バイオフィリア リハビリテーション学会研究大会予稿集
Online ISSN : 1884-8699
ISSN-L : 1884-8672
第21回バイオフィリア リハビリテーション学会
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ご挨拶
  • 創動運動によるリハビリテーション医療確立に向けて - 介護保険現場の理学療法士としての立場から
    和田 里佳
    p. 1-
    発行日: 2017/08/26
    公開日: 2017/08/23
    会議録・要旨集 フリー

     高齢者がいくつになっても、又これまでなら障害者と言われるような身体状況になっても活躍できる(自分のことは自分でできる)社会でなければならない。この学会はそうした視点で多年、創動運動(器具を用い健側主導による両側同方向運動による患側受動運動)を中核としたタキザワプログラムによる、自律リハ手法を導入した施設の追跡研究を行ってきました。その結果、3割を超える寝たきり状態の患者(利用者)が歩行を再獲得するという成果を明らかにしてきました。この手法をリハビリテーション(リハ)医療に取り入れることは非常に重要であると考えております。

     私は勤務している施設で、タキザワプログラムを統合したリハを多年実施しています。その実際を多年にわたり研究に提供し、ともに研究を進めてきました。そうした実績ゆえか、2017年に横浜で開催する大会に大会長を務めるよう推薦を頂きました。そうした事実や、歩んできた足跡を皆さんにお知らせすることも責任の一つと覚悟して、大会長をお引き受けしました。

     これまでの大会を振り返ると、効果のあるリハ医療の実態の解明、その検証、さらにはその状況を可能にする機序の解明としての脳可塑性等の検証を進めてきました。この研究成果を踏まえ寝たきり患者がどうして立ち上がることができたか、今後の超高齢社会での介護負担軽減や自立の助けとなる可能性はあるのかを鑑みて、2017年の大会ではこれからの超高齢社会のリハ医療に求められる医療効果獲得を可能にする提案を広く求め、また私の経験もお伝えしたいと考えています。

     リハ医療は施設基準・配置基準による診療報酬システムを多年用いてきました。セラピストがどういう施設でどの時期に個別に何分治療したかで点数化された報酬(一生懸命治癒を目指した努力の治療もただ漫然とマッサージしていても同じ点数)、これは医学に求められる治癒を基準にしない考え方で、違和感を覚える医師や関係者も少なくなかったことは事実です。

     また個別の治療時間ばかりが点数化されたため、それ以外の時間は転倒したら危険だから極力動かないでくださいと本人の動きたい(治りたい)意思を封印しなければならない医療施設内の事故防止問題があります。その結果治療と同時に廃用も起こってしまい、せっかくの自宅退院後、間を置かず自宅での生活がままならなくなる事例が、施設待ちの列に加わって、ますます施設不足に拍車をかけています。

     この本人の動きたい意思をいかに有効かつ安全に廃用防止につなげるか、虚弱な超高齢者にいかに安全に運動させ生活機能を維持させるか、多くの医業者に提案し考えるための大会にしていきたいと考えています。

     同じような疑問、考え、提案をお持ちの方のご参加を期待し、歓迎します。

  • 田中 敏幸
    p. 2-
    発行日: 2017/08/26
    公開日: 2017/08/23
    会議録・要旨集 フリー

     2017年に開催される第21回大会は医療法人社団立花整形外科の和田里佳先生を大会長に迎え、横浜市のかながわ県民センターで開催することとなりました。和田先生のご専門はリハビリテーション医療であり、これまでに数多くの研究をされています。研究を通して、どのようなリハビリを行うことが患者にとって効果的なのかを、理学療法士の立場から考えて研究を推進しています。また、これまでの国際バイオフィリアリハビリテーション学会において、多数の研究成果を発表されており、今年の大会に素晴らしい大会長を得たと喜んでいます。

