データ分析の理論と応用
Online ISSN : 2434-3382
Print ISSN : 2186-4195
4 巻, 1 号
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論文
  • —ソフトドリンク間のブランドスイッチングの分析—
    岡太 彬訓, 横山 暁
    原稿種別: 論 文
    2015 年 4 巻 1 号 p. 3-15
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2020/04/02
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    多層クラスター分析法は,あらかじめ想定しておいた複数の層からなる階層クラスター構造のクラスターに対象を所属させるクラスター分析法である.本稿では,実データの分析を通じて多層クラスター分析法を評価する.すなわち,多層クラスター分析法を用いて,8つのソフトドリンクについて,消費者が購入したブランド(銘柄)の変更を表すブランドスイッチングデータを分析する.分析で得られた結果は2つのグループの差,すなわち,第1のグループはダイエットでないコーラ味のブランドであるCokeとPepsiという2つのブランド,第2のグループはそれ以外のブランド(全てのダイエットブランドとダイエットでないレモンライム味のブランド)が消費者のブランドスイッチングにおいて最も重要であることを明らかにした.これは,2つのグループの差異を強調したマーケティング戦略が必要であることを示唆しており,多層クラスター分析法がブランドスイッチング行列という実際のデータを分析する上で有用であることを示している.ブランドスイッチング行列を多層クラスター分析法により分析した場合には,非対称多次元尺度構成法や非対称クラスター分析法により分析した場合のように,ブランドスイッチングの非対称関係を直接表現することはできない.一方,多層クラスター分析法による分析は,ブランドスイッチング元のブランド違いに基づいたブランドスイッチング先のブランド間の関係を表現することができる.これは,商品陳列などに有用な情報をもたらすと考えられる.

  • 中山 厚穂, 増田 純也, 鶴見 裕之
    原稿種別: 論 文
    2015 年 4 巻 1 号 p. 17-41
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2020/04/02
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    本研究の目的は,ソーシャルメディアの1つであるTwitter上の新製品についての話題を分類しその時系列的な変化をとらえることにある.そのため,Twitter上の新製品についての書き込みデータを収集し分析を行った.近年,Twitterは利用者を急激に増やしており,市場動向をとらえるソーシャルリスニングのためのツールとして注目されている.本研究では,そのようなTwitterにおける新製品についての書き込みを分析対象として新製品発表からの時系列に沿って,どのような内容がどのようなタイミングで書き込まれているのか,また企業のコミュニケーション戦略とツイートの関連性はどのようになっているのかということを明らかとすることを目指して研究を行った.Twitter上の新製品についての話題を分類するための分析では非負行列因子分解を用いた.その結果,話題の分類と時系列的な変化,また企業のコミュニケーション戦略との関連性をとらえることができた.

  • 松井 佑介, 小宮 由里子, 南 弘征, 水田 正弘
    原稿種別: 論 文
    2015 年 4 巻 1 号 p. 43-55
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2020/04/02
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    本論文では,関数データにおける部分的な特徴を考慮した「移動関数k-means法」を提案し,実際の適用例を通してその有効性を示す.具体的には,従来の関数データクラスタリングのように定義域を固定せずに,部分的な区間を逐次的に移動させながら関数クラスタリングを行う.また本手法を,福島県における空間線量率を測定した大規模センシングデータに適用し,従来手法では検出しにくいようなクラスターの同定に対して有効であることを示す.

  • —ブランド価値の分布の歪みの分析—
    豊田 秀樹, 池原 一哉, 吉田 健一
    原稿種別: 論 文
    2015 年 4 巻 1 号 p. 57-77
    発行日: 2015/03/01
    公開日: 2020/04/02
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    本研究の目的は,3 次までの積率を明示的にかつ独立に特定できる確率分布を構成することである.非対称正規分布の母数に変換を施して,平均・分散・歪度を直接パラメタライズできるように新たな確率密度関数を構成する.3 次までの積率を独立に特定することで,(1) 統計モデルの一部として組み込んだ際に,直接歪度を推定すること,(2) 潜在変数(因子)の歪度を直接推定すること,(3) 群間で歪度を比較することが可能となる.非対称正規分布とχ2 分布に関するシミュレーション研究により,母数の推定における妥当性が確認された.また,歪度が観察されやすいブランド価値データに提案手法を適用した結果,集団間での3 次までの積率の違いを細かく比較できることが示された.母数推定には,マルコフ連鎖モンテカルロ法によるベイズ推定を用い,サンプリング手法にはハミルトニアンモンテカルロ法を利用した.

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