武道学研究
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42 巻, 1 号
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原著
  • 中村 充, 田中 稔, 廣瀬 伸良, 菅波 盛雄, 前川 直也
    2009 年 42 巻 1 号 p. 1_1-1_8
    発行日: 2009/07/31
    公開日: 2011/05/31
    ジャーナル フリー
    視機能も多くの生理機能と同様で,加齢に伴いその機能は低下することが明らかにされている。そこで本研究では,青年期から中年期にかけての視機能の加齢変化,および日常での剣道実施習慣が加齢変化に対してどのような影響を及ぼすのかについて検討を行った。測定を実施した8項目は,SVA (static visual acuity), KVA (kinetic visual acuity), DVA (dynamic visual acuity), CS (contrast sensitivity), DP (depth perception), OMS (ocular motor skill), VRT (visual reaction time), E/H (eye/hand coordination) である。
    その結果,次のような知見が得られた。(1)今回測定を行った 8項目は,それぞれが完全に独立しているのではなく互いが影響し合い,特に SVAの適正な矯正によりKVAならびにCS能力の向上が示唆された。(2)非スポーツ習慣群では,加齢に伴いDVA, VRT, E/Hの減弱がみられた。(3)視機能の発達がピークを迎える青年期においては,一般的なスポーツ習慣を有する者と持たない者の間では大きな差はみられない。(4)中年期において,一週間に3回以上の剣道実施習慣は KVA, DVA, VRT, E/Hなどの視機能に対し,加齢によるその機能低下のスピードを鈍化させる可能性が示唆された。
実践研究
  • 木原 資裕, 江口 大祐, 森 明日香, 草間 益良夫, 坂東 隆男
    2009 年 42 巻 1 号 p. 1_9-1_21
    発行日: 2009/07/31
    公開日: 2011/05/31
    ジャーナル フリー
    本研究は,小学校体育における剣道の授業内容と使用用具の検討を行い,簡易試作用具を用いた剣道授業実践を報告するものである。わずか4時間の小学校での授業実践ではあるが,この実践を通して,剣道が使用用具の改良や指導内容の工夫により,小学生の体育授業として,児童の興味関心を喚起し,対人的技能を身につける単元になりうる可能性を感じさせるものとなっている。
    しかしながら,用具の耐久性や活動の安全性の確保等にはまだ検討すべき課題が残されている。
研究資料
  • —女子学生の場合—
    園部 豊, 植原 吉朗, 上口 孝文, 一 正孝
    2009 年 42 巻 1 号 p. 1_23-1_29
    発行日: 2009/07/31
    公開日: 2011/05/31
    ジャーナル フリー
    本研究では,大学体育授業において合気道を実践し,その効果を検討することを目的とした。
    女子学生71名を対象とし,半期の授業期間における快感情,身体的な負担度,技の達成度,体力の向上度の変化を観察した。
    授業時間前後における測定では,運動後における快感情が好ましく変化した。また,初回授業後と最終授業後における測定においても,合気道は技能獲得や体力についての自己評価を向上させることが確認された。
    このことから,大学体育において合気道を実践することによって,効果的に感情を改善させることや,体力や技についての自己評価を向上させることが明らかとなった。
    中学校授業において武道を必修化することが文部科学省により示されたが,体育授業への導入検討事例の少ない合気道により,様々な効果が示されたことは有益であると思われる。
特別講演
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