     高齢化社会となった近年では、リハビリ科の医師、理学療法士、大学が一体となって、新しいリハビリのあり方を考えていくことが必要不可欠です。

     リハビリの分野ではすでに、一人の患者に対して理学療法士が1対1で対応する現在のシステムに限界が生じています。今後の高齢化社会では、一人の理学療法士が複数の患者に対応する新しいリハビリシステムが必要になります。患者一人ひとりについて脳の損傷部位が異なり、異なるリハビリが必要となるので、それぞれの患者に対して利用する器具を変えていく必要があります。また、それらの器具をどのように用いることが一番効果的なリハビリなのかを考えることも必要です。新医療システムの提案・器具の開発・リハビリのシステム設計、これらを有機的に結びつけることによって、次世代のリハビリシステムが完成していくと考えています。

     研究発表と交流を通じて、第21回大会がリハビリの分野での新たなイノベーションを起こす機会になれば幸いです。

  • 滝沢 茂男
    p. 3-
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/08/23
    会議録・要旨集 フリー

     第21回バイオフィリアリハビリテーション学会大会の開催に当たり、国際学会理事長として、国際学会から心からのお祝いを申し上げます。

     本大会では多年創動運動とタキザワ式を取り入れたリハビリテーションサービスを実践されている和田先生の講演があると聞きます。多くの人の今後のリハ実施に役立つものと期待しています。

     さて、国際学会も14回を迎えます。

    2017年学会はポーランドウストロンで開催され、ワークショップ「バイオフィリア ウストロン」が併設されます。

    またその他にワークショップ「バイオフィリア リガ」が開催されます。このリガ開催については、理事長として強い思いで準備を進めています。

     それは、人類の普遍の価値の創造に関連しています。

     自由・平等・友愛(博愛)は18世紀のフランス革命から生まれました。

    この概念は、ナポレオンの勝利と共に広がったのです。南はリスボン、北はリガに至りました。そしてリスボンとリガでの敗北が端緒になりナポレオン帝政は倒されました。

    しかし倒されたことにより、自由・平等・友愛の概念は世界の規範となったと、私は考えています。

     このことに感銘を受けていたことから、2014年スペイン大会開催時にリスボンを訪ね、ナポレオン軍がそこから撤退したトレス ヴェドラス要塞を視察しました。2017年有名なハンザ同盟の都市で、同軍を撤退させたバルト海の真珠と呼ばれるラトビアのリガでワークショップを開催することになりました。

     今日世界は人口転換の時代を迎え、自由・平等・友愛の概念だけでは人類の幸せを確立することが出来ない時代になっています。

    我々の学会はリハビリ医学の「障害の受容」と「インペアメント」を死語にするべく研究事業を続けています。学会は年々充実し、昨年はWHOの参加があり、今年は4回の会合を開催できます。

     こうした我々の活動が、起爆薬となり、「高齢者の増加が負の要因とならない社会・時代を確立する」こと、すなわち国際学会の英文トップページに示しているように「希望の革命」が出来ると確信しています。しかしそのためには、リハ医学の改革が必要であり、「障害の受容」や「インペアメント」を死語にし、「障害の克服」を可能にしなければなりません。

     この改革にはリハ医療において、介入手法を多様化し、一面では医療から社会技術へ転換できる部分を転換することも含まれています。

     本年の日本学会の和田里佳先生のご講演は、こうした我々の進める手法実践を通じた経験の開示であり、多くの人に役立つものです。

     ご参加の皆様に実り多い大会であることを祈念致します。

  • 森田 能子
    p. 4-
    発行日: 2017/08/26
    公開日: 2017/08/23
    会議録・要旨集 フリー

     思いおこせば当学会の発起人である滝沢茂男さんと知り合ってかれこれ20年近くになる。彼は藤沢で湘南ボーイ、私は生粋の岡山人で、その接点は?っというと第35回日本リハ学会が青森県で開催された平成10年であった。

     丁度家の中で使える便利な歩行器を探して展示会場を歩いていた時に目にとまったのが、知る人ぞ知るあのそり型歩行器!であった。早速気に入って現物を岡山に届けてもらったところ、その歩行器と一緒についてきたのが滝沢さんその人だった。 今思えば我々は同じような発想をしていて波長があったのかもしれない。かくして長い付き合いが始まったわけである。

