格子力学系理論における最近の進歩を概観する.とりあげる話題は,パターン形成,空間カオス,分岐パターン,進行波及び伝播停止現象である.さらにモザイク解と呼ばれる平衡状態についても論ずる.モザイク解とは各格子の要素が, +1,-1及び0のみからなる定常状態であり,そのような解の安定性の判定基準も与える.また,任意の安定解に対する空間エントロピーhを定義し,パラメータによっていかにこの値が変化して行くかも考察する.系は,hの値が,0(パターン形成)か正の値(空間カオス)かにより定性的に区別される.
抄録全体を表示