美味技術学会誌
Online ISSN : 2186-7232
Print ISSN : 2186-7224
15 巻, 2 号
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論説
論文
  • 吉岡 優, 勝野 那嘉子, 西津 貴久
    2017 年 15 巻 2 号 p. 5-14
    発行日: 2017/01/31
    公開日: 2018/10/15
    ジャーナル フリー
    玄米を発芽させるとγ-アミノ酪酸(GABA)の増加に伴って不快臭も生成する。そこで岐阜県産コシヒカリを用いて,加温処理の温度および時間が発芽玄米の香気成分組成に及ぼす影響について検討し,発芽条件の異なる玄米のGABA含有量と揮発性成分を分析した。その結果,加温処理時間が長くなるに従い香気成分の種類および量が増加することを確認した。また温度が高くなるに従って短い加温処理時間でGABA含有量が増加し,香気成分の量も増加傾向が認められた。しかしながら60℃加温処理条件では香気成分の生成が抑制されていた。各処理条件における香気成分組成が異なることから,加温処理条件を変えることでGABAの増加と香気特性の改善が期待できる。
  • 横野 一歩, 渡邉 義之, 高津 地志, 藤田 明子, 岡田 芳治, 野村 正人
    2017 年 15 巻 2 号 p. 15-20
    発行日: 2017/01/31
    公開日: 2018/10/15
    ジャーナル フリー
    2013年度に4つの異なる国で収穫された15銘柄の米を精米後に炊飯し,それぞれに含まれるオリゴ糖含有量を分析した。また,米飯の食味品質を総合的に評価する分析装置である食味鑑定団を用いて食味評価を行ない,オリゴ糖含有量と食味との関係について検討した。その結果,オリゴ糖含有量は米飯の食味に寄与し,米飯の硬さと負の相関関係があることが示された。
  • 山口 心美, 栗屋 直子, 中嶋 名菜, 北野 直子, 松添 直隆
    2017 年 15 巻 2 号 p. 21-28
    発行日: 2017/01/31
    公開日: 2018/10/15
    ジャーナル フリー
    食味向上という観点から100ºC以下の低温度帯での加熱に着目し,それらがミニトマトの果実成分に及ぼす影響を調査した。特に食味に関する成分に焦点をあて,糖,有機酸およびアミノ酸をHPLCにより定性・定量した。糖のうち,90℃-10 minおよび90℃-15 minで加熱した場合に,スクロースが有意に増加した。一方で,グルコースおよびフルクトースの減少は見られなかった。有機酸であるクエン酸とリンゴ酸は,加熱処理に対して同様の変化を示し,70ºCの処理区で最小値であった。食味に重要な役割を果たしているグルタミン酸とアスパラギン酸の比は有意に変化しなかった。これらのことから,トマトの食味に関与する成分である糖および有機酸は,加熱温度や浸漬時間によって影響されることが明らかとなった。さらに,加熱温度の違いによって食す際に甘味や酸味が変化する可能性が示された。
シンポジウム講演
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