データ分析の理論と応用
Online ISSN : 2434-3382
Print ISSN : 2186-4195
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論文
  • 菅沼 健司, 亀田 制作
    原稿種別: 論 文
    2024 年 13 巻 1 号 p. 5-15
    発行日: 2024/09/01
    公開日: 2024/10/30
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    本稿では,わが国におけるオルタナティブデータを用いた経済研究のサーベイを行う.経済研究におけるオルタナティブデータの活用と研究の発展に大きな弾みがついたのは,2020年以降の新型コロナの流行下であった.ナウキャスティング,経済行動・経済構造の変化の把握,政策効果の計測・評価など,幅広い分野で多くの研究が進み,変動の激しい時期の経済分析には,とりわけオルタナティブデータが有用であることが示された.もっとも,その後は新型コロナ関連以外の分析も増えるなど,研究分野は広がりつつある.一方で,オルタナティブデータ活用の課題として,とくにデータの信頼性の観点からは,基本的な性質や公式統計との関係性についての知見がまだ足りない点,標本抽出・標本設計の適切性を確保するための取り組みが必要な点などを指摘することができる.

  • 齋藤 恭之, 高橋 肇一, 江口 達也, 石本 登志男, 四登 敬, 大﨑 浩義
    原稿種別: 論 文
    2024 年 13 巻 1 号 p. 17-29
    発行日: 2024/09/01
    公開日: 2024/10/30
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    朝日新聞社は,戦後間もない1955年から全国規模選挙情勢調査を始めた.当初は面接方式による調査だったが,その後,電話,RDD,インターネットと調査手法が変わってきている.現在は国政選挙では電話(固定・携帯併用RDD)とインターネットのハイブリッド方式になっている.この論文では,選挙情勢調査の歴史をたどり,現在の方式を説明する.また,選挙調査として1990年代から実験的に行われており,現在は選挙には欠かすことのできない出口調査の手法に関しても説明する.

  • 佐藤 邦弘, 光廣 正基
    原稿種別: 論 文
    2024 年 13 巻 1 号 p. 31-44
    発行日: 2024/09/01
    公開日: 2024/10/30
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    マーケティング・リサーチの分野では,従来の市場調査の領域に加え,デジタルデータ分析の領域も必要とされ,多種多様なデータを活用するインサイトビジネスが拡大している.デジタルデータ分析で利用されるビッグデータはリアルタイムに収集でき,アンケートによる実態調査の代替となることが多い.一方で,あるテーマに対する興味関心度を把握するためには,アンケートによる意識調査が有効な手段である.しかし,年次で実施されることが多い意識調査において,リアルタイム性を高めるために調査回数を増やしたとしても,回答負荷やコストの大きさから日次での継続的な実施は難しく,月次でさえも不向きである.そこで,入手しやすいWikipediaデータに着目し,個人の興味関心が反映されたデジタルデータとしての有用性を調べる.本論文では,データの種類と場所の観点からWikipediaデータの位置づけを整理し,Wikipediaページへのアクセス数の変化を可視化する方法を提案する.この方法により,コロナ禍で生活者が興味関心を持った記事ページへのアクセス数から世の中の意識変化を把握する.行動データとしてではなく,意識データとしてのWikipediaデータの役割を示す.

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