地質調査研究報告
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69 巻 , 3 号
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論文
  • 長森 英明, 渡辺 真人
    2018 年 69 巻 3 号 p. 141-151
    発行日: 2018/08/10
    公開日: 2018/08/29
    ジャーナル フリー

    層序的な位置付けが定まっていない新潟県西頸城山地北西部に分布する海成層の岩相層序及び珪藻化石を検討した.本地域の海成層は,下位より鮮新統の根知層及び名立層,下部更新統の梶屋敷層に区分される.根知層は塊状砂質泥岩からなる.名立層は,主に塊状砂質泥岩からなり,砂岩の薄層及び凝灰質砂岩を伴う.根知層の上部は珪藻化石層序のNPD7Bb亜帯,名立層はNPD8帯から9帯に対比される.根知層と名立層の境界は,珪藻化石層序のNPD7Bb亜帯(5.6 ~3.9–3.5 Ma)とNPD8帯(3.9–3.5 ~2.7 Ma)の境界付近に位置し,不整合は存在しないことが明らかとなった.本地域に分布する名立層は,西頸城山地中–東部地域の川詰層及び名立層に対比される.

  • 松本 哲一, 中野 俊, 古川 竜太, 山元 孝広
    2018 年 69 巻 3 号 p. 153-163
    発行日: 2018/08/10
    公開日: 2018/08/29
    ジャーナル フリー

    山形・福島県境に位置する第四紀の大型複成火山である吾妻火山について,同位体希釈法による38溶岩試料のK–Ar年代測定を行い,火山活動の時間的空間的変遷を明らかにした.吾妻火山は安山岩の溶岩流が主体の火山であり,一部の火山体を除き,岩石学的にはほとんど区別できない.年代測定に基づき,完新世に形成された浄土平火山を含め,12の火山に区分した.最も古い活動は 1200 ka 頃に東側で開始し,徐々に西方へ移動し,700 ka 頃に西端で活動,その後,再び東側に時間をおって活動中心が移動している.従来は,吾妻火山の活動は300 ka 以降,完新世の活動までの長い休止期が存在するとされていたが,その期間にも活動は継続しており,現在まで長い休止期を挟まずにほぼ継続的に活動が続いていることが明らかになった.

  • 工藤 崇
    2018 年 69 巻 3 号 p. 165-200
    発行日: 2018/08/10
    公開日: 2018/08/29
    ジャーナル フリー

    十和田湖周辺地域における前期~中期更新世の火山活動史を構築した.本地域の火山活動は,鮮新世の火山活動が不活発な時期を経て,2.5 Ma 頃に開始した.2.5~1.6 Maには南東部で複数の噴出中心から安山岩~デイサイトマグマが噴出した.その活動様式は,溶岩ドームの形成とドーム崩落型のブロックアンドアッシュフローの発生で特徴づけられる.1.6 ~0.6 Maには北西部で火山活動が起こった.玄武岩~安山岩マグマが噴出し, 成層火山が形成された.その周辺ではデイサイトマグマが噴出し,溶岩ドーム群が形成された.0.76 Maより少し前には,北東部において安山岩マグマの噴出が起こり,火砕丘が形成された.0.6 Ma以降は,0.22 Ma以降の十和田火山活動開始時期までの間に,約40万年間の火山活動休止期が存在する.長期にわたる休止期の存在から,0.6 Ma以前の火山活動については,十和田火山とは別の火山によるものとして認識される.

資料・解説
  • 山崎 徹
    2018 年 69 巻 3 号 p. 201-210
    発行日: 2018/08/10
    公開日: 2018/08/29
    ジャーナル フリー

    全岩化学組成分析用の粉末岩石試料作成プロセスにおける,粉砕器具及び機器からのコンタミネーションの程度を検討した.鉄乳鉢とタングステンカーバイド乳鉢,めのうボールミルとタングステンカーバイドミルを用いて3通りの組みあわせで岩石粉末試料を作成し,粗粉砕及び微粉砕のそれぞれの過程でのコンタミネーションの程度を調べた.検討試料には玄武岩,玄武岩質安山岩,デイサイト及び流紋岩を用い,主成分組成と微量成分組成に対する影響を検討した. 3通りの組合せの粉砕方法で作成した4つの組成の試料の分析結果は,粗粉砕に用いた試料の組成の違いに起因すると思われる差が認められたものの,主成分元素においてはコンタミネーションの影響は検出されなかった.微量元素組成においても,試料間の初生的な組成差と思われる分散が大きいものの,タングステンカーバイドミルを用いた粉末試料に対する明らかなタングステンと若干のコバルトのコンタミネーション以外は,系統的な組成差は認められなかった.

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