地質調査研究報告
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62 巻 , 5-6 号
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論文
  • 石原 舜三, 平野 英雄, 星野美保子 , Pham Ngoc Can, Pham Thi Dung, Tran Tuan-Anh
    2011 年 62 巻 5-6 号 p. 197-209
    発行日: 2011/10/31
    公開日: 2013/07/02
    ジャーナル フリー
     Sin Quyen 鉱山の褐簾石に富む含金黄銅鉱-磁鉄鉱鉱床の代表的鉱石について顕微鏡観察と化学的性質を予察的に調 べた.鉱床は母岩の北西- 南東系片理面に規制されて胚胎する縞状鉱として産出するが,主鉱石鉱物である磁鉄鉱・黄銅鉱は塊状~鉱染状に産出し鉱物粒は変形を受けていない.鉱化作用は広域的な変形運動後の恐らく古第三紀に生成したものと考えられる.随伴変質鉱物は,輝石・角閃石類・褐簾石・緑廉石・黒雲母・チタン石・方解石・少量の石英からなり,褐簾石は軽希土類に富み16 Wt.%に達する希土類元素を含む.褐簾石は自形,早期晶出相の一つで,磁鉄鉱と黄銅鉱に交代される.この褐簾石は化学組成上,Mn に乏しい性格を持ち,これは日本の花崗岩地帯では磁鉄鉱系花崗岩類の褐簾石に見出されるものであるから, Sin Quyen 鉱床もREE に富む酸化的なアルカリ花崗岩質マグマ活動で生成した可能性が高い.この点は鉱床が磁鉄鉱に富むこととも整合的である.磁鉄鉱と黄銅鉱とは磁力選鉱・浮遊選鉱で完全に回収されおり,褐簾石は全てテーリング(選鉱廃石)に移動している.従ってテーリングのREE 含有量は高く,テーリング場は将来の軽希土類資源貯鉱場と考えることも可能である.
  • 金谷 弘, 大熊 茂雄
    2011 年 62 巻 5-6 号 p. 211-233
    発行日: 2011/10/31
    公開日: 2013/07/02
    ジャーナル フリー
     西南日本内帯の花崗岩類の密度,孔隙率,磁化率の測定を行った.
     密度についてみると,中部地域,東近畿地域のK1-2(古期領家)および北九州地域のK2(新期領家)の平均密度が2.72~2.74(g/cm3=103 kg/m3以下同様)と最も大きく,北陸地域の古第三紀(暁新世)及び中央中国地域の古第三紀(始新世)花崗岩が2.62で最も小さい.孔隙率についてみると,平均孔隙率は東近畿地域(新期領家)が0.45 %で最も低く中央中国地域,古第三紀(始新世)の1.27 %で最も大きい.その最頻値はほぼ0.22から0.79 %であっておおざっぱにみて平均密度に逆比例している.
     磁化率についてみると白亜紀後期に分類される試料(K1-2,K2)は中部地域,東近畿地域そして中央中国地域では10-4(SI 単位,以下同様)前半の試料が非常に多く,北陸地域,西近畿地域では10-3 前半の試料が加わる.東中国地域と北九州西部地域は更に10-2 を示す試料がある程度存在する.古第三紀に分類される試料(PG1,PG2)は10-4 の試料が一部存在するものの,10-3 の試料に加え10-2 の強度を示す試料が主流を占める.
     残留磁化と密度の相関は全く見られないが,残留磁化と磁化率の相関(Qn 比)は時代区分に関係なく0.2~0.3付近に見られる.これは火山岩に比べ花崗岩の強磁性鉱物の磁区構造がかなり大きいことを意味しているものと考えられる.
  • 清水 徹
    2011 年 62 巻 5-6 号 p. 235-241
    発行日: 2011/10/31
    公開日: 2013/07/02
    ジャーナル フリー
     本研究では,北海道光竜浅熱水性金銀鉱床で産出した氷長石に関し,新たに四つのK-Ar年代値を得た.それらの値を鉱脈の鉱化ステージ区分に沿って報告する.四つの年代値のうち一つは1.4 Maであり,最も初期の鉱化ステージから得られた値である.一方,他の三つは1.19 から1.10 Maの範囲であり,最も主要な金銀鉱化ステージから得られた値である.光竜鉱床では,熱水活動の盛衰とともに,十個の鉱化ステージからなる鉱脈が55万年間にわたって形成された.
  • 梅田 康弘, 板場 智史
    2011 年 62 巻 5-6 号 p. 243-257
    発行日: 2011/10/31
    公開日: 2013/07/02
    ジャーナル フリー
     1946年南海地震前後の地殻の上下変動は地理調査所る.しかしながら,四国における水準測量は本震の前後7年間は行われていないため,地震直前と直後の地殻変動は不明であった.これに対し,水路局(現在の海上保安庁海洋情報部)は地震時を含む長期の上下変動量と地震時のそれとのふたつの値を求めている.前者は港湾などに設置された水路局の基本水準標や最寄りの国土地理院の水準点を利用して測定されたもので,地震前と地震後との差が測定値として求められている.後者は港湾などで目視によって得られた調査値である.地震時の上下変動量である調査値は最大で30 cm の誤差があるとされているが,変動量がそれを上回る地点では有効な値と考え,水路局の得た測定値と調査値とを地理調査所による水準測量の成果値と結合させた.その結果,四国の13地点において本震の前後を含む詳しい上下変動曲線を年スケールで描くことが出来た.
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