第12回国際バイオフィリア リハビリテーション大会及び第19回バイオフィリア リハビリテーション学会が「脳機能活性化を実現する技術革新と自律的リハビリテーション(以後リハ)の提案」をメインテーマとして、掲題手法確立のために、慶應義塾の共催で、日吉、矢上とSFCの3会場において開催されます。
滝沢茂男大会長は慶應義塾の卒業生であり、田中敏幸実行委員長は大学理工学部の教授です。開催にあたり慶應義塾を代表してお祝いを申し上げます。
本学会活動は各国国民の福祉の向上に貢献することから、各国政府から高く評価されています。
自律リハ手法の提案に関し、「経験」から「科学」へ昇華する事を期して、これまでの19回開催の歴史の中で、慶應義塾では5回の大会が開催され、国際ワークショップは三田図書館旧館において開催されたとのことです。慶應義塾関係者の関与が、学会活動に寄与しているとまことに喜ばしく受け止めています。
リハ医学は施設基準・配置基準による診療報酬システムを多年用いてきました。これは医学に求められる治癒を基準にしない考え方で、違和感を覚える医師も少なくなかったといわれています。今般、これらの基準に加え、「回復度基準を用いる」との中央医療審議会の動きもあるとうかがっています。またWHOによるリハ医学向上の取り組みも始まっているようです。
学会メンバーは、武藤佳恭環境情報学部教授を代表者とする科学研究費取得により、脳機能を対象に解剖学的機能損傷の「回復・克服」機序の研究を進めています。
歴史的には、ニュートンの万有引力の発見が、リンゴの落果から見いだされた様に、経験的事象がより進んだ科学的事象の説明、理論化そして科学の進歩への足がかりとなったこともよくありました。
本大会では、世界各国から研究者が集い、リハ医学における脳機能活性化を実現する技術革新と自律的リハの実施推進による、高齢障害者の機能回復実現に取り組まれます。
高齢障害者の機能回復実現は高齢者の自立を意味しており、学会活動の成果で超高齢社会を持続可能にする大きな可能性を秘めています。
本学会が、科学の進歩に大きな成果を上げ、世界人類に大きな福音になることを祈念して、祝辞と致します。
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