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59 巻 , 6 号
December
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総説
  • 古川 茂人
    59 巻 (2016) 6 号 p. 615-622
    公開日: 2017/04/22
    ジャーナル フリー

    要旨: 語音を含む自然界に存在する音は時間的に変動する。 聴覚は, 音の時間変動に含まれる情報を抽出し言葉や環境を認識している。 本稿では, 時間情報に対する聴覚系の感度の評価法, および聴覚による分析メカニズムについて概説する。 音の時間変動は, 振幅包絡と時間微細構造に分類して考えるとよい。 振幅包絡情報は, 語音の認識に重要な役割を果たす。 振幅包絡に対する感度の評価には, ギャップ検出閾値や時間変調伝達関数が広く用いられる。 振幅包絡の体系的な分析には, 変調スペクトルが有用である。 変調スペクトルを分析する聴覚メカニズムとして, 変調フィルタバンクの存在が示唆されている。 時間微細構造は, ピッチ知覚や音源定位に寄与するが, 背景音存在下の語音知覚にも何らかの貢献をすることが示唆されている。 基底板の微細な反応特性の変化や, 聴神経数の減少などにより, 時間微細構造に対する感度が低下する可能性がある。

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原著
  • 久保田 江里, 小渕 千絵, 岡本 康秀, 貫野 彩子, 城間 将江
    59 巻 (2016) 6 号 p. 623-631
    公開日: 2017/04/22
    ジャーナル フリー

    要旨: 音韻修復機能とは, 雑音によって聞き取りにくくなった音声情報の歪みを, 脳で補完しながら聞き取る機能 (phonemic restoration) である。 本研究では, 健聴若年者, 健聴高齢者, 難聴高齢者を対象として, 語音聴取閾値検査 HINT-J (Hearing in noise test 日本語版) の原文をもとに加工・編集し, 文をそのまま聴取する原文聴取条件, 無音区間を挿入する条件, 無音区間に雑音を SN 比0, -5, -10 dB の3段階で挿入する条件の計5条件の文を聴取させ, 年齢と難聴の影響から比較検討を行った。 その結果, 高齢者では, 無音区間挿入により正答率の低下がみられ, 健聴高齢者に比し難聴高齢者において有意に低下していた。 挿入雑音による音韻修復効果については, 全ての対象者でいずれかの雑音挿入条件でみられ, 対象群ごとにみると挿入雑音が大きいほど有意に正答率が向上した。 これらの音韻修復効果と難聴者個々の聴力, 語音明瞭度など背景要因とは明らかな関連がみられず, 高齢者の難聴要因が複合的であることが影響していると考えられた。

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  • 前田 晃秀, 廣田 栄子
    59 巻 (2016) 6 号 p. 632-643
    公開日: 2017/04/22
    ジャーナル フリー

    要旨: 全国97自治体の協力を得て実施した実態調査により得た高齢期の盲ろう者2,018名のデータをもとに, 障害やコミュニケーションの状況について検討した。
     その結果, 高齢期の盲ろう者は, 視覚・聴覚いずれも後天的に受障した者が74.6%を占め, 聴覚活用が可能な弱視難聴は46.1%, 全盲難聴は25.6%, 聴覚活用が困難な全盲ろうは10.3%, 弱視ろうは8.9%であった。 補聴器の受給は46.4%に止まり, 難聴で補聴器を受給している者であっても初対面者の発話が理解可能なものは半数に過ぎなかった。 さらに, 全盲ろう者では, 会話頻度が月2日以下の社会的な孤立状況にある者が32.4%を占めていた。
     盲ろう者に関わる各種専門職が連携して, 障害の程度や受障の経緯に応じ, 補聴や聴覚活用, 代替的コミュニケーション・モードやリハビリテーションに関する情報提供とともに, 専門的支援の体制化が必要であることが示唆された。

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  • 鈴木 雪恵, 馬場 陽子, 小川 洋, 山田 奈保子, 原田 綾, 松井 隆道, 鈴木 輝久, 鶴岡 美果, 大森 孝一
    59 巻 (2016) 6 号 p. 644-652
    公開日: 2017/04/22
    ジャーナル フリー

    要旨: 福島県における小学校の通常学級に在籍している補聴器装用児の学習環境に関して, 担当教員等へのアンケート調査を行ったところ, 補聴器装用児の聞き取りや学力の問題, 周囲生徒との問題を抱えており, その対策として考えられる FM 補聴システムの活用や支援員の配置, 教育環境の整備, 教育支援計画と指導計画の作成などが十分に行われておらず, 周囲生徒に対する配慮も十分とはいえない状況が明らかとなった。 このことから, 専門機関が組織的かつ迅速に直接学校を指導する必要があると考えられた。 すでに, 中学校における人工内耳・補聴器装用児の学校支援は役割分担による支援体制を整え, 良好な結果を得ることができており, 小学校の補聴器装用児に対しても同様の支援を行うことになった。
     小学校特有の課題としては, 学習の遅れが気になる教科として「国語」があがり, 個別の指導計画を作成することによって指導内容を明確にし, 個々に応じた学習支援を行っていく必要があることがわかった。

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  • 伊藤 まり, 大石 直樹, 小川 郁, 田路 正夫
    59 巻 (2016) 6 号 p. 653-659
    公開日: 2017/04/22
    ジャーナル フリー

    要旨: 近年, テレビや書籍等メディアを通して, 補聴器を用いた耳鳴の音響療法に対する関心が急速に高まり, 補聴器による TRT (Tinnitus Retraining Therapy) (以下 TRT) が浸透した。 今回, 平成24年4月から平成26年3月まで新百合ケ丘総合病院耳鳴難聴外来を受診した耳鳴患者94例 (男52例女42例) のうち, 補聴器による TRT を継続し得た症例: 継続例24例 (男17例女7例), 補聴器による TRT を継続し得なかった症例: 非継続例31例 (男15例,女16例) を対象とし, 補聴器による TRT を継続し得た症例 (以下継続例) と, 継続し得なかった症例 (以下非継続例) の初診時所見や経過につき比較検討した。 耳鳴の評価としては THI (Tinnitus Handicap Inventory), VAS (Visual Analogue Scale) (1日のうちで耳鳴の気になる時間%), HHIA (Hearing Handicap Inventory for Adults) を施行した。
     今回の我々の統計では TRT 非継続例では継続例と比較し初診時 THI が有意に高値を示し, THI 重症例ほど効果が出づらい可能性があると考えられた。 以上より THI 高値の難治症例では TRT 通院間隔を短くする観察期間も長く取る等診察の回数を増やすことにより利得調整や TRT のカウンセリングの機会を増やす必要性が示唆された。

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