     彼はいつも真顔でいう。

    「我々の子供の時代が来た時に彼らを年老いた我々の奴隷にしてはいけない。」

     正にこのセリフに当学会の根幹をなす考えが詰まっている。それは医学だけなく社会保障の全体を含んでいるといってよい。

     過去に私の専門であるリハビリテーションに少し風穴を開けようとしているのかなと感じることもあった。

     本心では、リハビリは一体何の成果をあげているのかという喝を飛ばしたかったのかもしれない。

     現にそういったリハもまかり通っていたこともあったので私はそれに反論するつもりはない。それに病院内だけのリハではいずれ行き詰ると常々感じていた。そしてこの数年来医療の守備範囲を超えて地域包括ケアが声高に叫ばれる時代となってきた。医療人だけで完結できる時代ではなくなった今、パタコロ・プーリー・平行棒・そり型歩行器全て母上恭子さん発案の一連の運動を 創動運動;Motivative Exerciseと命名して、老人の寝たきり救済の1手段として強い信念を持って世の中に送り出した。

     自らが自分の力を駆使して自分で運動するためのきっかけ作りを恭子さんは1人で何十人もの患者をみながら生み出していった。現場の必要から生まれた産物である。

     そして様々のジャンルの専門家を仲間に引き込んでこの会を立ち上げた滝沢さん。私もかき集められた1人である。

     医療者としての立場は彼にとっては大きな味方であったに違いない。膨大なエネルギーでMRIやfNIRS等の高度の検査機器を駆使して簡単な機器で脳を活性化することを証明した。

     あまりにも膨大なそれらの実験結果に圧倒されたことも事実である。

     発想の転換は自由な人が起こす。正に老化も麻痺も決められた治療法は無いに等しい。

     これから老後を迎える我々団塊の世代がこの Motivative Exerciseを利用して自分の事は自分で維持していく気持ちになれば依存しない生活を少しでも長くできる。

     日本の隅々まで広まることを願って止まない。

公開市民講座・基調講演
  • 介護保険の現場で働く理学療法士からの立場から
    和田 里佳
    p. 5-
    発行日: 2017/08/26
    公開日: 2017/08/23
    会議録・要旨集 フリー

     バイオフィリアリハビリテーション学会に参加させてもらうようになって単純化されたプログラムを行うことで多人数に均質なアプローチが行え、廃用症候群の塊である慢性期入所者でも立ち上がり、歩行獲得する実例があること1)、自分で行う両側性の動作(創動運動)に神経筋促通法的な効果が期待できる2)、創動運動による筋活動や可動範囲を動かすことにより廃用防止効果が期待できること3)、そして、超高齢社会が間近に迫り、2025年には団塊の世代が後期高齢になるが高齢者が元気で自立していれば負の遺産とならないこと4)を学び、タキザワプログラムを実施し、数々の研究に参加する機会を得ました。

     これまで参加した研究、発表からいえること

    ● 訪問リハでも導入しやすい(安くて比較的場所を取らない)

    ● 慢性期デイケアでもBRS等神経の回復が見られる症例がいる

    ● 両側性の運動による脳の活動賦活効果が期待できる

    ● 運動前後のバイタルサインの変化が少なく、虚弱高齢者にも安全に運動させられる

    ● 創動運動(パタコロ)は運動機能とも相関がみられ、習熟することによる機能改善効果が期待できる

    ● 立ち上がりに必要な筋肉の廃用防止および動作学習に有用

     これらを踏まえて、これから激増する後期高齢者に多く出現すると予想される虚弱高齢者や認知機能の低下による発動性低下のある人々に、安全に運動してもらい、なおかつ介護者の身体的負担となる立ち上がり機能を維持するために安価で安全、省スペースな創動運動が周知され、広まることにより高齢者が自立した生活(自分で立ち上がり在宅生活が自立できる)を維持でき得る方法の一つとしての分析と提案をします。

  • 尾沢 潤一
    p. 6-
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/08/23
    会議録・要旨集 フリー
     日本の社会保障制度の歴史を簡単に俯瞰すると、受益者を限定的としたものを端緒としつつ、近代国家への道のりにおいて先進国の制度を活用し、国民全体を対象とする本格的制度へと進化してきている。たとえば、1960年代の国民皆保険制度はその典型であり、当時の高度成長経済の恩恵もあり、社会保障制度が安定的に運営されてきたところである。

