データ分析の理論と応用
Online ISSN : 2434-3382
Print ISSN : 2186-4195
5 巻, 1 号
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論文
  • 山田 実俊, 山本 義郎
    原稿種別: 論 文
    2016 年 5 巻 1 号 p. 3-15
    発行日: 2016/03/01
    公開日: 2020/04/02
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    アンケート調査において,複数回答の質問について年代や性別,出身地などに関する個人の属性や特定のグループ関連について考察する際に,アソシエーションルール分析と対応分析を用いた可視化方法を提案する.

    本論文では属性を条件部に設定したアソシエーションルール分析を用いて属性に特化した特徴を抽出するルール抽出とその可視化を行った.また対応分析を用いて属性と質問項目の関係をマッピングすることで,グループ間の質問項目の反応の関連・相異を把握することが可能な可視化を提案し,アソシエーションルールの可視化の改良を行った.

  • 西里 静彦
    原稿種別: 論 文
    2016 年 5 巻 1 号 p. 17-25
    発行日: 2016/03/01
    公開日: 2020/04/02
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    1996年,カナダのバンフで開かれた計量心理学会の会長演説で,その時点における数量化の問題点を拾い上げた(Nishisato, 1996).それからおよそ20年,問題は解決したか? 現時点に立って,もう一度落穂ひろいを試み,自説を繰り広げたい.数量化理論の基本的構造は双対の関係であり,独特な研究対象は行変数と列変数の同時解析にある.この独特の問題は従来の最小二乗法的アプローチでは解決できない問題をもたらす.最たる問題は行変数と列変数の多次元グラフの問題で,これは今でも未解決である.本文ではこれに焦点を当てて議論を進めたい.数量化の問題は探索的データ解析に不可欠な根本的理解を必要とするもので,カテゴリーデータの数量化に対応する量的データの主成分分析を理解するだけでは不十分なほど大きな問題を抱えている.というのは「数量化が変数間の相関行列の主成分分析と被験者間の相関行列の主成分分析を同時に解析することを趣旨としている」というのが筆者の立場であり,「双対」を主張してきたからである.この一見複雑な数量化の問題も,常識で十分理解できるように思われる.数式化に追われず,課題の根本的理解から始めよう.本文では,数量化の歴史で絶えず問題点として浮上した行変数,列変数の同時多次元グラフ問題に対する解決の案を再訪したい.

  • —Likert 型項目の探索的分析のための新たな手続き—
    村上 隆
    原稿種別: 論 文
    2016 年 5 巻 1 号 p. 27-47
    発行日: 2016/03/01
    公開日: 2020/04/02
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    本研究は,多重対応分析(MCA)の解を,斜交回転した負荷行列を生み出す主成分分析(PCA)の結果として解釈可能な形に変換するための一方法を提案する.MCAの各変数に対応する個別数量化得点を正規直交化することにより,MCAの定式化がPCAのそれに変換される.さらに,カテゴリーに付与される重みの不定性を利用して,正規直交多項式による数量化を行い,得られた変量に回転をともなうPCAを適用する.以上の手続きは,MCAに対して許容される変換の範囲にあることが示される.実データの分析を通じて,Likert尺度の通常の用法について一定の正当性が示されるとともに,評定尺度に関する新たな情報を引き出す可能性が示される.

  • 津田 高治
    原稿種別: 論 文
    2016 年 5 巻 1 号 p. 49-66
    発行日: 2016/03/01
    公開日: 2020/04/02
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    将来に生起するであろう事象をインターネット等に存在する情報ソースをもとに予測する研究は多数なされているが,情報ソースの多様性などから単一ないし少数の情報ソースで事象を説明や予測している場合が多い.しかし,内容的に異なる大量の膨大なデータを利活用して予測するという点からは,十分な研究がなされていない.このような研究のためには様々な情報ソースの特徴や相互間の対応関係などの評価が必須である.そこで,本論文ではニュースについて事象の事実を伝える情報ソース,各種ソーシャルメディアを事実に対する評価を掲載する情報ソースとして位置づけ,それら複数の情報ソースの数量的な特徴の把握と対応関係を明らかにする.そのための方法として,まずインターネット上の情報を分類し,その項目と主観的評価をもとにした分類を用いて対応関係などを明らかにする方法を提案する.また特徴のある項目を抽出する手法をも提案する.実データとしてトヨタ自動車に関する情報を分析した結果,個々の情報ソースが時系列的・内容的変化でよく特徴付けられていること,特徴ある変化を示す個別の項目が当該企業の状況を反映していることが明らかになった.

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