新潟県糸魚川市海川周辺の海成堆積物は,鮮新統の川詰層と名立層よりなる.名立層の下部は珪藻化石層序のNPD 7Bb 帯に,上部はNPD 8 帯及びNPD 9 帯に対比される.両層の軟体動物化石群集中には,上部漸深海帯‐下部浅海帯の
Conchocele-
Solemya 群集,
Acila-Lucinoma群集,
Conchocele群集,
Portlandia群集及び
Macoma-Axinopsida群集と,下部浅海帯の
Acila 群集及び
Ophiodermella-Turritella 群集の計7 群集が認識される.以上の群集特性の解析結果から,海川周辺域は鮮新世を通して,上部漸深海帯‐下部浅海帯であったことがわかる.
抄録全体を表示