バイオフィリア リハビリテーション学会研究大会予稿集
Online ISSN : 1884-8699
ISSN-L : 1884-8672
第19回バイオフィリア リハビリテーション学会
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大会長挨拶
  • 滝沢 茂男
    p. 1-
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/07/22
    会議録・要旨集 フリー

     本年、「経験を科学へ」を表題に「第12回国際バイオフィリアリハビリテーション学会(IBRC)、公開市民講座とワークショップ」と「第19回バイオフィリアリハビリテーション学会、公開市民講座とワークショップ」(IBRC-BRC)の合同学会を開催するにあたり、関係者を代表してご挨拶申し上げます。

     21世紀は人類高齢化の世紀です。社会の高齢化は世界中で進み、特に日本人の平均寿命はすでに80歳以上で、超高齢社会であり、最長寿国の一つになっています。この超高齢社会を持続可能にするためには、高齢者の次世代への依存を減らす事が重要です。高齢者が障害を克服し自立生活を続ける事、介護や医療の必要量を減らす事、さらには社会貢献を続けることが重要です。その実現により社会保障費の増大などがもたらす社会崩壊(Aging Crisis)を防げます。

     我々は持続可能な超高齢社会を実現するために、リハビリテーション医学再構築を目指してきました。1993年に21世紀リハビリテーション研究会を設立し、さらに21世紀を迎えるに当たり、1998年にバイオフィリアリハビリテーション学会と改称し、2000年に最初の学術会議を開催しました。その後2001年に国際活動の準備を始めました。準備活動の甲斐があり、2002年に北マリアナ諸島政府と共同開催で最初の国際学会を開催しました。私の基調講演は「超高齢社会を持続可能にするための新たな文明の構築」と題するものでした。このように、19回の国内学会・12回の国際学会を重ね、リハビリテーション医学再構築の基礎を築いてきました。又持続可能な超高齢社会を実現する為の諸提案を行なってきました。

     我々は人の持っている潜在力によって脳の働きを活性化して、人々の身体機能を再取得する事を目指しました。2000年からこの点に着目した研究費申請を繰り返してきた事は忘れられません。リハビリテーション医学の中核概念「障害の受容」を「障害の克服」へ転換することこそ「2002年北マリアナ諸島政府共同開催学会」の基礎でした。学会名掲げるに「バイオフィリア」は、このプロセスの実現による高齢者の社会貢献と自立を期待して、米国の哲学者フロムの「希望の革命」序文から名付けたものです。

     我々の研究は超高齢社会を持続可能にするためのものです。単にリハビリテーション医学ばかりではなく、広領域の研究で、医学、工学、経済学、社会学、および行政の分野に及んでいます。今学会で特別講演をお願いした横浜国立大学高田一教授は工学、当会の牛澤賢二理事は社会学そして座長をされる尾澤潤一氏は行政に関連しています。また本年は甘利明経済再生大臣と清家篤慶應義塾大学塾長からご祝辞をいただきました。我々は、IBRC-BRCが、超高齢社会を持続可能なものにしたいと願う世界中の研究者・実務者の皆様に、実りある会議になると確信しています。

     ご参加の皆様、インターネット視聴の皆様にとり、充実した学会になる事を祈念致します。終わりになりますが、ご祝辞をいただいた経済再生大臣(健康・医療戦略担当)甘利明閣下と学校法人慶應義塾塾長清家篤先生に心から感謝申し上げます。

     以上開催関係者を代表してのご挨拶とさせて頂きます。

祝辞
  • 甘利 明
    p. 2-
    発行日: 2015/10/22
    公開日: 2017/07/22
    会議録・要旨集 フリー

     この度は、「第12回国際バイオフィリア リハビリテーション大会・公開市民講座・研修会」及び「第19回バイオフィリア リハビリテーション学会・公開市民講座・研修会」合同開催、誠におめでとうございます。

     政府では、成長戦略の実現に向けた重要な取組みの一つとして、昨年、健康・医療戦略を策定致しました。我が国が世界最先端の医療技術・サービスを実現し、健康寿命世界一を達成するとともに、それにより医療、医薬品、医療機器を戦略産業として育成し、日本経済再生の柱とすることを目指しております。

