郎, 齋藤 真, 野口 勝, 小川 郁
    59 巻 (2016) 4 号 p. 232-237
    公開日: 2017/03/18
    ジャーナル フリー

    要旨: 一側性難聴者は健聴者と比較し, 雑音下の聴取や音源定位に障害が生じる可能性があるとされ, それらにより不自由を感じている症例に対し環境調整法を指導すると共に, 非良聴耳へ補聴器装用を試している。 補聴器の調整状態を評価する際, 聴力の左右差が大きい場合は陰影聴取を起こす可能性があり, 良聴耳を遮音して評価する必要がある。 しかし, どの様な方法でどの程度の遮音効果が得られるかは検討の余地があり, 健聴者12名に簡便な方法として耳栓とイヤーマフを用い, 遮音効果と適応について検討した。 簡便で最大の効果を得るためには耳栓とイヤーマフの併用が望ましく, 遮音効果は 250Hz より1オクターブ毎に約 30 -35 -40 -40 -50dB であった。 聴力の左右差が遮音効果内であれば, 陰影聴取を起こさずに装用閾値を測定でき, 聴力の左右差がそれ以上でも補聴器による利得がハーフゲイン程度あれば, 低音部では 40dB 程度, 中高音部では 50dB 程度までであれば適応になると思われた。

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  • 亀井 昌代, 佐藤 宏昭, 石鉢 みづほ, 米本 清, 小田島 葉子
    59 巻 (2016) 4 号 p. 238-245
    公開日: 2017/03/18
    ジャーナル フリー

    要旨: 目的) 室内で使用する種々の補聴援助システムを選択するため, 客観的評価と主観的評価の両面から評価し, よりよい聞き取りを実現するための条件を検討した。
    方法) 実験は講義室内で補聴器 (2機種) を HATS (Head And Torso Simulator) に装着させ, 補聴援助システム (FM2 機種, 磁気ループ) を通した語音を録音し, それを音源として健聴者に聞かせて語音明瞭度検査と印象評価を行った。
    結果) 補聴援助システムを使用しない条件と比較すると, 語音明瞭度は有意に高値を示し補聴器間での有意差はみられなかった。 さらに語音の印象評価も補聴器間の差がなくなる傾向がみられた。 雑音抑制内蔵の FM 補聴システムでは雑音下語音明瞭度が高値で生活文の印象評価結果を因子分析すると「迫力因子」の因子得点が高値であった。 磁気ループシステムでは雑音下語音明瞭度が FM 補聴システムとほぼ同等で語音の印象評価は「美的因子」, 「嗜好因子」での因子得点が高値であった。
    考察) 本実験で使用した補聴援助システムは, 情報伝達量は確保されるが音質は異なることがわかった。

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