地質調査研究報告
Online ISSN : 2186-490X
Print ISSN : 1346-4272
ISSN-L : 1346-4272
59 巻 , 3-4 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
論文
  • 田辺 晋, 石原 与四郎, 中島 礼, 木村 克己, 中山 俊雄
    2008 年 59 巻 3-4 号 p. 135-149
    発行日: 2008/11/20
    公開日: 2013/08/28
    ジャーナル フリー
     東京低地の東縁における2本のボーリングコア堆積物(MZコアとSZコア)の堆積相と放射性炭素年代値を利用し,奥東京湾口における砂嘴堆積物周辺の堆積相の時空間分布を検討した.中・上部更新統の下総層群に不整合に累重する沖積層は,MZコアにおいて,下位より網状河川性堆積物,蛇行河川性堆積物,エスチュアリー性堆積物,砂嘴性堆積物,デルタ性堆積物,そしてSZコアにおいて,デルタ性堆積物から構成されている.MZコアからは13150~3160 cal BP,SZコアからは3930~730 cal BP の放射性炭素年代値が得られた.このうち,MZコアの砂嘴性堆積物の一部を構成するサンドショール堆積物は,奥東京湾口の砂嘴堆積物から北東方向に伸張する細長い砂体を形成している.この砂体は,約4500~3500年前,砂嘴の内陸側に存在した流路において形成されたと考えられる.
  • 石原 舜三, Bruse W. Chappell
    2008 年 59 巻 3-4 号 p. 151-170
    発行日: 2008/11/20
    公開日: 2013/08/28
    ジャーナル フリー
     阿武隈高原の中央部で後期白亜紀の花崗岩類の主成分と微量成分とを偏光蛍光分析法により分析し、中部地方の領家花崗岩類との比較を試みた。阿武隈花崗岩類は角閃石- 黒雲母花崗閃緑岩~黒雲母花崗岩が主体で、中部地方に多い白雲母- 黒雲母花崗岩類は少ない。阿武隈花崗岩類はハーカー図上でナトリウムとアルミニウムに富み、カリウム・ルビジウム・鉛・バリウムなどに乏しい。これらの性質は、阿武隈花崗岩質マグマは上部マントルからのマグマや熱の供給を受けて、成熟度が低い島弧地殻で生成した可能性を示している。  阿武隈花崗岩類は中部地方と同様に、地殻起源炭素により還元されたチタン鉄鉱系から主に構成されるが、一部とくに最東部で磁鉄鉱を含む中間系列花崗岩類が産出する。その近傍の八茎タングステン鉱床直下の黒雲母花崗岩はチタン鉄鉱系であり、中部地方の苗木花崗岩におけると同様にタングステン鉱床は還元的花崗岩と成因的に密接である。第II 帯の花崗岩類はハーカー図上でカルシウムに富み、カリウム・ルビジウム・鉛・イットリウム・セリウム・ランタンなどに乏しい。ここではやや高いSr/Y が得られており、深所からのアダカイト質珪長質マグマの供給が考えられるが、大陸地殻通過時に地殻起源マグマと反応した可能性が大きい。
概報
  • 森尻 理恵, 中川 充, 牧野 雅彦
    2008 年 59 巻 3-4 号 p. 171-189
    発行日: 2008/11/20
    公開日: 2013/08/28
    ジャーナル フリー
     中新世の瀬戸内火山岩類が岩頸として花崗岩類に貫入した地質構造が明瞭に見られる,松山市中島瀬の鼻で露頭の帯磁率プロファイルを取ったところ,花崗岩と火山岩頸の境界部の数m 程度の狭い範囲で高帯磁率帯が認められた.さらに,松山市に分布する中新世の火山岩頸11サイトから42個の花崗岩と安山岩の試料を採取し,帯磁率,自然残留磁化,密度を測定した.また,このうちの15試料について,熱磁気分析およびヒステリシスパラメーター測定を行った.それらの結果,火山岩頸の境界部分において帯磁率も自然残留磁化も強い傾向が見られた.ヒステリシスパラメーターでは,火山岩頸の中心部に比べて縁辺部のマグネタイトのほうが粒子が小さい傾向にあることが分かった.また,ほとんど自然残留磁化を示さない花崗岩類が,安山岩と接触している部分のみ,自然残留磁化が強く,帯磁率が高かった.これは,安山岩と接触した熱で花崗岩類の黒雲母が変質し,粘土鉱物とマグネタイトが生成された結果であると顕微鏡観察から認められた.
  • 巖谷 敏光, 内藤 一樹
    2008 年 59 巻 3-4 号 p. 191-196
    発行日: 2008/11/20
    公開日: 2013/08/28
    ジャーナル フリー
     宮崎県中央部九州山地よりに位置する村所花崗斑岩は,西南日本外帯に属し,カリ長石の斑晶で特徴づけられる花崗斑岩である.これまでこの岩体の生成年代についての報告は得られていなかった.筆者らは,この岩体の新鮮な試料を使ってジルコンによるフィッション・トラック年代値(14.3±0.5 Ma)を求めた.得られた年代値から村所花崗斑岩の活動時期は,西日本外帯の中新世火成岩に属す尾鈴山火山深成複合岩体の活動時期とほぼ同じと考えられる.
  • 中野 俊, 下司 信夫
    2008 年 59 巻 3-4 号 p. 197-201
    発行日: 2008/11/20
    公開日: 2013/08/28
    ジャーナル フリー
     鹿児島県,トカラ列島の北部に位置する小臥蛇島は直径0.5×1 km,角閃石安山岩- デイサイト質の小さな火山島で,底面の直径5×10 km,比高800 m以上の海山の山頂部に当たる.この島の東半分は熱水変質を被っており,2005年及び2006年の現地調査では数ヶ所で噴気・温泉活動を確認した.最近,後期更新世のK-Ar年代が報告されたが,小臥蛇島は第四紀火山であるだけでなく,噴気活動の存在から現在でも活動的な火山であることが明らかになった.
feedback
Top