     健康長寿社会の実現のためには、生活におけるQOL・ADLの向上や回復が大変重要なテーマです。そのためにはリハビリテーション医学の発展は不可欠なものであります。臨床現場のニーズに立脚した革新的なリハビリテーションを提案し、在宅で自律的なリハビリを可能にしたいと考える貴学会の活動は、極めて有意義なものと考えます。

     また、医療の国際展開は日本の健康・医療戦略の中で大きな柱であります。医療の発展に意欲を持つ国と連携し、新しい医療技術やサービスの向上・普及を進めることは、日本にとっても大変重要なことです。貴学会が提唱される革新的なリハビリテーション医学に基づく技術やサービスを、高齢化が進む各国に展開する可能性にも期待しております。

     最後になりましたが、今回の合同開催を通じ、バイオフィリア リハビリテーション研究のますますの進展を期待申し上げて、私からのご挨拶といたします。

  • 清家 篤
    p. 3-
    発行日: 2015/10/22
    公開日: 2017/07/22
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     第12回国際バイオフィリア リハビリテーション大会及び第19回バイオフィリア リハビリテーション学会が「脳機能活性化を実現する技術革新と自律的リハビリテーション(以後リハ)の提案」をメインテーマとして、掲題手法確立のために、慶應義塾の共催で、日吉、矢上とSFCの3会場において開催されます。

     滝沢茂男大会長は慶應義塾の卒業生であり、田中敏幸実行委員長は大学理工学部の教授です。開催にあたり慶應義塾を代表してお祝いを申し上げます。

     本学会活動は各国国民の福祉の向上に貢献することから、各国政府から高く評価されています。

     自律リハ手法の提案に関し、「経験」から「科学」へ昇華する事を期して、これまでの19回開催の歴史の中で、慶應義塾では5回の大会が開催され、国際ワークショップは三田図書館旧館において開催されたとのことです。慶應義塾関係者の関与が、学会活動に寄与しているとまことに喜ばしく受け止めています。

     リハ医学は施設基準・配置基準による診療報酬システムを多年用いてきました。これは医学に求められる治癒を基準にしない考え方で、違和感を覚える医師も少なくなかったといわれています。今般、これらの基準に加え、「回復度基準を用いる」との中央医療審議会の動きもあるとうかがっています。またWHOによるリハ医学向上の取り組みも始まっているようです。

     学会メンバーは、武藤佳恭環境情報学部教授を代表者とする科学研究費取得により、脳機能を対象に解剖学的機能損傷の「回復・克服」機序の研究を進めています。

     歴史的には、ニュートンの万有引力の発見が、リンゴの落果から見いだされた様に、経験的事象がより進んだ科学的事象の説明、理論化そして科学の進歩への足がかりとなったこともよくありました。

     本大会では、世界各国から研究者が集い、リハ医学における脳機能活性化を実現する技術革新と自律的リハの実施推進による、高齢障害者の機能回復実現に取り組まれます。

     高齢障害者の機能回復実現は高齢者の自立を意味しており、学会活動の成果で超高齢社会を持続可能にする大きな可能性を秘めています。

     本学会が、科学の進歩に大きな成果を上げ、世界人類に大きな福音になることを祈念して、祝辞と致します。

挨拶
  • 田中 敏幸
    p. 4-
    発行日: 2015/10/22
    公開日: 2017/07/22
    会議録・要旨集 フリー

     2015年に開催される第19回大会の実行委員長をお引き受けすることになりました。私の研究分野は医用画像解析・画像計測です。医療現場における診断支援システムとして、fMRI、fNIRS、X線CTなど最先端の技術を利用した装置が開発されており、それにより診断の精度は格段に上がっています。しかし、高齢化社会となった近年では、医師一人あたりの負担は減っていないように思います。医師の負担軽減のためには、画像解析を中心とした新しい支援システムが必要不可欠と考えています。

     リハビリの分野でもすでに、一人の患者に対して理学療法士が1対1で対応する現在のシステムに限界が生じています。高齢化社会では、一人の理学療法士が複数の患者に対応する新しいリハビリシステムが必要になります。また、同じように体が動かない患者でも、患者一人ひとりについて脳の損傷部位が異なるので、リハビリに利用する器具を変えていく必要があります。脳機能計測なども併用して、脳のいろいろな場所をピンポイントで刺激する新しい器具の開発も必要です。新医療システムの提案・器具の開発・在宅リハビリのシステム設計、これらを有機的に結びつけることによって、次世代のリハビリシステムが完成していくと考えています。