     この大規模な制度は、1970年代のオイルショック、90年代のバブル崩壊など大きな経済変化により、また2000年代に入ってからは、高齢化や人口減少の明示的なマクロ変化により大きな転換点に差し掛かってきている。

     現在、社会保障制度を支える仕組み、財政、組織、関係者のディシプリンなど戦後の日本人の倫理観の喪失を背景としたようなマイナスイメージが強くなってきている。国においても多くの関係者が参画して改革論議が盛んである。受益者においても制度に対する不安が増大している。その一方で、制度を支える現場関係者の努力が著しい。

     大規模な制度であるがために、ポピュリズム的、暫定的な改革が行われている面があることは否めないが、今後50年、100年先を俯瞰し、国は制度設計について国民の理解・信頼を得つつ社会保障制度を運営する責任がある。また、既存の医療、年金、介護などの多くの措置について制度の簡素化や合理化を進めつつ、その利用にあたっての関係者の理性的な対応を求める必要がある。

     本稿では社会保障制度を総括的に紹介し、現状と将来に向けての期待に触れたい。

学会研究発表・一般演題
  • (パタ・コロ測定装置)
    家本 晃, 滝沢 茂男
    p. 7-8
    発行日: 2017/08/26
    公開日: 2017/08/23
    会議録・要旨集 フリー

    1. 開発の歴史

    ・第1段階

     下肢運動機能測定ステーション

     開発時期:1998年 ー 2001年

     開発目的:パタ・コロによる創動運動の動きのデータ収集とその可能性の追求 

     制御およびデータ収集:デスクトップ型PC(パーソナルコンピュータ)に制御用拡張ボードを組み込み、制御・データ収集を一元的に行なう

    ・第2段階

    リハ施設用移動可能パタ・コロ創動運動測定装置

     開発時期:2003年 - 2005年 その後2015年まで利用

     開発目的:リハ施設においてパタ・コロによる創動運動のデータ収集

    データ収集:測定装置に組み込まれたワンチップコンピュータでデータを収集し、

           RS232Cによりノート型PCに転送、動きのグラフ化とファイルへの記録

    2. 今回の開発

    ・第3段階

    独立型RehaDevice

        (次世代への継承機としてパタ・コロ測定装置をRehaDeviceに改称)       

     開発時期:2016年6月-現在に至る

     開発目標:・完全に独立したコードレスな機器

    ・小型軽量・低価格化

          ・LCD・4x4キーパッドによるコマンド装置との対話

    ・bluetoothによる通信

  • 島貫 泰斗, 滝沢 茂男, 田中 敏幸
    p. 9-10
    発行日: 2017/08/26
    公開日: 2017/08/23
    会議録・要旨集 フリー

    既存の研究では、機器を作成し身体評価をおこなってきた。その収集データは、個別に集められ、手動で管理を行っていた。また、高速で動かすとデータをとることが難しかったが、ロータリーエンコーダを使用した機器により、高速に動かしてもデータを精度よく得ることが出来るようになった。そこで、本研究では、デバイスによって得られた身体評価をBluetooth 通信で携帯端末を経由してクラウドにデータの蓄積を行い、データをAI で解析するソフトを開発した。今回、LAN ケーブルを用いた有線通信ではなく、Bluetooth 通信を用いることによって、デバイスの使い勝手をよくした。また、携帯端末を経由させることによって、データ収集を行う当事者の負担を軽減することができる。さらに、集めたデータをクラウドで一元的に管理することで、集めたデータからAI による介護度の判定も可能になると思われる。

  • 滝沢 茂男, 武藤 佳恭, 高田 一
    p. 11-12
    発行日: 2017/08/26
    公開日: 2017/08/23
    会議録・要旨集 フリー

     地域ICT組織によるシステム開発であり、ICTネットワークに組み込むべき下肢創動運動器の開発と自律的リハビリテーションをICTにより施設内および遠隔において実施・管理できるシステムを研究開発する目的で、新たな仕組みのセンサを開発した。そして、そのセンサを取り付けた下肢創動運動器を開発したので、確認した課題と共に、報告する。

