ビジネス・ブレークスルー大学レビュー
Online ISSN : 2434-9607
Print ISSN : 2188-5478
3 巻
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  • 石井 貴春
    2016 年 3 巻 p. 99-117
    発行日: 2016年
    公開日: 2020/04/02
    ジャーナル フリー
    本研究では、制度構築が海外直接投資流入をもたらし、経済成長率を促すという仮説を検証する。また複数の制度変数を利用した場合の推定結果の比較、広範囲な法制度安定性が重要であるのか、具体的な条文が海外直接投資流入に重要であるか検証した。 検証の結果、(1)制度構築が海外直接投資流入をもたらし、経済成長率を促す(2)複数の法制度指標の違いに関わらず頑健な結果を得られる(3)法制度の中でも、資本勘定規制の緩和という具体的な法律が海外直接投資流入に影響を与え、経済成長をもたらす(4)広範囲な法制度安定性の上昇と資本勘定規制の緩和が共に実現することが、海外直接投資を促進し経済成長をもたらす。つまり財産権保護を含む広範囲な法制度の安定性に対する政府や司法への投資家や民衆の信頼が、現実に海外直接投資の流入をもたらすことが確認された。(5)海外直接投資の流入こそが経済成長には重要であるが、制度要素の中で、特に法制度能力の向上が海外直接投資の上昇を通じて経済成長をもたらす効果が大きいという結果を得た。 海外直接投資を考える海外投資家にとって直接的に影響を与える指標である資本勘定規制と、国内在住の人たちの法順守の度合いをあらわす法制度の指標が共に重要であることは、資本勘定規制の緩和だけで海外直接投資流入が十分に促進されるのではないことを示す。海外直接投資流入をさらに促進させるには、国内在住の人たちの法順守の度合いが高い必要があることを意味する。つまり、海外直接投資の流入は、法治国家の成熟をつうじて、経済成長がもたらされる。
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