     研究発表と交流を通じて、第19回大会がリハビリの分野での新たなイノベーションを興す機会になればと思います。

  • 「高齢者や障害を持つ方に幸せをもたらすリハビリテーション」
    塚田 邦夫
    p. 5-
    発行日: 2015/10/22
    公開日: 2017/07/22
    会議録・要旨集 フリー

     第20回バイオフィリア リハビリテーション学会大会長を仰せつかりました、医療法人社団研医会 高岡駅南クリニック院長の塚田邦夫です。

     障害を持つ方のリハビリテーションは、リハビリ室での運動だけでは効果はなく、主体的に患者自身が毎日実施することで良い結果が出ます。

     バイオフィリアとは、人に愛情を持って接するという意味があるようですが、リハビリテーションにおいては、患者や家族の思いを知り生きる目的や喜びを共有しながら行うことが求められています。

     そして、リハビリテーションの成果も、単に可動域が広がったとか筋力がアップしたという点だけで評価するのではなく、どれだけ生活が改善されたのかで問われるようになってきました。

     本大会では、高齢者や障害を持つ方に幸せを感じて貰えるリハビリテーションとはどのようなものであろうかという点をテーマにして、創動運動(健側運動主導で行うリハビリテーション)を中心に、最新のリハビリテーション理論と実践について研究を発表し、また議論する場を目指したいと存じます。

     これまでの大会と同様に、市民公開講座も設けたいと存じます。そこでは、大会長講演として、褥創(床ずれ)治療をライフワークとし、在宅でのケアを中心に行ってきた経験をふまえ、褥創ケアに絡めて栄養やリハビリテーションのあり方をお話ししたいと思います。

     高岡市は銅器などの伝統産業を持つ古い町ですが、戦災を免れたことからおもしろい町歩きも楽しめます。

     是非高岡までお出かけ下さり、本大会へ多くの方のご参加をお待ちしております。

公開講座 講演
  • リハビリテーション医学の再構築は必然である
    滝沢 茂男
    p. 6-
    発行日: 2015/10/22
    公開日: 2017/07/22
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     慶應義塾大学において国内ではじめて、国内大会と合わせ国際大会を筆者の責任で開催します。

     主題を「経験から科学へ、リハビリテーション医学の再構築は必然である」としました。「障害を得ても自律的な運動による脳への働きかけを通じて、脳に人が持っている潜在力によって、脳を活性化し、人々の身体機能を再度獲得しよう」を実現するため、研究を進めてきました。

     我々の用いている「Biophilia」は、自らの残存機能を利用し、障害された機能を再獲得し、生活を自立するという覚悟やその生活の実際を意味しています。 

     我々の研究は超高齢社会を持続可能にするためのものです。単に医学ばかりではなく、広い領域の研究です。それは医学。工学・社会学そして行政などの広領域・複合領域に及んでいます。研究を通じて高齢者・高齢障害者の自立生活を、さらには社会貢献を継続できるよう努力しています。これにより社会保障経費の増大が招く社会崩壊を防いで超高齢社会を持続可能にできると確信しています。

     本稿で、我々の目標実現に向けた活動ご理解をいただきたいと願い、これまでを振り返ります。

  • 田中 敏幸
    p. 7-8
    発行日: 2015/10/22
    公開日: 2017/07/22
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    日本では,近年の高齢化による脳卒中患者が増加に伴い,従来のリハビリテーションシステムに代わって,器具を導入して一人一人の患者が能動的にリハビリを行う新しいシステムが必要とされている.新リハビリシステムでは,理学療法士がつけるスコアだけでなく,脳機能の計測などによって麻痺改善の状態が客観的にわかるようにしたい.リハビリ時の脳機能脳計測によって,脳の損傷した部位がどのような状態にあるのかなどの情報を得ることにより,さらに効果的なリハビリ手法やリハビリ器具の開発ができるものと期待される.リハビリ時の測定ということを考えるとfNIRSを用いるのが最適であるが,fNIRSでは特に脳の深さ方向の情報に大きな誤差が含まれる.リハビリに必要な脳機能計測を行うためには,アルゴリズムを改善する必要がある.

