地質調査研究報告
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69 巻 , 6 号
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資料・解説
  • 山崎 徹, 小森 省吾, 井上 卓彦, 石塚 治, 池原 研
    2018 年 69 巻 6 号 p. 265-303
    発行日: 2018/12/28
    公開日: 2019/01/10
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    戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「次世代海洋資源調査技術」における,地質調査総合センター(GSJ)の5 ヵ年の研究成果をまとめた.「次世代海洋資源調査技術」においてGSJは,4つの研究テーマの一つである,「海洋資源の成因の科学的研究に基づく調査海域の絞り込み手法の開発」に国立研究開発法人海洋研究開発機構や国立大学法人九州大学等とともに連携して取り組んできた.GSJでは特に,海底熱水鉱床の成因に関する科学的研究と成因モデル構築の一環として,モデル海域と定めた中部沖縄トラフ海域において,主として(1) 海底熱水鉱床を胚胎する基盤岩類の地質構造発達史,熱水循環の熱源として機能するマグマの発生メカニズムと資源濃集過程との関連,そして火成岩類・堆積岩類・硫化物の化学組成・物性の検討を通じた,(2) 有望海域の絞り込みに資する科学的調査指標の特定に関する研究開発を実施してきた.(1) では,火成岩類の岩石学的・地球化学的検討を通じ,中部沖縄トラフのリフティングに伴う地殻の薄化によって海底面に達するマントル由来苦鉄質マグマの貫入・噴出が生じ,その結果形成された苦鉄質岩が海水や熱水による変質を受けた後,新たな苦鉄質マグマ・バッチにより含水部分溶融し珪長質マグマを発生することによって,噴出岩類の組成や鉱液の形成が合理的に説明可能であることを明らかにした.(2) では,熱水活動域周辺に広範に分布する珪長質火成岩類(パミス)の化学組成を用いて鉱徴域を絞り込むための地球化学的調査法を開発するとともに,地球深部探査船「ちきゅう」の掘削コアの岩石物性の検討を通じ,電気・電磁探査手法の高度化に資する,海底面下構成岩類の電気特性を明らかにした.これらの成果は,「次世代海洋資源調査技術」における,有望海域の絞り込みによる調査航海日数及びコストの削減,最適な取得データ項目や調査機器のスペックの決定による高効率調査システム開発に貢献する.

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