本研究の目的は、ティース(Teece, 2007a)が提示したダイナミック・ケイパビリティ論に関する仮説を検証することである。そのためにホンダエアクラフト社のホンダジェット事業の事例研究に基づき議論する。本研究では、これまで同事業の成功要因として認識されてきた画期的な商品力のみならず、組織内外の資産や資源を共特化の原理のもとダイナミック・ケイパビリティによってオーケストレーションし、これまでの航空機業界の常識とは異なる独自のビジネス・エコシステムとビジネスモデルを創出したことが、ホンダジェットの成功に一定の貢献を果たしていることを示す。
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