  • 白澤 卓二
    p. 9-
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/07/22
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    アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経疾患では、神経細胞がアポトーシスを起こし神経再生は起きないと考えられてきた。しかし、海馬や大脳脂質には神経幹細胞が存在し神経変性疾患でも神経再生が起きる可能性が探索されている。最近の研究では、運動や社会的活動などのいわゆる豊かな環境で神経幹細胞が活性化することが報告されている。講演では、アルツハイマー病のモデルマウスを豊かな環境で飼育することによりアルツハイマー病の発症が遅延した報告やフィンランドで食事、運動、ライフスタイルの介入研究を行った結果、認知機能の低下を予防できた研究などを紹介して、神経新生とリハビリテーション医学への応用の可能性を考察する。

    本年の学会では講演を英語で行ないます。23日の講演にご参加をお願いします。

  • 高田 一
    p. 10-
    発行日: 2015/10/22
    公開日: 2017/07/22
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    要旨

    リハビリ中の高齢障がい者が使用できる歩行支援機器、ベッド上で使用できるシャワー、介護者の負担軽減のための、ベッドから車いすへの移乗機器について述べる。

    目的

    高齢者の筋力の衰えや関節可動域の減少に伴う歩行能力の低下改善に向けた支援機器の開発を行う。脚の振り上げを支援しているだけでは、脚力が劣ってしまうため、歩行中に自らの脚の筋力も同時に使用するような歩行訓練機型アシスト機器の開発を目指す。これは、軽量で、装着しやすく、自らの筋力を使った機器である。入浴に関して、施設などでは、入浴の回数が制限されているため、ベッド上で使用できるシャワーを開発を目指す。寝たままの状態、あるいは上半身を起した状態で、シャワーと同等の洗浄感、爽快感を持った機器である。また、ベッドから車いすへの移乗は介護者にとって重労働である。それを支援するため、短時間で移乗できる機器の開発を目指す。

    機器

    図1に歩行支援機器、図2にベッド上で使用可能なシャワー、図3に移乗支援機器を示す。歩行支援機器は、脚を鉛直方向から前方に10~30度出したとき(初期角度)にコイルばねの復元力が0になるようにパラメータを調整して実験した。シャワーは、洗浄面を全部覆った際に-1.5~-1.9kPaになるように吸い込み力を調整、水流速は1.8~2.7m/sで実験した。移乗機器は、支柱長さが800mm、胸当ての角度を44度、膝当ての角度を30~60 度で実験した。

    結果

    歩行支援機器では、初期角度が増加するにつれて,股関節の屈曲運動,膝関節の屈曲運動,伸展運動での角速度も増加する傾向にあったが,伸展運動での角速度は減少傾向であった.シャワーでは、ヘッドの形状を変えて実験をおこなった結果、水噴射速度は2.1m/s以上であれば差がないことがわかった。移乗機器では、体重の約14%ほどの引っ張り力で抱きあげることができることがわかった。

特別講演
研究発表 1
  • 大川井 宏明, 賀 静波, 高島 充
    p. 29-30
    発行日: 2015/10/22
    公開日: 2017/07/22
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    日常生活において睡眠の質がわかれば健康の維持や改善に役立つという観点で体動波(BMW:body motion wave)を用いて脈拍数の制御様態を検討した。具体的には分時脈拍数と瞬時脈拍数の推移における両者の関係性に注目した。その結果、分時脈拍数で周期的増減を持つパターンの中に、瞬時脈拍数でみるとある小規模の振幅を持つ揺らぎと大規模の振幅を持つ揺らぎが出現すべき時期に理由をもって出現することがわかった。前者は分時脈拍数の上限と下限を持つある脈拍数範囲に現れるので、この範囲を筆者らはMinute Optimum Pulse Rate Range for Sleep (moPR-S)と名づけた。この範囲を超えると揺らぎの大規模の振幅が現れた。

  • 秋本 眞喜雄, 前田 憲寿, 畑 三恵子
    p. 31-32
    発行日: 2015/10/22
    公開日: 2017/07/22
    会議録・要旨集 フリー

    顔色は健康状態の判断指標の一つとして活用されているが、光源の分光放射特性の違いによって色彩が変化する演色性は介護やリハビリテーション施設の室内照明において重要な要件である. しかし, 近年普及が進んでいる白色 LEDランプは従来のランプと発光原理が異なるため, 肌色の見え方が変化する. 本研究は, 演色性に与える肌色の影響について検討したものである. 演色性評価試験色および数種類の一般家庭用照明ランプを用い, 各試験色を結んだ多角形の色域面積比により演色性を評価する方法を試みた. 従来の演色性評価方法では肌色が日常的な感覚と一致しないことがあるが, 色域面積法は視感と比較的良く対応し, 演色性評価方法としての有用性が示唆された.