  • 森田 能子
    p. 13-
    発行日: 2017/08/26
    公開日: 2017/08/23
    会議録・要旨集 フリー

    【初めに】

     昨年の当学会で パタコロを使ったDVT予防について提案をした。下肢骨折後や麻痺下肢にはDVTのリスクは高いと言われており、それらの疾患を主たる治療疾患とする回復期リハ病棟では転倒リスクを避けるために安全に移動できるまで病棟での生活では車いすを選択する事が多い。認知症があるとその傾向は特に強い。DVTの予防だけでなく治療にパタコロを導入できないかを更に検討した。

    【方法と症例】

    入院患者で大腿骨頸部(転子部骨折を含む)骨折後の患者と脳卒中の患者も対象とした。

    リハビリテーション以外はベッド臥床していない時間は病棟では車いすに乗車していることが多いので、その時間を利用してパタコロを導入した。

    導入にはリハスタッフが当たり、その維持は病棟の看護師・介護士があたった。道具の設定と声掛けを行う。回数や頻度・スピードは症例別にそれぞれに適正なものとし一定とはしていない。運動は簡単であるが、認知症や高次脳機能障害を合併しているケースも多いので自立して使用できる割合は少ないため毎回の導入には手助けが必要であった。

    【結果】

    ワーファリン・NOACなどの投薬を行うだけでなく車いすの乗車時間の長い回復期リハビリテーションではDVTの予防と治療にもっと努めるべきである。それには軽便で高齢者でも認知症でも利用できるパタコロが効果を上げていくことが期待される。

    【考察】

    下腿三頭筋は第2の心臓であるといわれるほど下肢の静脈還流に大きな役割を持っていることは周知のことである。DVTは発症すると肺塞栓を合併するリスクがある。一旦肺塞栓を起こすとその致死率は高く早急な専門的治療が必要である。抗凝固薬のような内服薬だけでなく筋活動を促す効果的な手段としてパタコロに注目をしたい。

  • 權正 健太, 滝沢 茂男, 武藤 佳恭, 田中 敏幸
    p. 14-
    発行日: 2017/08/26
    公開日: 2017/08/23
    会議録・要旨集 フリー

    近年、社会の高齢化に伴い脳卒中患者が増加する傾向にある。脳卒中患者の多くに身体的な麻痺が残るため、その後のリハビリテーションは重要である。リハビリシステムの一つとして、滝沢式リハビリテーション(Takizawa method)と呼ばれているものがあり、高価な医療施設やロボットなどを必要としないことで注目されている。滝沢式も含めてリハビリシステムの評価法の確立は難しく、どのように評価するかは大きな問題となっている。本研究では、滝沢式リハビリで利用されているパタおよびコロというデバイスから得られる足関節角度や移動距離などの情報と、理学療法士が用いている5段階の歩行レベルとを比較することにより滝沢法の評価を行う。パタとコロの運動パラメータの中で歩行レベルとの関係が強いものを抽出してから、歩行レベルと滝沢式リハビリの重回帰分析を行うことにより重回帰式を求め、その結果を示している。

報告
  • 滝沢 茂男
    p. 15-19
    発行日: 2017/08/26
    公開日: 2017/08/23
    会議録・要旨集 フリー

    厚生労働省の平成29年度老人保健健康増進等事業「自立に資する介護に関する調査研究事業」に協力しました。同省からは以下のように目的を明らかにされました。「厚生労働省では、科学的に自立支援等の効果が裏付けられた介護の実現を目指し、平成30年度の介護報酬改定においても、自立支援に向けたインセンティブについて検討することとしています。そこで本事業では、介護の分野において、自立支援等に関してどのような知見がどの程度蓄積されているのかを把握することを目的として、自立支援等に関する科学論文等のエビデンスを情報収集することといたしました。今回の調査で得られた提案は、今後の介護報酬等を検討していく上での貴重な資料となることが考えられます。本事業の趣旨をご理解の上、何卒ご協力をお願い申し上げます。」そして、8件の情報(提案名、内容、エビデンス(対象者、介入方法、比較対象等)、提供に必要な追加費用、論文)を開示しました。これらに関する我々の機序解明研究・研究経過については、要望により回答する旨を通知しました。

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