このバイオフィリアリハビリテーション学会・バイオフィリア研究所の研究は1987年藤沢市において地域訓練会の解剖学的脳損傷を持つ人のみを受け入れると医師会と市の間で協定して設置された地域訓練会の成果を市会議員が確認し始まった。その開始状況を図1に示す。
多年に及ぶ研究の間、多くの研究費支援を国の機関や神奈川県から受けた。その状況は昨年この学会で報告1)した。しかし、その成果を発表するにあたり、例えば、日本リハビリテーション医学会(リハ医学会)、厚生省の研究班やその他の学会により発行された脳卒中治療ガイドラインについて、「患側優先の神経筋促通法(法と略)によるリハビリを見直す必要がある.法の理論や手技は進歩に伴い,片麻痺の改善を期待させるが,診察現場で片麻痺患者を例に40年昔と現在と比較すると,診察結果は昔と変わっていない.法が治療に有効との感じを受けない.」とした内容を、日本のリハビリ医学の草分けとも言える故福井圀彦医学博士(脳卒中最前線の著者)や故木村哲彦国立障害者リハビリセンター病院院長(当時)と筆者の共著で投稿したが、リハ医学会のジャーナルには掲載を許可されなかった。
また研究を積み重ねこのまま現在のリハビリ医療を続けていると要介護者が積み上がって、国の経済や国民の生活に大きな影響を与えると指摘し、それゆえ、リハビリ医療の改革をしなければならないという論文を社会技術論文集に投稿した。社会技術の論文の審査員は2名でうち1名は出版するべきものとした社会技術の関係者で、もう一名はリハビリ医学の関係者で、指摘について、「嘘」と表現した評価で論文発表できなかった。
その状況下で、この学会は、規模が小さくても、我々の研究をしっかりと世の中に提案すべきであるとした研究者たちの集まりからうまれ、そうした意味ある研究を公表できる場として重要な意味を持って来た。
そして先に述べた様に、研究所と多くの大学を通じて、多くの研究費を得て実施してきた研究が認められ、2019年 ISPRM のロングワークショップで、そして2020年日本学術振興会とポーランド科学アカデミーの二国間セミナーで、世界に向け発信することができた。
2021年実施の日本学会と、そして続いて開催される日本語の二国間セミナー報告会でこれまでの研究すべてが報告され、今後過去を振り返る必要がなくなる。
そして今年のこの学会から新しいステージへの飛躍が始まる。
この視点から、リハビリテーション医学のパラダイムシフト-創動運動による障害克服報告会の案内を以下報告する。
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