地質調査研究報告
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54 巻 , 11-12 号
地質調査研究報告
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
論文
  • 柳沢 幸夫, 高橋 友啓, 長橋 良隆, 吉田 武義, 黒川 勝己
    2003 年 54 巻 11-12 号 p. 351-364
    発行日: 2003/12/26
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル フリー
    福島県太平洋岸の浜通り地域中部に分布する鮮新統大年寺層のテフラ層序を確立した.また,これまでの珪藻,石灰質ナンノ化石,浮遊性有孔虫及び放散虫化石層序データを総合して大年寺層の微化石年代層序を構築し,古地磁気微化石年代尺度に対比した.これにより,大年寺層のテフラ層の年代が推定可能となり,東北地方南部の鮮新世テフラの年代層序の基盤が整備された.
  • 高橋 友啓, 長橋 良隆, 柳沢 幸夫, 吉田 武義, 黒川 勝己
    2003 年 54 巻 11-12 号 p. 365-393
    発行日: 2003/12/26
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル フリー
    福島県太平洋沿岸において,仙台層群大年寺層中に挟在するテフラ層(101層,133試料)の記載岩石学的性質(粒度組成・粒子組成・重鉱物組成・火山ガラスの形状)を明らかにした.また,火山ガラスのEDSによる化学分析を系統的に行い,98層103試料から1029点の分析結果を得た.これらのデータに基づいて,記載岩石学的特徴及び火山ガラス化学組成(特にK2O量)の層位的変化について検討した.大年寺層に挟在するテフラ層は,細粒ガラス質(中間型ガラス主体)で,普通角閃石を含むものが多い.火山ガラスの化学組成はSiO2量68.8~80.0 wt.%で,K2O量により大きく三分(Low-K,Medium-K,High-K)される.火山ガラスのK2O量については下位から上位へと減少する傾向が2回認められるが,これに対応する記載岩石学的性質の系統的な変化は明瞭には認められない.これについては,K2Oに関して組成累帯したマグマ溜りの上から順に,マグマが噴出した結果である可能性が考えられる.また,重鉱物組成で黒雲母を含むテフラ層が6 層確認され,その火山ガラスのK2O 量はHigh-K領域にプロットされ,その他多数のテフラとは明確に区別される.これらのテフラ層は,中部山岳地域を給源とする広域テフラ層の可能性がある.
  • 亀井 淳志, 高木 哲一, 久保 和也
    2003 年 54 巻 11-12 号 p. 395-409
    発行日: 2003/12/26
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル フリー
    福島県安達郡日山周辺には,阿武隈花崗岩類が斑れい岩類・変成岩類の小岩体を伴って広く分布している.花崗岩類は記載的特徴と貫入時期から古期花崗岩類と新期花崗岩類とに大別される.古期花崗岩類は普通角閃石を有し面構造が発達するが,新期花崗岩類の多くは有色鉱物に乏しく,カリ長石粗粒結晶や白雲母を有し塊状である.本地域に分布する古期花崗岩類を長屋岩体・鹿山岩体・石森岩体に区分し,新期花崗岩類を古道岩体・三春岩体・葛尾岩体・五十人山岩体・初森岩体に区分した.斑れい岩類は,花崗岩類中のルーフペンダントとして産する.深成岩類の全岩組成は,組成変化図において岩体毎に異なるクラスターを形成する.また,岩石の帯磁率は一般にチタン鉄鉱系列の特徴を示す. 長屋岩体・鹿山岩体・葛尾岩体・五十人山岩体の成因を,微量元素組成の解析に基づいて考察した.その結果,本地域の長屋岩体・鹿山岩体のマグマは,1 G P a 以下の圧力かつ水蒸気圧が高い状況で玄武岩質岩石が融解して発生したと説明できる.一方,葛尾岩体・五十人山岩体の成因については2つの可能性が考えられた.1つは,玄武岩質岩石が1 GPa以下の圧力かつ水蒸気圧が低い状況で融解して発生したマグマから固結した可能性,もう1 つは,斜長石の分別が有効的に作用したマグマから固結した可能性である.
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