中四国地方おける広島県の淡水魚類相の生物地理学的な位置づけを明らかにするために, 広島県内を流れる6水系 (芦田川, 沼田川, 黒瀬川, 太田川, 小瀬川, 江の川) に, 広島県周辺地域の旭川・高梁川 (岡山県), 錦川・佐波川 (山口県), 斐伊川 (島根県), 重信川・肱川 (愛媛県) の7河川のデータを加えて, 13河川にみられる淡水魚類相の種組成をもとにクラスター分析を行った. その結果, これらの河川は4つのグループに分けられた. これらのグループと地理的な位置との関連から, 中四国地方における大規模河川の淡水魚類相は地史的な影響を強く受けていることが示唆された.
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