地質調査研究報告
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67 巻 , 1 号
地質調査研究報告
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概報
  • 比嘉 万友美, 中村 衛, 小泉 尚嗣, 頼 文基
    2016 年 67 巻 1 号 p. 1-10
    発行日: 2016/04/22
    公開日: 2016/09/01
    ジャーナル フリー
    1999年台湾集集地震(Mw 7.6)時の震源域近傍の濁水溪扇状地における高密度の井戸水位データ及び強震動データを用いて,地震時の水位増加(Cw)と強震動特性(応答スペクトル値)の関係を検討した.最上部の帯水層(Layer 1:不圧~部分被圧帯水層)では高周波数側(1 Hz)において両者に相関が見られたが,Layer 1より下部のLayer 2 ~4(部分被圧~被圧帯水層)のCwは低周波数側(0.1 Hz)の応答スペクトル値と相関が良く高周波数側では相関が悪かった.一方,すべての帯水層について,Cwと透水係数との間に強い相関が認められた.地形・地質条件が同様な第四紀堆積層からなる扇状地においても,地震時の井戸水位変化を地震動の特定の周波数帯の強度のみで評価するのは困難である.
  • 梅田 康弘, 板場 智史, 細 善信
    2016 年 67 巻 1 号 p. 11-25
    発行日: 2016/04/22
    公開日: 2016/09/01
    ジャーナル フリー
    四国太平洋沿岸部では,1946年南海地震の数日前から海水位の変化が目撃されていた.高知県の須崎湾内では,本震直前に2 ~3 mの海水位低下も目撃されていた.このことから地震前に外洋で小規模な津波が発生していた可能性が指摘された.津波の発生を仮定するには,周期や振幅に関してある程度の定量的な情報が必要である.外洋から須崎湾内に津波が侵入した場合の増幅度と卓越周期を推定するため,須崎湾の7 カ所で,2010年11月から15か月間,海水位変化の観測を行った.外洋における観測は,他機関によって行われており,2011年東北地方太平洋沖地震による津波が観測された.土佐湾の水深100 mと,南海トラフに近い1,500 ~2,300 mで観測された津波複振幅は,須崎湾に入ると,それぞれの複振幅で最大8.6 倍と21倍増幅されることがわかった.50分と85分という長い卓越周期が観測されたが,この周期は須崎湾より外洋での共振周期と推定された.これらの観測結果は,地震の前に小規模な津波が発生していたという仮説を支持するものである.
論文
  • 山崎 徹, 山下 康平
    2016 年 67 巻 1 号 p. 27-40
    発行日: 2016/04/22
    公開日: 2016/09/01
    ジャーナル フリー
    XRF分析用の高希釈ガラスビード(試料・融剤比1:10)を用いて,レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析計(LA-ICP-MS)によって,45Scから238Uまでの質量範囲をカバーする全岩微量元素測定を行う簡便な手法を構築した.地質調査総合センター岩石標準試料のガラスビードを用いて,5回の繰り返し測定によるシグナル・カウントの相対標準偏差(RSD)を繰り返し測定精度として検討した結果,著しく含有量の乏しい元素を除いて概ねRSD < 30%であった.標準値との比較においては,JB-2,JA-1,JR-1,JGb-1及び JG-1aの5試料において測定した延べ225 元素のうち194 元素(約85%) において,差が一般的に定量分析における精度の許容範囲の目安とされている30 % 以下であった.標準値との差が30 % 以上であった試料・元素のほとんどは,含有量が乏しいものであった.JB-1bの測定結果は既存のLA-ICP-MSによる測定値とよく一致し,本手法による分析結果は十分に岩石学的・地球化学的議論に使用可能であることを示す.
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