古地温度指標に対するイライト結晶度測定の標準試料として,JIC(Japanese Illite Crysallinity standard)を提唱する.JICは6つの泥質岩試料から構成され,紀伊半島三波川変成岩類と四万十帯白亜系より採取された.それぞれの泥質岩試料は,長さ2-3cm以下の岩石片からなる.地質調査総合センターで測定された6 つのJ I C 試料のI C 値は,それぞれ0.25,0.28,0.33,0.44,0.48,0.56Δ2゜θを示す.また当センターで測定されたI C 値は,国際試料であるCIS (Crystallinity Index Standard)と線型比例の関係にある.そして,epizoneがパンペリー石-アクチノ閃石相,anchizone がぶどう石-パンペリー石相の変成温度にそれぞれ相当する.CIS換算と変成温度との対比により,JIC試料は有効な古地温度指標であるといえる.そしてこのJIC試料を測定することで,異なる研究室で測定されたIC値の比較が可能となる.
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