地質調査研究報告
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52 巻 , 10 号
地質調査研究報告
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論文
  • 猪狩 俊一郎
    2001 年 52 巻 10 号 p. 445-469
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2015/03/21
    ジャーナル フリー
    これまでにほとんど測定例の無いネオベンタンを含む日本の天然ガスの軽質炭化水素組成を測定した.エタン/プロパン比ネオベンタン/イソペンタン比ネオベンタン/イソブタン比の対数聞には直線関係が観察された.この関係は水素引き抜きによる炭化水素の分解によるものと説明された. 移動に伴う,軽質炭化水素の分別作用に対する岩石種の効果について研究を行った.種々の岩石や,鉱物を充填したカラムを用いたガスクロマトグラフィーにより,それぞれの炭化水素の保持時間を測定した.メタン,エタン,プロパン,イソブタン,n-ブタン,イソペンタン,n-ペンタンについて測定を行った.層間水を持つ粘土鉱物,及びゼオライトを用いた場合に分別が観察された.それぞれの炭化水素の保持時間の順番は粘土鉱物やゼオライトの種類に依存した.また鉱物の空焼き時間の増加とともに分別は大きくなり,空焼きなしでは,非常に小さい分別が観察されるのみだった.これらのことは,分別には粘土鉱物やゼオライトの水が抜けた層間や細孔が重要であり鉱物が水和している通常の地下条件下では粘土鉱物やゼオライトによる,炭化水素の分別は重要でない事が明らかになった. 日本の水溶性ガス田の天然ガスのメタンの炭素同位体比を測定した.その結果,これまで一般に水溶性天然ガスは微生物起源と考えられてきたが熱分解起源のものも存在することが明らかになった. 秋田・新潟の油田ガスのメタン・エタン・プロパンの炭素同位体比を測定した.エタンの炭素同位体比とプロパンの炭素同位体比の聞には強い相関が観察された.この相関は速度論的に説明可能だった.一方メタンとエタンの炭素同位体比の聞には弱い相関が観察されるのみだ、った.これは微生物起源ガスの混入の影響と推定された.さらにこれらの同位体比を用いることにより,熱分解ガスと微生物起源ガスの混合率を計算することができ秋田・新潟の油田ガスはほとんどが両者の混合ガスであることが明らかになった.
  • 石原 舜三, 呉 澄宇
    2001 年 52 巻 10 号 p. 471-491
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2015/03/21
    ジャーナル フリー
    白亜紀後期-古第三紀の流紋岩類(11試料)と花崗岩類(白川29,土岐7,苗木9,領家10,合計55試料)について,XRFとICP-MS法により11主成分,32微量成分について分析した.白川地域の花崗岩類は飛騨変成帯に貫入し,Iタイプ磁鉄鉱系に属する花崗岩ー花崗閃緑岩からなり,鳩ケ谷岩体北部では苦鉄質アンクラーヴが優白質花崗岩に混在する.白川花崗岩類はハーカー図上で高ナトリウム組(モンゾ閃緑岩ー花崗閃緑岩)と低ナトリウム組(花崗岩)とに分けられる.前者は同様な化学的特徴を持つ,現在の飛騨帯に見られるような苦鉄質火成岩起源の変成岩類や花崗岩類に由来するものと考えられる.一方,花崗岩はハプロ花崗岩と呼べる珪長質度を持ち,そのRb/Sr比は分別残液に見られる高い値を示さず,これは中性火成岩の部分溶融に由来するマグマの初期溶融相と判断される.共にY,HREEに乏しく,源物質に柘榴石などの存在が推察される. 山陽ー領家帯の白亜紀後期-古第三紀の花崗岩類は美濃帯とその南方延長部の領家変成岩類に貫入するIタイプチタン鉄鉱系であり,山陽帯の土岐・苗木花崗岩では浅部相南部の領家花崗岩ではやや深部相が産出している.これらはパーアルミナスかつチタン鉄鉱系である点で,起源物質としてAl,Cに富む堆積岩類との関連,更に角閃石含有相には火成岩起源が想定される.土岐・苗木花崗岩は親石元素に富むが,百木花崗岩では特にRb,Y,Th, UおよびRb/Srが高い.そのREEパターンはHREE に富むフラット型で著しい負のEu異常を示しこれが分化したIタイプマグマから固結したことを暗示する.
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