研究発表 2
  • 和田 里佳, 立花 敏弘, 滝沢 茂男
    p. 33-
    発行日: 2015/10/22
    公開日: 2017/07/22
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    創動運動の効果を測定する機器が開発され、研究者によって、その効果測定が行われてきた。今般他動運動・創動運動間の臨床試験が準備されている。我々はリハビリテーションの現場で、効果測定を行い、運動量を測定するとともに、身体へ与える影響を血圧・体温・脈拍の変化測定で実施し、2012年に発表した。その際、運動速度、範囲は対象ごとに異なっていたと結果を報告したが、今回は参加者ごとに運動状況を分析したので、報告する。研究結果が今後の実施基準作成の基礎情報となると思われる。

  • 谷中 恵美, 滝沢 茂男, 武藤 佳恭, 田中 敏幸
    p. 34-
    発行日: 2015/10/22
    公開日: 2017/07/22
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    近年, 社会の高齢化に伴い脳卒中患者が増加している. 脳を損傷するとその損傷部位に応じて様々な後遺症が残るが, 損傷部位周辺を活性させると新たな神経回路の構築や機能回復が見込めると報告され, 脳機能計測装置を用いて効果的なリハビリの提案が行われている[1]. 近赤外光を用いて脳機能を計測するNIRS (Near Infrared Spectroscopy) は計測において身体の自由度が高く, かつ非侵襲的であるためリハビリに応用されている. しかし, 空間解像度が悪く脳が活性化した位置を正確に知ることができないという問題点がある. 本研究では, NIRS計測で得られた結果から脳内部の状態を推定することについて考える. 頭部モデルを作製し, 光伝播シミュレーションソフト(NIRFAST)を用いて減光度変化を求め, 得られた減光度変化の結果から脳活動位置の3次元推定を行う. そして, 3次元推定方法を工夫することで推定精度の向上を目的とする.

  • 坂本 真梨子, 滝沢 茂男, 武藤 佳恭, 田中 敏幸
    p. 35-36
    発行日: 2015/10/22
    公開日: 2017/07/22
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     NIRS(Near-infrared spectroscopy)は,脳卒中発症後のリハビリ時における脳機能計測機器として期待されている.しかし,脳賦活に無関係な頭皮血流変化の影響を大きく受ける問題点がある.そこで本研究では,光伝搬シミュレーションソフト(NIRFAST)を用いて,頭皮と脳の血流変化がNIRS信号に及ぼすそれぞれの影響について検証する.その結果をもとに,NIRSの原理であるModified Lambert-Beer則[1]を組み直し,2つのプローブ間隔を用いて頭皮血流を除いた脳賦活のみによるNIRS信号を抽出する方法を検討する.

編集記事 他動運動と創動運動間のランダム化比較試験への参加依頼
  • The Agenda of the Clinical Test Meeting
    (Taki) TAKIZAWA Shigeo
    p. ii-iii
    発行日: 2015/10/22
    公開日: 2017/07/22
    会議録・要旨集 フリー

    At the IBRC 2015, we will carry out the meeting of the randomized controlled trial (RCT) between Motivative Exercise by oneself and Passive Exercise by a physical therapist about the intervention technique of rehab medicine as well as the meeting done last year. We are glad to hold the meeting showing as the result of our previous endeavor.Although the details of enforcement will be decided at a meeting, the members of universities in Romania (agreed this year) and Italy (agreed last year) decided to join the RCT until today.The mechanism clarification of the motivative exercise is progressing about the cerebral function. Both of the cerebral function study and the RCT will conduce to the restructuring of the Rehabilitation medicine.Since any grant is not obtained at present, the RCT will be carried out at the burden of each participating institution. The devices are offered by the IBRA. However, please shoulder the mailing cost.

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