地質調査研究報告
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56 巻 , 7-8 号
地質調査研究報告
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論文
  • 亀高 正男, 中江 訓, 鎌田 耕太郎
    2005 年 56 巻 7-8 号 p. 237-243
    発行日: 2005/09/30
    公開日: 2014/10/24
    ジャーナル フリー
    岩手県陸中関地域に分布する北部北上帯付加コンプレックスの赤色珪質泥岩から,前期ペルム紀の放散虫化石が産出した.本報告は,北部北上帯からの古生代放散虫化石の初めての産出報告である.本地域の付加コンプレックスは白亜紀花崗岩類の接触変成作用を被っており,放散虫化石の保存は不良である.得られた放散虫化石群集は Pseudoalbaillella sp. cf. Ps. elegans,Ps. sp. cf. Ps. simplex,Ps. sp. cf. Ps. sakmarensis などで構成されており,これは前期ペルム紀の前期(Asselian - Sakmarian前期)の年代を示している.日本列島におけるジュラ紀付加コンプレックスの一般的な海洋プレート層序の岩相と年代の関係に照らし合わせると,この赤色珪質泥岩は堆積時には玄武岩とチャートの間の層準に位置していた可能性が高いと考えられる.
  • Sambuu Oyungerel, Shunso Ishihara
    2005 年 56 巻 7-8 号 p. 245-258
    発行日: 2005/09/30
    公開日: 2014/10/24
    ジャーナル フリー
    The granitic rocks of the Hotont area were classified into the Late Paleozoic Delgerhaan batholithic complex and Mesozoic Egiindavaa stocks, the latter of which is further divided into normal granitoids and Sn-rich granitoids. The Delgerhaan granitoids are weakly magnetic, their oxygen fugacity being at QMF buffer, while the Egiindavaa granitoids are more reduced belonging generally to ilmenite series. The Sn-rich granites are completely magnetite free and most reduced. The Delgerhaan granitoids are shoshonitic, whereas the Egiindavaa granitoids are shoshonite to high-K series. Both the granitoids are similar in most of chemical components in the Harker’s diagrams, but the Delgerhaan granitoids are richer in P2O5 and poorer in Fe2O3, TiO2 and MgO than the Egiindavaa granitoids. Both the granitoids seem to be generated within continental crust in islandarc setting and not fractionated. The Sn-rich granite may be a later intrusion and generated in anorogenic tectonic setting, and well fractionated. Weak Au-mineralizations are related to the Late Paleozoic Delgerhaan granitic complex. The Late Paleozoic granitoids are too well exposed to have primary base-metal deposits, and the Mesozoic granitoids are not oxidized enough to have base metal mineralizations. Sn and W mineralizations and some Ti-Ta-Nb occurrences are possibly associated with reduced granitoids of the Mesozoic age,particularly with the Sn-rich granites, which may have formed in anorogenic setting.
  • 太田 充恒, 張 仁健, 寺島 滋, 金井 豊, 上岡 晃, 今井 登, 松久 幸敬, 清水 洋, 高橋 嘉夫, 甲斐 憲次, 林 政彦
    2005 年 56 巻 7-8 号 p. 259-272
    発行日: 2005/09/30
    公開日: 2014/10/24
    ジャーナル フリー
    2002年春に中国の北京,青島,合肥の3地点で風送ダスト試料を採取し,化学分析を行い,その特徴について検討を行った.大気中ダストは粗い粒径側で濃度が高く,粒径に対する濃度変化は試料採取地点によって異なっていた.ダストイベントが発生した時は,2μm以上の粒子に著しい増加が認められた.一例外を除く全ての試料の化学組成 (Al2O3 Na2O, P2O5, Total Fe2O3, Rb, Zr, and La) は,粗大粒子側ではほぼ濃度が一定であるが1.1 ~2.1 μm よりも細かい粒子において急激に減少した.この結果は,鉱物質エアロゾルの寄与が細粒粒子で著しく減少することを表している.ただし,3月に北京で観測されたダストイベントでは,これらの元素は粒径変化に関係なくほぼ一定の濃度を示した.この結果は,大規模なダストイベントは細粒粒子においても大量の鉱物質エアロゾルを供給していることを表している.元素濃度とAl2O3 濃度の比を見たところ,粗粒‐中粒にかけてほぼ一定の値を示すものの1 ~2μmを境に急激に減少する.すなわち,鉱物組成は粗粒‐中粒ダストではほぼ均質であるが細粒粒子側で変化することを示している.元素濃度比の粒径に対する変化に着目すると,ダストイベントの有無や3 試料採取地点間に系統的な違いは認められなかった.したがって,中国内陸部から運ばれる風送ダストと試料採取地点周辺から巻き上げられた物質の化学組成には共通点が多いことを示している.一方,いくつかの重金属元素 (Cr, Ni, Cu, Zn, Mo,Cd, Sb, Sn, Pb, and Bi) は,鉱物質エアロゾル起源の元素 (Al2O3 など) とは異なる特徴を示した.これらの元素の濃度及びAl2O3 濃度比は粒径が細かくなるに従って著しく増加する.例えば,Cu/Al2O3 比とPb/Al2O3 比は粒径が細かくなるに従って,10~100倍も劇的な増加を示した.これらの粒径に対する変化は細かい粒子ほど人為起源物質の寄与が多いことを示している.
  • 金井 豊, 太田 充恒, 上岡 晃, 今井 登, 清水 洋, 高橋 嘉夫, 甲斐 憲次, 林 政彦, 張 仁健
    2005 年 56 巻 7-8 号 p. 273-301
    発行日: 2005/09/30
    公開日: 2014/10/24
    ジャーナル フリー
    日中共同研究「風送ダストの大気中への供給量評価と気候への影響に関する研究(ADEC)」のなかで,中国の北京,青島,合肥,及び国内の福岡,名古屋,つくば,那覇で2001年春から風送ダストの観測を開始した.本報告では,ハイボリュームエアサンプラーによる全浮遊粒子(TSP)濃度とアンダーセン型のローボリュームエアサンプラーによって得られる粒径分布を報告する.更に,つくばにおける2004年3月のOPC による観測結果や乾質降下物の変動も報告した. 長期にわたるTSP観測によって季節変動や地域差が明らかになった.ダスト濃度は概して春に高濃度となり,集中観測期間(IOPs)が毎年春季に設定された.IOP-2(2003年3月)やIOP-3(2004年3月)では大きなダストイベントがほとんど観測されなかったが,2002年4月のIOP-1では大きなダストイベントが観測された.ダストの粒径分布は,自然起源と人工物起源とを示す二山形を示した.ダストイベントが起こった時には,粗粒フラクションが増加した.粒径分布と粒子数の短期変動を明らかにするために,OPCによる観測が2004年の3月に行われた.粒子特性は時間ごとに変動しており,OPCは時間分解能がよいのでエアロゾルの短期変動の観測に非常に有用であることが示された.つくばにおける乾質降下物の変動パターンはTSP のパターンとほぼ類似していた.
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