地質調査研究報告
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68 巻, 4 号
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論文
  • 柳沢 幸夫
    2017 年 68 巻 4 号 p. 141-153
    発行日: 2017/08/18
    公開日: 2017/08/23
    ジャーナル フリー

    石川県輪島市(能登半島)の市街地周辺に分布する中新統の輪島層と塚田層の珪藻化石分析を行い,層序・年代及び古地理に関する新たな知見が得られた.輪島層からは湖沼生の珪藻化石が産出し,輪島層の一部に湖沼成堆積物が存在することが明らかとなった.塚田層からはNPD5B帯上部に属する海生珪藻化石が産出し,本層の年代が12.3–11.6 Maであることが判明した.塚田層の基底には明瞭な不整合が存在し,輪島層と塚田層の堆積期の間,輪島市の内陸を含む能登半島西部には陸域が存在していたと推定される.

  • 高橋 雅紀
    2017 年 68 巻 4 号 p. 155-161
    発行日: 2017/08/18
    公開日: 2017/08/23
    ジャーナル フリー

    大部分がユーラシアプレートに属する日本列島には,南からフィリピン海プレートが,東から太平洋プレートが沈み込んでいる.日本列島のうち,本州(東北日本から西南日本)の広い範囲は東西圧縮応力場におかれ,内陸地震が頻発し,断層運動に伴って山地は隆起し内陸盆地は沈降している.この東西短縮テクトニクスの原因について,3つのプレートの運動と,3つの収束境界(海溝)が一点に集まる海溝型三重会合点の三次元幾何学を組み合わせた思考実験を行った.その結果,これまで,西に移動する太平洋プレートの運動そのものに起因すると考えられてきた東西短縮テクトニクスの原因が,北西に移動するフィリピン海プレートの運動によってコントロールされていることが判明した.すなわち,フィリピン海プレートの運動により三重会合点が西に移動し,追随するように日本海溝も西に移動する.その結果,東北日本も西に移動するが,日本海の海洋リソスフェアに阻まれるため,東北日本の島弧地殻は東西に短縮せざるを得ない.このことは,内陸地震の原因が,太平洋プレートの運動そのものではなく,沈み込み位置(日本海溝)の移動であることを意味している.

資料・解説
講演要旨
  • 東宮 昭彦
    2017 年 68 巻 4 号 p. 177-182
    発行日: 2017/08/18
    公開日: 2017/08/23
    ジャーナル フリー

    噴火準備過程(マグマ蓄積や噴火トリガー等)に関する岩石学的研究は,微小領域分析手法の発展に伴って 近年急速に進みつつある.こうして得られた最新の知見の共有と,関連研究者間の相互交流等を目的とし,国際ワークショップ“ International Workshop on Petrological Analysis of Pre-eruptive Magma Processes (PAPEMP)”[噴火準 備過程の岩石学的解析に関する国際ワークショップ]を,活断層・火山研究部門主催で行った.ワークショップは,所内34 名・所外42 名・合計76 名を集め,活発な議論が行われた.以下では,国内外から招聘した5 名の招待基調講演(30 分),および総合討論の要旨を報告する.それ以外のショートトーク(5 分)・ポスター発表については,タイトルと著者名のみを挙げる.なお,発表は全て英語で行われたが,利便性を考え,各発表の英文タイトルに和訳を付けるとともに,国内招待講演者の要旨の一部は日本語で掲載する.

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