地質調査研究報告
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59 巻 , 5-6 号
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論文
  • ─存在しなかった774,1892年噴火─
    及川 輝樹
    2008 年 59 巻 5-6 号 p. 203-210
    発行日: 2008/12/25
    公開日: 2013/08/28
    ジャーナル フリー
     御岳火山の歴史時代の噴火記録として西暦774及び1892年の記録の存在が指摘されていたが,典拠とされていた文献を再調査した結果,それら噴火は存在しないことが明らかとなった.18世紀末からの宗教登山の活発化を考慮すると,18世紀末から1979年噴火までの間,噴火はなかった可能性が高い.史料に基づくと御嶽山山頂部の地獄谷において少なくとも18世紀半ばより噴気活動が継続していたが,1979年噴火の後,地獄谷の他に八丁タルミにおいても噴気活動が起こるようになった.また,1991,2007年には八丁タルミの噴気孔から小規模な火山灰放出(微噴火)が起きている.そのため,1979年噴火以降の御岳火山の火山活動は,最近の250年間において最も活発であると考えられる.
  • 小林 紀彦, 大口 健志, 鹿野 和彦
    2008 年 59 巻 5-6 号 p. 211-224
    発行日: 2008/12/25
    公開日: 2013/08/28
    ジャーナル フリー
     門前層は男鹿市門前から赤島に至る海岸を模式地とし,赤島層の上位にあって野村川層もしくは台島層に覆われる火山岩主体の地層として位置づけられる.下位の赤島層とは断層で接し,上位の野村川層・台島層とは不整合関係にある.地表に露出する門前層は,火山岩の岩相の組み合わせとそれらの空間的広がりから互いに識別し得る地質単元として,下位から順に舞台島玄武岩,竜ヶ島デイサイト,長楽寺砂礫岩,長楽寺玄武岩,長崎デイサイト,毛無山安山岩,真山流紋岩に区分できる.そのうち,長楽寺砂礫岩と長楽寺玄武岩は一部指交関係にある.これらの主体をなす火山岩は,沈降しつつある水域または水域に面した陸上に34~36 Ma の範囲内の極めて短時間に噴出し,互いに重なり合ういくつかの火山体を形成した.門前層から読み取れるこのような地質過程は,日本海拡大の前触れとも考えられる.しかし,門前層と上位の台島層との間に一千万年を超える時間間隙が存在しており,22~20 Ma 以降活発になる日本海拡大との関係については更に地域を広げて検討する必要がある.
  • 石原 舜三, Bruce W. Chappell
    2008 年 59 巻 5-6 号 p. 225-254
    発行日: 2008/12/25
    公開日: 2013/08/28
    ジャーナル フリー
     島根県東部の大東-横田-小馬木地域の磁鉄鉱系花崗岩類の主成分と微量成分存在量を明らかにし,中部地方領家帯のチタン鉄鉱系花崗岩類と比較しモリブデン鉱化作用との関連性を追及した.標記の花崗岩類はバソリス状に分布する粗粒の花崗閃緑岩と花崗岩,ルーフ岩石付近の細粒花崗岩類に二大別される.後者は更に,雑家型・川井型・蓮花寺型・鉱化優白花崗岩類・山佐型・下久野型・大内谷花崗斑岩に分けられる.これら花崗岩類は中部地方の領家花崗岩類と比較して,以下の多くの成分:A/CNK,Ga,Ga x 10000/A,K2O,Rb,Ba,Pb,CaO,Fe2O3,Zn,Y,La,Ceに乏しく,Na2O,MgO,V,Uなどに富んでいる.以上の性質は島根県東部の花崗岩類がAl2O3,K2O,REE,炭質物などに乏しい深所の火成岩起源物質に由来することを示している.斑れい岩類の一部にはアダカイト質の性質が認められ,スラブ溶融の可能性が推察される.
     蓮花寺型の北西縁には小規模に変成岩が産出し,金成ホルンフェルスは一部に頁岩を挟む砂岩質の変成岩類と考えられる.磨石山ホルンフェルスはA/CNKは高いが,K2Oは一般的な値を示し,S,Cu,Pb,Zn,MnOなどの堆積性鉱化成分に富み,かつ磁鉄鉱を含む.したがって,有機炭素に乏しい頁岩を挟む中性~酸性の凝灰質堆積岩がその原岩と考えられる.蓮花寺古期花崗岩類はK2O > Na2Oであり,La,Ce,Y,Nb,Th,Uに富み,親石元素が多い起源物質に由来する性格を持っている.主要なモリブデン鉱床を胚胎する川井混交岩(大東)・蓮花寺-優白花崗岩類(清久-東山)・山佐優白花崗岩(山佐)などは,平均2.0~6.3 ppm Moを示し,他の花崗岩類や山陽タングステン鉱床区の花崗岩類よりも高い.したがって新鮮な花崗岩の微量成分としてのMoは探査指標として利用可能である.
  • 大口 健志, 山岸 宏光, 小林 紀彦, 鹿野 和彦
    2008 年 59 巻 5-6 号 p. 255-266
    発行日: 2008/12/25
    公開日: 2013/08/28
    ジャーナル フリー
     男鹿半島西部北西海岸のかぶき岩は,後期始新世の玄武岩質安山岩アア溶岩・枕状溶岩,デイサイト火砕流堆積物とラハール堆積物などの火山岩再堆積物からなる.陸上火山噴出物と水底火山噴出物との共存は,当時のかぶき岩が水際にあったことを示す.かぶき岩から連続するこれらの岩石は,周辺地域において同時期の,北東南西方向に延びた平行岩脈群と同方向の正断層群と共存しており,前期中新世に日本海が急速に拡大する前の,火山活動を伴いながらゆっくり沈降する展張場に噴出したと考えられる.
概報
資料・解説
  • ─新潟・山形県境金丸地域の例─
    奥澤 康一, 関 陽児, 内藤 一樹, 亀井 淳志, 鈴木 正哉, 竹田 幹郎, 竹野 直人, 渡部 芳夫
    2008 年 59 巻 5-6 号 p. 271-298
    発行日: 2008/12/25
    公開日: 2013/08/28
    ジャーナル フリー
        In order to clarify the change in the geochemical characteristics of water during hydrological cycle in mountainous and forested region, we studied chemical compositions of precipitation, streamwater, spring water and groundwater in the Kanamaru area, northeastern Japan, since 2002 to 2005. The groundwater was taken from 50 meters deep nine wells in a foot part of mountainous region where the Cretaceous granites and overlying Miocene sedimentary rocks are distributed. Each well was drilled through both the sedimentary rocks and granitic basement. The precipitation, streamwater and spring water were collected from the area surrounding the wells. The precipitation, streamwater and spring water show seasonal change in electric conductivity (EC) and concentrations of Cl and Na+; they are higher in the winter season and lower in the summer and snow-melt seasons. The geochemistry of groundwater is characterized by increase of pH, EC and concentrations of Ca2+ and HCO3 and decrease of dissolved oxygen and Eh with increasing depth.
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